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博物館活動センターの事務室前の看板に何か不思議なものがぶら下がっています。
風でゆらゆら揺れたり、くるくる回ったり。影もなんだか素敵…!
これは「ヒンメリ」といいます。
「ヒンメリ」は「光のモビール」とも言われ、幸福のモビールとしてフィンランドで冬に飾られる工芸品です。
太陽と恵みのシンボルである麦(ライ麦)のワラ(茎)にひもを通して、幾何学的な多面体(ダイヤモンドやピラミッド)を作ります。
日本では「ワラ」というと、稲(いね)が一般的です。
稲わらは、麦のワラと比べると少し柔らかく、編み込んでしめ縄にしたり、草履にしたりして利用されてきました。
また、稲や麦はイネ科という植物の仲間です。
トウモロコシや、「ねこじゃらし」でおなじみのエノコログサ、水辺に生えるヨシ、お月見の時に飾るススキもそうです。
イネ科の植物と聞いてもあまりピンと来ないかもしれませんが、私たちの生活に強く結びついている植物だといえるでしょう。
イネ
エノコログサ
ヨシ
ススキ
茎がストローのように空洞(くうどう)になっています。
これを専門用語で「中空(ちゅうくう)」といいます。
なので、茎にひもを通して「ヒンメリ」をつくることが
できるのです。
植物の葉で切り傷をつくってしまった経験はありませんか?
イネの葉を顕微鏡で観察すると、
縁に小さくて鋭く透明なトゲが見えます(右写真)。
これはプラントオパールと呼ばれる、ガラス質の細胞です。
植物のオパールという意味であり、「オパール」という宝石としても
使われる鉱物に見立てて名付けられました。
土の中の珪酸(けいさん)を吸収し細胞にため、細胞をガラス質に
することで、鋭いトゲや丈夫で強い茎を作ることができるのです。
また、考古学において、遺跡から発掘されるプラントオパールは、稲作が行われていたことを示す重要な手掛かりになります。
ところでみなさんは、イネ科の植物の花ってみたことありますか??
一般的なイメージの花とはかなり違うつくりになっていると思います。
ぜひ、春になったら観察してみてください!
思わず、「これが花…?」と言ってしまうかもしれません。
身近なイネ科の植物を使ってヒンメリを作ってみましょう!
今回はヨシを使ってヒンメリを作るよ!(立ち枯れたヨシがおすすめ)
まずは正三角形をつなげて作る基本的な正八面体を作ってみよう。
市販のストローを使えばもっと簡単に作れるよ。
完成したヒンメリはセンターのどこかに飾ってあるよ!
見つけられるかな?
ストローを使う場合は、針や竹串を使って糸(毛糸やたこ糸でもOK)を通すと簡単だよ。
使用済みのストローを洗って集めて作ると、エコでいいね!
節(ふし)も入れたい!
竹串や針で穴をあけよう!
ハサミで切ったら、切り口が割れちゃった。
細く切ったセロハンテープなどを、切り口にぐるっと巻いて補強(ほきょう)しよう!
ボンドを薄く塗って乾かしてもいいよ。
糸じゃダメ?
テグスより柔らかいので、通しにくいかも。
穴が大きい茎やストローで、針や竹串を使って糸を通せばできるよ!
ヨシ以外にどんな植物がむいてる?
エノコログサやススキ。イネ科以外でも、アマやオオイタドリのように、中空で枯れて硬くなる植物。
アマ
オオイタドリ
クリスマスの飾りにもぴったりです。
長い冬のおうち時間に、春の光を待ちながらじっくり楽しんでみてください!
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