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最近、テレビやインターネットで動物の愛らしい仕草を見ると、思わず目を留めてしまいます。現在、我が家には2匹のカクレクマノミがいます。オレンジ色の体に3本の白い帯がある海水魚で、映画「ファインディング・ニモ」の主人公としても知られています。
20年前、当時飼っていたインコの餌を買いにペットショップへ行ったとき、何気なく立ち寄った熱帯魚コーナーで、生まれて間もない小さなカクレクマノミたちに出会いました。小指の先ほどしかないその姿を見て、私は思わず「ニモだ!かわいい!」と声を上げ、2匹を家に迎えることにしました。一緒に「ドリー」と呼ばれる青色の体に黄色の尾ひれがあるナンヨウハギも1匹追加で迎えました。
あれから20年。ニモたちにはいろいろな出来事がありました。私がうっかり餌をあげるのを忘れていると、2匹は激しくひれを動かし、「ピチャピチャ」と音を立てて存在を知らせます。まるで「ごはんを忘れていませんか?」と伝えているようです。
10年ほど前のことです。夕食の支度をしていると、なんとなく水槽の方から視線を感じました。不思議に思って近づいてみると、水槽の底で2匹のニモが大きくひれを揺らしながら、じっとこちらを見ていました。その間には、動かなくなったドリーがいました。私は、ニモたちがドリーの異変を教えてくれたのだと感じました。
また、北海道胆振東部地震によるブラックアウトのときには、水槽のモーターもヒーターも止まってしまいました。時間が経つにつれ、2匹は落ち着きを失い、水槽の中を右往左往していました。酸素不足や水温の低下という危険を感じていたのかもしれません。私は慌てて、保管していた酸素玉やカイロを探し出し、何とかその場をしのぎました。
人も動物も、安全な場所で安心して暮らしたいという気持ちは同じなのだと思います。そして、困ったときや苦しいときには、それぞれの方法で「助けて」というサインを送っています。しかし、そのサインはいつも分かりやすいとは限りません。元気がなくなる、急に怒りっぽくなる、学校へ行きたくなくなる、言葉が少なくなる……。子どもも大人も、つらさをうまく言葉にできないことがあります。だからこそ、周りにいる人が小さな変化に気づき、そのサインを受け止めることが大切なのだと思います。
もし、今悩みや不安を抱えているなら、一人で抱え込まないでほしいと思います。身近な人でも、子どもアシストセンターでも構いません。少し勇気を出してサインを送ってほしいと思います。
現在のニモたちは、体長10cmほどになりました。平均寿命は10年前後と言われています。以前のような機敏な動きは少なくなりましたが、これからも2匹が送る小さなサインを見逃さず、できるだけ安心して過ごしてもらいたいと思います。20年間、ニモたちは私に「小さなサインに気づくことの大切さ」を教えてくれているのかもしれません。

掲載日:令和8年8月4日
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