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早春からスプリングエフェメラルとともに現れる、丸くて大きく、毛がふわふわしたかわいいハチさんがいます。
それがマルハナバチの仲間です。
北海道にはおよそ12種類(しゅるい)のマルハナバチの仲間がいます。
今回は一見似ているけれど知れば簡単に見分けることができる、エゾオオマルハナバチと外来種のセイヨウオオマルハナバチの見分け方について紹介します。
エゾオオマルハナバチ
活動時期4~9月 大きさ11~22mm
北海道にのみ生息している。本州に生息しているオオマルハナバチの仲間。
セイヨウオオマルハナバチ(外来種)
活動時期5~9月 大きさ16mm前後
トマトやナスなどハウス栽培の野菜の授粉用(じゅふんよう)に輸入(ゆにゅう)され全国で見られる。
北海道では野外(やがい)に逃げ出したものが営巣(えいそう)し、繁殖(はんしょく)して道内のほとんどに分布している。
このエゾオオマルハナバチとセイヨウオオマルハナバチ、一見違いは分かりませんが、実は大きな違いがあります。
それは…
おしり!!
エゾオオマルハナバチのおしり(腹部の先端)は黄色、セイヨウオオマルハナバチは白色ではっきりと見分けができるんです。
日本(※北海道根室半島周辺を除く)では白いおしりのマルハナバチはセイヨウオオマルハナバチしかいないので、自分のおうちの近くにもセイヨウオオマルハナバチがいるかどうか調べることもできますよ。
飛び回っている時や、お花の蜜(みつ)に夢中になっている時はおしりを観察しやすいので、マルハナバチを見つけたらおしりをのぞいてみてくださいね!
※マルハナバチはスズメバチとは違い、温厚(おんこう)であまり人間を刺さないハチではありますが、危険を感じたら刺すこともあるので、捕(つか)まえず観察してください。
※北海道根室半島周辺に生息する「ノサップマルハナバチ」にはおしりが白っぽい個体がいるそうです。
[おまけ]マルハナバチぬりえ
エオオマルハナバチとセイヨウオオマルハナバチでおしりの色をぬり分けてみてね!
博物館活動センター展示室にもマルハナバチの仲間の標本があります。
たまに来館者からは「あ、クマバチだ!」と言われることがあります。
大きくて丸いハチと言えば「クマバチ(クマンバチ)」というイメージが強いので、マルハナバチをクマバチだと思っている方が多いようです。
しかし、クマバチの生息分布(せいそくぶんぷ)は道南までで、実は札幌にはクマバチはほとんど生息していません。
ちなみにクマバチはこんな姿です↓(キムネクマバチ)
マルハナバチよりもおしりの毛が少なく、強そうな風貌(ふうぼう)ですね!
見た目は少し怖いですが、マルハナバチと同じく温厚で、オスのクマバチには針がないそうですよ。
札幌で丸くて大きいモフモフしたハチを見つけたら、クマバチではなくマルハナバチの仲間だと覚えてくださいね。
参考:『日本産マルハナバチ図鑑』木野田君公・高見澤今朝雄・伊藤誠夫(北海道大学出版会、2013年)
『札幌の昆虫』木野田君公(北海道大学出版会、2006年)
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