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更新日:2026年4月22日

コラム「こんにちは、アシストです」(2026年4月号)

「損得って何だろう」(朝倉救済委員)

最近「コスパ」や「タイパ」という言葉を耳にする機会が多いように思います。私自身、費用対効果を重視したり、できるだけ時間を無駄にしたりしないよう心がけながら生活しています。ただ、自分の人生を振り返ったとき、合理的な損得の観点だけからすると、明らかに損なこと、無駄なことをたくさんしてきたように思います。

私は、高校生のとき硬式野球部に所属していました。札幌市内の公立校であり、どうひっくり返っても甲子園に行けるはずもない野球部です。それでもなかなかにハードな毎日でした。シーズン中一番練習をしていたときは、早朝ノック、昼休みは素振り、放課後は日が落ちるまで全体練習、全体練習後に長距離走をする、といった日々。もちろん、土曜日、日曜日、夏休みにも練習があります。
一応進学校でしたので、クラスメイト達は、毎日しっかり予習、復習をして、当然、授業も真剣に聴いています。周りのみんなは、1年生のときから、学校生活を楽しみながらも、頭の中には常に進学のことがありました。人によって程度の差はあるものの、基本的には計画的に大学受験に向かって準備していたのだと思います。

しかし、先ほどお話したような生活をしていると、家に帰るとへとへとで、食事をとってお風呂に入ったら、もう勉強をする気力なんて残っていません。それどころか、授業中は放課後の練習に向けて休息(居眠り)です。当然、授業についていけなくなります。さっぱりわからないまま、(起きているときは)何となくノートをとる、そんな高校生活でした。

かといって、正直、「三度の飯より野球が好き」「野球さえやっていれば幸せ」というほどではありませんでした。もちろん好きで始めた野球ですが、続けているうちにどこか義務感のようなものが芽生えてきて、いつでも楽しいというわけではありません。むしろ、つらい、苦しいと思うことのほうが多かったです。ときには練習を休みたいなあと思いましたし、雨が降ってほしいなあと不謹慎なことを考えたりもしました。

繰り返しますが、どんなに頑張っても甲子園は夢のまた夢です。どれだけ練習してもプロ野球選手になるなんて、世界が違い過ぎて夢見ることすらでません。学校の成績は落ちる一方、大学合格も遠ざかっていきます。確かに、良いプレーができたときの喜びは他には代えがたいものですが、逆に、自分のエラーで試合に負けたときは、本当に情けない気持ちで一杯になります。費やした労力や時間からすると、喜びを得られる瞬間はほんのわずか。「コスパ」「タイパ」の悪さは述べるまでもありません。メリット・デメリットという言い方をすれば、具体的なメリットは特にありません。

でも、大人になって振り返ると、かけがえのない日々だったなと思います。そして、具体的、物理的なメリットはなかったとしても、大げさに言うと生きるための羅針盤のようなものを手に入れることができたのかもしれません。どんなに頑張っても報われないことはある。努力が才能の前に木っ端みじんに打ち砕かれることもある。でも、100頑張って1つでも得られるものがあればいいんだ。あのときあんなに頑張ったのだから、今の大変さもきっと乗り越えられるはずさ。

目の前の損得はいったん横において、何かに打ち込んでみませんか。

令和8年4月22日

 

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