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更新日:2025年6月4日

コラム「こんにちは、アシストです」(2025年6月号)

「ピッチャーとキャッチャーは味方どうしです」祐川子どもの権利調査員

このタイトルを見た人は「あったりまえじゃん!」と思うでしょうね。これは伊丹十三という映画監督さん(もう亡くなっていますが)がエッセイに書いていたことです。「女の人に野球のルールを教える時は、まず『ピッチャーとキャッチャーは味方どうし』から始めるのがいいと思う」

かなり昔のことなので、その当時は野球のことをあまり知らない女の人が、伊丹さんの周りにたくさんいたのでしょうね。私はこれを読んだ時「なるほど!」と思ったのです。

確かに、生まれて初めて野球を見た人は「ピッチャーとバッターが味方どうしなんだ」と思うかもしれません。ピッチャーとバッターが協力して、投げた球をどれだけ遠くに打って飛ばせるか…キャッチャーはせっかくの球を横取りしてしまう人、そんな風に見えるかもですね。

私も、実は野球のルールはいまだに良くわかりません。昔の野球アニメ「巨人の星」が好きで再放送も何度も見ていたのに…

野球のルールだけでなく、アシストに来る相談の中でも、初めて聞くことがいっぱいです。今流行っているゲームやアニメのこと、送ってくれるスタンプのキャラ、みんなが使っているいろんなアプリやSNSのツールのこと…

「そんなことも知らないの?」「常識でしょ!」「誰でも知ってるよ、こんなの」とか言われたら、悲しくなってしまいますよね…

知らないことがあっても、それであなたが否定されることはないのです。知りたい、解りたいと思ったことを聞いてみる、調べてみる。それはとてもりっぱな、素敵な気持ちだと思います。人はそうやって自分の世界を広げていくものですよね。

自分が「常識」と思っていることも、他の人にとっては違うかもしれません。友達との関係がうまくいかない時も、いろんな考え方や物の見方があるんだな、と思ってみると、少し心の余裕ができるかもしれませんね。

さて、もしもあなたが人から何かを聞かれたら、わかりやすく教えてあげましょう。

伊丹十三さんもきっと、野球を知らない女の人に、やさしく、ていねいに教えてあげていたと思いますよ。

「まずはじめに、ピッチャーとキャッチャーは味方どうしなのです…」

令和7年6月3日

 

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