ホーム > 健康・福祉・子育て > 子育て > 子どもの権利救済機関「子どもアシストセンター」 > コラム「こんにちは、アシストです」 > コラム「こんにちは、アシストです」(2023年11月号)
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早いもので、令和になって5年が過ぎました。振り返れば、昭和にはあたりまえだったことでも今の時代、ありえないと感じることも多いです。
昭和の学校の職員室は、先生たちのたばこの煙で部屋中がもやっていましたし、運動中は水を飲むな!と言われてました。
令和のいま、学校でも職場でも禁煙・分煙が徹底されています。運動の時は積極的に水分をとるようにとも言われてますよね。それはタバコの副流煙による健康被害や、運動時の水分補給の必要性が科学的にも証明されて、常識となっているからです。
それでは「体罰」についてはどうでしょうか。
アシストセンターには「親からたたかれる」という子どもの声が届くことがありますが、
親から子どもへの体罰は、児童虐待の防止等に関する法律で禁止されています。法律が改正され施行されたのが令和2年4月1日。令和の時代、体罰は「法律で禁止されている」ことなのです。
厚生労働省のパンフレットでは次のようなことが「体罰」の例とされています。
・言葉で三回注意したけど言うことをきかないので、ほおを叩いた。
・大切なものにいたずらをしたので、長時間正座させた。
・宿題をしなかったので、夕ご飯を与えなかった。
昭和世代からは「昔はこんなことで体罰なんて言わなかった」「悪いことすればげんこつが当たり前だった」などの声をよく聞きます。「しつけのためにはある程度の体罰はしかたない」「自分が痛い思いをしないと他人の痛みも理解できない」などの意見もあるのではないでしょうか。
でも厚生労働省の「体罰等によらない子育ての推進に関する検討会」では、「体罰等が子供の成長、発達に悪影響を与えることは科学的にも明らかであり、体罰等が繰り返されると子どもの心身に様々な悪影響が生じる可能性がある」とされているのです。
親からたたかれる、と相談してくる子どもの声からは、どうしようもないつらさ、悲しさが伝わってきます。子どもによかれと思ってしたことでも、それが子どもを傷つけているとしたら…
親であっても、親だからこそ、イライラしたり感情的になることはあるでしょう。子どもに向きあいたくても余裕がない、叩くなといっても、どうすれば・・・そんな時にアシストセンターで話を聞いて、お手伝いできることもあると思うのです。
タバコの害と同じように、体罰は子どもに決して良い影響はないことが、もっと世の中に広まっていくようにと願います。体罰ではないやり方で、子どもにこうしてほしい、こうなってほしいと伝えていくことができる、それが「令和の常識」となりますように。
令和5年11月9日
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