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更新日:2021年1月15日

雪の芸術作品を見つけよう

みなさんは、ふしぎな形に積もった雪を見たことがありますか?

気温0度前後のときに降る湿った雪(=ベタ雪)が、ふしぎな形を作り出すことがあります。湿った雪の粒の表面には薄(うす)い水の膜(まく)があり、乾(かわ)いた雪よりも雪どうしがくっつきやすいので、降り積もった雪の形がそのまま残りやすいのです。

自然が作り出す芸術作品のような雪をいくつか紹介しましょう。

縁起(えんぎ)がいい雪?

雪ひも

まるでクリスマスツリーのかざりのよう。これは「雪ひも」という現象です。
木の枝(えだ)、ガードレール、電線などに雪が積もり、それが時間の経過とともに垂れ下がってきます。
無風に近い状態で湿った雪が降った朝が観察のチャンスです。

一方、風が強い日に横なぐりに雪が吹(ふ)き付けると、木の幹(みき)や電柱など縦長のものの側面に着雪(ちゃくせつ)します。ツルツルした垂直面に張り付いた雪は不安定なので、気温が上がってくると下へ滑(すべ)り落ちますが、水分が吸着剤となり剥(は)がれ落ちず、「ひも」の形を保ったままぐにゃりと曲がります。

垂直面の雪ひも

縁起のいい白蛇(へび)にも例えられる「雪ひも」。見つけるとうれしい気持ちになりそうですね。

着雪:空から降ってきて地面に積もる前に何かにくっついた状態の雪、またはそのような現象。

雪のおじぎ?

雪のおじぎ

「どうもこんにちは。」と深々とおじぎをしている雪。

小さな出っ張りに高く積もった雪が溶(と)けて、前に倒(たお)れかかった状態で固まっています。雪のもろさからは想像できないバランスで乗っていますね。落ちる前に気温が下がって再び凍(こお)ったことが分かります。

雪の帽子(ぼうし)?

雪の帽子

冬囲いした植物が雪の帽子をかぶっています。

植物や電柱、くい、墓石などの先端部分に冠状に雪が積もることを「冠雪(かんせつ)」といいます。降雪量や風の有無、できる場所(物)の違(ちが)いでさまざまな形になります。はじめは小さかった冠雪がもとになり、そこに降り積もる雪がくっついていき、大きく“成長”することもあります。

雪のモンスター?

宮城・山形県境にある蔵王(ざおう)連山の樹氷(じゅひょう)のように、着雪・着氷がくり返されて成長し、針葉樹の原型が分からないくらいぼってりと雪がついた状態を「スノーモンスター」と表現します。

一方、札幌の街に現れるのは、まあるい小さなモンスターたち。

札幌の小さな雪モンスター

背丈の低い松にこんもりと積もった雪です。風が弱いと雪がまっすぐに落ちてくるため、このような姿になります。

みなさんも、自然が作り出す芸術作品を探してみてください。

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