ホーム > 健康・福祉・子育て > 子育て > 子どもの権利救済機関「子どもアシストセンター」 > コラム「こんにちは、アシストです」 > コラム「こんにちは、アシストです」(2024年11月号)
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「うちの子はほめるところがないんです」「どうやってほめたらいいかわからないです」こんな風に保護者の方から言われることがあります。
一方で、子どもからのLINEに「あなたはとても頑張っているよ、えらいよ」と伝えると「そんな言葉をもらってうれしいです、ほめられたことがないので」と返ってくることもあります。
「ほめる」は本当に難しいです。ダメ出しの言葉は苦労せずにどんどん出てくるのに「ほめ言葉」は「えらいね」「すごいね」「いいね」くらいで後が続かない…「ほめる」のにも練習が必要なのです。
実は私も、「ほめる」ことの難しさを実感する機会がありました。千葉県の児童相談所の渡邉直所長が考案した「非暴力のコミュニケーション~機中八策」(ぜひ検索してみてください)の研修です。グループを作って相手をほめるのですが、最初はぎこちなかったりなんだか顔が引きつったり。でも3日間の研修で、ひたすら「ほめる」ことを続けるうちにどうやらスムーズに言葉が出てくるようになりました。
「当たり前のこともできてないのに、ほめるなんてできません!」
「当たり前のことって、たとえばどんな風にしてほしいですか?」
「学校から帰ったらまず靴をそろえて、手洗いうがいして、ランドセルからプリントを出してテーブルに置いて、水筒を出して洗って、それから宿題やって・・・」
これを全部できてからだと、なかなかほめる機会はめぐってこないですよね。
まず、やってほしいことの25%でもできたらほめる「今日は靴そろえてくれたね、ありがとう」。それも難しいなら、いつも困ったことをするのに、それをしなかったら「さっきお買い物の時、お菓子買って、買ってと言わなかったね。うれしいよ!」
子どもだって怒られるよりほめられる方がうれしいのです。「~しないで!」「~はダメ!」の代わりに「こうしてほしい」と具体的に伝えてみると「こうすればいいんだ」とわかるのではないでしょうか。
先ほどの機中八策の研修でも、とにかくお互いをほめ続けていくうち、会場全体の空気がだんだんと、暖かく優しくなっていくのが感じられるのです。
日本人はほめるのが下手、と良く言われるようですが、言葉でなくとも表情や態度、しぐさでも子どもに「いいね」は伝わります。
すぐには何も変わらないように思えるかもしれません。でも続けていくうちに、気が付くと「何だか子どもを叱る回数が減ったみたい…」まずはそんなところから目指してやってみませんか。
令和6年11月6日
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