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このタイトルを見た人は「あったりまえじゃん!」と思うでしょうね。これは伊丹十三という映画監督さん(もう亡くなっていますが)がエッセイに書いていたことです。「女の人に野球のルールを教える時は、まず『ピッチャーとキャッチャーは味方どうし』から始めるのがいいと思う」
かなり昔のことなので、その当時は野球のことをあまり知らない女の人が、伊丹さんの周りにたくさんいたのでしょうね。私はこれを読んだ時「なるほど!」と思ったのです。
確かに、生まれて初めて野球を見た人は「ピッチャーとバッターが味方どうしなんだ」と思うかもしれません。ピッチャーとバッターが協力して、投げた球をどれだけ遠くに打って飛ばせるか…キャッチャーはせっかくの球を横取りしてしまう人、そんな風に見えるかもですね。
私も、実は野球のルールはいまだに良くわかりません。昔の野球アニメ「巨人の星」が好きで再放送も何度も見ていたのに…
野球のルールだけでなく、アシストに来る相談の中でも、初めて聞くことがいっぱいです。今流行っているゲームやアニメのこと、送ってくれるスタンプのキャラ、みんなが使っているいろんなアプリやSNSのツールのこと…
「そんなことも知らないの?」「常識でしょ!」「誰でも知ってるよ、こんなの」とか言われたら、悲しくなってしまいますよね…
知らないことがあっても、それであなたが否定されることはないのです。知りたい、解りたいと思ったことを聞いてみる、調べてみる。それはとてもりっぱな、素敵な気持ちだと思います。人はそうやって自分の世界を広げていくものですよね。
自分が「常識」と思っていることも、他の人にとっては違うかもしれません。友達との関係がうまくいかない時も、いろんな考え方や物の見方があるんだな、と思ってみると、少し心の余裕ができるかもしれませんね。
さて、もしもあなたが人から何かを聞かれたら、わかりやすく教えてあげましょう。
伊丹十三さんもきっと、野球を知らない女の人に、やさしく、ていねいに教えてあげていたと思いますよ。
「まずはじめに、ピッチャーとキャッチャーは味方どうしなのです…」
令和7年6月3日
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