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「これ、いいよ安いし。注文していい?」
「この番号、出てみていいかい?」
「何か、変更したから確認をって通知が来ているけど、…。」
そう聞くたびに「それはサギだよ!」と娘が教えガードしてくれる。
もしかしたら子どもは、親をサギから守るためにいるのか、と思うくらいに。
何の疑いもなく安心してどの番号にも出ていた時代があったよな。
通販ではなくて手で触れて、なんなら試着して、そういう買い物の仕方だったよな。
サギとは何の関係もなく、昔の生活に飛んでしまうこの頭を何とかしたいところだけれど、勝手に時代をさかのぼるからしょうがない。
おぼろげな記憶の中に
馬に引かれた台車(馬車)が町内のごみを集めて運んでいたこと
積もった雪の排雪に、重そうなそりを引いた馬が来ていたこと
早朝に家の前に配達された、一升瓶に入った搾りたての牛乳
牧場に住んでいた友だちの長靴には、牛が食べる牧草の草切れが必ず入っていたな
リンゴを売りに来ていたリヤカーを引いていたのは大きな犬、何という種類の犬だっけ?
何でかな、どの記憶にも動物がいる。
こんなに身近に人間を助けてくれて、自然に普通に一緒にいたような記憶がある。
今日も昨日もその前の日も、毎日が熊による被害の情報にあふれて。
まさか連日のTOPニュースが熊関連のものになるなんて。
しかも、熊が私たちの生活エリアに出てくる、居ることがこの後何年も続くらしいと。
子どもたちが大人になったときに「あの頃は熊のことばっかりだったな。怖かったな。」
という記憶が残っていくのかな。
動物に支えられていた、しみじみとした私の記憶とは随分と違ってしまうかもしれないな。
でも今と昔と行ったり来たり、違っているように見えているけど、ちゃんと繋がっているんだろうな。
ぼんやりした記憶の雲をどこかに飛ばして、今いる場所に戻ってきたら…
「どうか安心して、大丈夫だよ、どうぞあなたの話を聞かせて。」
私は今に生きて、そんな仕事をしている。
令和7年12月16日
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