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札幌市は10区に分かれていて、
それぞれの区にはそれぞれの特徴的な自然や独自の歴史があります。
このコーナーでは、それぞれの区の特徴を、自然史の視点から眺めてみようと思います。
厚別川は豊平川に流れ込む支流としては最大、札幌市内では豊平川(72.5km)に次ぐ2番目に長い川(41km)です。
源流は札幌市南区南部、空沼岳の頂から約5km東の中腹に源を発します。その後、北東に向かい、南区滝野地区で滝野すずらん丘陵公園のアシリベツの滝を経て、清田区に入ります。
写真:アシリベツの滝
図:厚別川。「札幌東部」(国土地理院)一部。1918年(大正7年)。
川の名はアイヌ語のアシリ・ペッ(新しい・川)に由来すると考えられています。かつては洪水で毎年のように流路を変えたので、「新しい川」と呼ばれたのでしょう。その他には、ハシ・ペッ(雑木林・潅木を流れる川)、アッ・ペッ(オヒョウの木の川、または魚のとれる豊かな川)などの説もあります。
「厚別(アシリベツ)」の漢字が当てられた確実な最古の記録は、1879年(明治12年)に、源流に近い滝野に設置された厚別水車器械場(官営製材工場)とされています。
この器械場によって、それまで豊平川や真駒内川の融雪時の増水を利用して木材を下流域へ流送していたものを、木材を伐採する山中で加工し、陸路を利用して、安全に、良好な木材を市中に供給することが可能になりました。
今も澄川地区には平岸街道につながる「器械場通り」という道路が残されています。
来週のテーマは、厚別区のほぼ中央を流れる「野津幌川」の語源です。
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