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みなさんは、ふしぎな形に積もった雪を見たことがありますか?
気温0度前後のときに降る湿った雪(=ベタ雪)が、ふしぎな形を作り出すことがあります。湿った雪の粒の表面には薄(うす)い水の膜(まく)があり、乾(かわ)いた雪よりも雪どうしがくっつきやすいので、降り積もった雪の形がそのまま残りやすいのです。
自然が作り出す芸術作品のような雪をいくつか紹介しましょう。
まるでクリスマスツリーのかざりのよう。これは「雪ひも」という現象です。
木の枝(えだ)、ガードレール、電線などに雪が積もり、それが時間の経過とともに垂れ下がってきます。
無風に近い状態で湿った雪が降った朝が観察のチャンスです。
一方、風が強い日に横なぐりに雪が吹(ふ)き付けると、木の幹(みき)や電柱など縦長のものの側面に着雪(ちゃくせつ)します。ツルツルした垂直面に張り付いた雪は不安定なので、気温が上がってくると下へ滑(すべ)り落ちますが、水分が吸着剤となり剥(は)がれ落ちず、「ひも」の形を保ったままぐにゃりと曲がります。
縁起のいい白蛇(へび)にも例えられる「雪ひも」。見つけるとうれしい気持ちになりそうですね。
※着雪:空から降ってきて地面に積もる前に何かにくっついた状態の雪、またはそのような現象。
「どうもこんにちは。」と深々とおじぎをしている雪。
小さな出っ張りに高く積もった雪が溶(と)けて、前に倒(たお)れかかった状態で固まっています。雪のもろさからは想像できないバランスで乗っていますね。落ちる前に気温が下がって再び凍(こお)ったことが分かります。
冬囲いした植物が雪の帽子をかぶっています。
植物や電柱、くい、墓石などの先端部分に冠状に雪が積もることを「冠雪(かんせつ)」といいます。降雪量や風の有無、できる場所(物)の違(ちが)いでさまざまな形になります。はじめは小さかった冠雪がもとになり、そこに降り積もる雪がくっついていき、大きく“成長”することもあります。
宮城・山形県境にある蔵王(ざおう)連山の樹氷(じゅひょう)のように、着雪・着氷がくり返されて成長し、針葉樹の原型が分からないくらいぼってりと雪がついた状態を「スノーモンスター」と表現します。
一方、札幌の街に現れるのは、まあるい小さなモンスターたち。
背丈の低い松にこんもりと積もった雪です。風が弱いと雪がまっすぐに落ちてくるため、このような姿になります。
みなさんも、自然が作り出す芸術作品を探してみてください。
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