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暖かな日差しを感じる日も増え、春はもうすぐです。
お散歩やお出かけの途中で、雪解けの様子を観察してみませんか?
樹木の根元の雪は周囲より早く解け、すり鉢状の穴になり、穴から木が生えているように見えます。この現象を「根開き」と呼びます。
なぜ樹木の周りの雪は早く解けるのでしょう?
雪が解ける主な原因は、日光を受けて暖まった樹幹(じゅかん)表面からの放熱(ほうねつ)と、日射を受けた樹幹からの反射光による熱です。
黒っぽい木ほど温度が高く、長時間日射が当たる1メートルの高さで木の温度が10度~20度になることもあります。温度が高い木の熱によって雪は水に変化します。
一方、白っぽい木の場合は、日射が当たっても黒い木ほどには表面温度が上がりません。その代わり幹が日射を反射し、その反射光による熱が近くの雪解けを増加させます。
自然の雪面は、まっ平らとは限りません。雨や日射などで雪解けが進むとき、雪面にたくさんのくぼみが現れます。これは「雪えくぼ」と呼ばれます。
くぼみの下には雪が解けた水が集まっていて、下へ流れる水の通り道となっています。雪えくぼができるときの積雪状況によって、くぼみの間隔は数センチメートルの細かなものから数メートルのゆったりとしたものまであります。
雪えくぼは、札幌のようにたくさん雪が積もる地域で見られます。
みなさんも「根開き」や「雪えくぼ」を探してみてください。
参考文献:『フィールドガイドシリーズ7. 雪と氷の自然観察』(財)日本自然保護協会編集・監修(平凡社)、『雪と氷の辞典』(社)日本雪氷学会監修(朝倉書店)
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