ホーム > 健康・福祉・子育て > 子育て > 子どもの権利救済機関「子どもアシストセンター」 > コラム「こんにちは、アシストです」 > コラム「こんにちは、アシストです」(2024年10月号)
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今年の夏は、パリでオリンピック・パラリンピックが開催されました。
連日、テレビ中継やニュースで日本人の活躍が紹介されていましたので、ご覧になった方も多いかもしれません。
私はパラリンピックで障がいのある皆さんが、それを乗り越えて、自らの気力や体力の限界に挑む姿に勇気と希望を抱いている一人です。
パラリンピックの競技の一つに視覚に障がいのある選手が42.195キロを走るマラソン競技があります。「え、目が不自由なのにどうやって走るの?」と思う人もいるかもしれません。この競技では選手は一人で走るのではなく伴走者と呼ばれる人と一緒に走ります。伴走者は選手の隣を一緒に走りながら、選手が見ることのできないコースの様子を伝えたり、途中で飲み物を受け渡したりして選手を支え、二人はチームとして勝利を目指していきます。
もちろん、伴走者は選手の目標タイムを確実に完走できるスキルが必要になり、誰でもなれるわけではありません。
選手と伴走者がお互いのペースを合わせ、気持ちを伝えあいながら走るために、二人は互いにガイドロープという小さなロープを握り合って走ります。
このガイドロープは選手と伴走者が「今少し疲れてきているからペースを落としたい」とか「カーブに差し掛かっているから気を付けて」「これから最後の登りだよ。頑張ろう」など、お互いの意思や気持ちを伝えあいながら走りぬくための大切なコミュニケーションの道具であり、互いの信頼関係を作り上げていくための道具でもあるのです。
日本では、この小さなロープを「きずな」と呼ぶことがあります。
安全にそして、少しでも良い記録を目指して、立場の違う二人が支えあう、その間を結ぶのが「きずな」と呼ばれるロープです。
42.195キロ先のゴールを目指して走る。しかも視覚に障がいがありながら・・。
少し想像しただけでも気が遠くなるほど大変なことだろうと感じます。自分がどこを走っているのか、周りがどのようになっているのか、不安の中でそれでもゴールを目指し走っていく。そんな選手の思いを想像すると横に寄り添って走る伴走者と「きずな」の存在がいかに大切なのかがわかるような気がします。
私たちは時々、一人でなんでも解決しようとして頑張って疲れてしまう時があるように思います。でも、頑張りすぎたり悩みを抱えて苦しい時、この信頼できる伴走者のような存在を見つけて、悩みを共有したり、一緒に考えながら自分の進む道を見つけていくことが必要な時もあるのではないかと思います。
自分がひとりぼっちだと感じた時、不安で押しつぶされそうなとき、是非アシストセンターを、あなたの伴走者として頼ってみてください。
アシストセンターは、あなたと一緒に考え、あなたが一歩ずつ前に進むことができるように支え応援し、信頼の「きずな」を結んでいきたいと思っています。
令和6年10月1日
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