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更新日:2024年10月4日
腎癌、腎盂尿管癌や膀胱癌など尿路上皮癌、前立腺癌、精巣癌、陰茎癌などの悪性腫瘍、前立腺肥大症、神経因性膀胱、尿失禁や骨盤臓器脱などの女性の泌尿器科疾患、尿路結石症や尿路感染症、先天性水腎症や膀胱尿管逆流、停留精巣など小児の泌尿器科疾患を含め、泌尿器科疾患全般に対応します。年間900件を超える道内有数の手術件数を誇る施設であり、多種多様な泌尿器科疾患を対象に主に手術的治療を中心に精力的に取り組んでいます。
患者さんの身体的・精神的負担を軽減し、早期の回復や社会復帰を可能にすべく腹腔鏡手術を積極的に行っています。腎癌に対する腎摘出術や腎部分切除術、腎盂尿管癌に対する腎尿管全摘術、膀胱癌に対する膀胱全摘術など多くの手術を腹腔鏡手術で行い、術後の早期回復を実現しています。さらに副腎腫瘍や一部の小さな腎腫瘍は単孔式腹腔鏡手術も積極的に取り組んでいます。また内視鏡下手術支援ロボットda Vinciを導入し、前立腺癌に対する根治術を2015年に導入し、現在適応を広げて積極的に行っています。
他に膀胱癌や前立腺肥大症に対する尿道から挿入した内視鏡を用いた切除術、婦人科領域の骨盤臓器脱手術、小児の停留精巣固定術なども行っています。
また、腎臓移植外科と共同で腎移植にも積極的に取り組んでいます。
市立札幌病院では、2014年5月から手術支援ロボットda Vinci surgical systemを導入しています
手術支援ロボットによる手術は繊細かつなめらかな動きが可能となっており、より安全で精度の高い手術が可能です。医師が患者さんに触れずに遠隔操作によって手術が行われるのも、特徴のひとつです。患者さんの身体的な負担が少ない腹腔鏡下手術の特長を生かしつつ、ロボットの機能による支援によって、従来不可能とされていた手術操作が可能になりました。
平成24年4月に前立腺がんに対する前立腺全摘除術が保険適用となって以降、様々な疾患・手術に保険適応が拡大されてきています。2022年現在、泌尿器科では前立腺がんに対する前立腺全摘除術、腎細胞がんに対する腎部分切除術、膀胱がんに対する膀胱全摘除術、腎盂尿管移行部通過障害に対する腎盂形成術をロボット支援下に施行しています。
手術適応については、医師とご相談ください。
ダヴィンチの機能
ダヴィンチは、ロボットの操作を行う操作盤(サージョンコンソール)、ロボットアーム部(ペイシェントカート)、内視鏡の映像を映し出すモニター部(ビジョンカート)の3つの部分から構成されています。ロボットアーム部は先端に鉗子やハサミなどを取り付ける3本のアームと腹腔内の手術野を映し出すカメラを装着するアームしますからなります。サージョンコンソールに術者が座り、中に映し出される3D画像を見ながらロボットアーム部を操作し、患部の切除や縫合を行います。
腹部に数か所の穴をあけ、そこから3Dカメラと手術用鉗子を挿入し、コンソールに座った術者が3D画像を見ながら両手を動かすことで、ロボットの手が術者の動きを再現します。
➀サージョンコンソール ②ペイシェントカート ③ビジョンカート
市立札幌病院 da Vinci surgical system
による手術の様子
私たちが手術を担当します
市立札幌病院ロボット支援手術チーム一同
保険適応の拡大とともに施行する術式を拡大してきています。
高度な技術と多くの経験に裏打ちされた安全な医療を提供し、患者さんの早期回復・早期社会復帰を目指した医療を展開しています。
前記の様な症状を持った方は泌尿器科の受診をおすすめします。
そのほか特に受診をおすすめする方は:前立腺癌は近年顕著に増加しており、PSA値の異常を指摘されて受診される方が増えております。60歳を過ぎた方は年に一度はPSAの血液検査をおすすめします。排尿の症状を持った方は特におすすめします。
前立腺肥大症は老化現象の一つとして多くの男性に現れますが、尿が出づらい、時間がかかる、回数が多いと言う方は、年だからとあきらめずに受診してください。
腎不全により透析治療を受けている方は、健常人より腎癌になる危険性がとても高いです。透析中で定期的なCT検査を受けていない方は受診を強くおすすめします。
40歳以上の女性には尿失禁で悩む女性が案外多くいらっしゃいます。あきらめずに受診してみてください。
お子さんが急激に陰嚢の痛みを訴えたときは急いで受診してください。精巣がねじれて血管がつぶれてしまう精索捻転だと数時間のうちにねじれをほどかないと精巣がくさってしまいます。
主な手術 | 件数 ※()は腹腔鏡 |
---|---|
副腎腫瘍手術(腹腔鏡) | 15(15) |
腎癌・根治的腎除術(腹腔鏡) | 33(28) |
腎癌・腎部分切除術(ロボット支援) | 37(37) |
腎盂尿管癌手術(ロボット支援) |
20(10) |
腎盂形成(ロボット支援) | 4(4) |
膀胱全摘出(ロボット支援) | 24(24) |
根治的前立腺全摘術(ロボット支援) | 21(21) |
経尿道的膀胱悪性腫瘍手術 | 157 |
経尿道的前立腺肥大症手術 | 5 |
女性泌尿器科手術 | 9 |
小児泌尿器科手術 | 15 |
手術コード | 手術名 | 件数 |
---|---|---|
K0001 | 創傷処理(筋肉、臓器に達するもの・長径5㎝未満) | 1 |
K0003 | 創傷処理(筋肉、臓器に達するもの・長径10㎝以上)(その他) | 1 |
K0005 | 創傷処理(筋肉、臓器に達しないもの・長径5㎝以上10㎝未満) | 1 |
K0012 | 皮膚切開(長径10㎝以上20㎝未満) | 1 |
K0061 | 皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3㎝未満) | 2 |
K0211 | 粘膜移植術(4未満) | 1 |
K2761 | 網膜光凝固術(通常のもの・一連につき) | 2 |
K2762 | 網膜光凝固術(その他特殊なもの・一連につき) | 2 |
K2801 | 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含むもの) | 2 |
K2822 | 水晶体再建術(眼内レンズを挿入しない場合) | 2 |
K282-2 | 後発白内障手術 | 1 |
K6113 | 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) | 27 |
K6121 | 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純なもの) | 4 |
K6153 | 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内等)(その他のもの) | 1 |
血管塞栓術(腹腔内血管等)(その他のもの) | 7 | |
K620 | 下大静脈フィルター留置術 | 1 |
K620-2 | 下大静脈フィルター除去術 | 1 |
K6251 | リンパ管腫摘出術(長径5㎝未満) | 1 |
リンパ節摘出術(長径3㎝未満) | 1 | |
K627-21 | 腹腔鏡下リンパ節群郭清術(後腹膜) | 1 |
K6277 | リンパ節群郭清術(後腹膜) | 1 |
K637-2 | 経皮的腹腔膿瘍ドレナージ術 | 3 |
K642-2 | 腹腔鏡下大網、腸間膜、後腹膜腫瘍摘出術 | 1 |
K643 | 後腹膜悪性腫瘍手術 | 3 |
K654 | 内視鏡的消化管止血術 | 1 |
K6951 | 肝切除術(部分切除)(単回の切除によるもの) | 1 |
K714 | 腸管癒着症手術 | 1 |
K722 | 小腸結腸内視鏡的止血術 | 1 |
K726 | 人工肛門造設術 | 1 |
K754-2 | 腹腔鏡下副腎摘出術 | 11 |
K756-2 | 腹腔鏡下副腎悪性腫瘍手術 | 1 |
K771 | 経皮的腎嚢胞穿刺術 | 1 |
K772 | 腎摘出術 | 2 |
K772-2 | 腹腔鏡下腎摘出術 | 3 |
K773 | 腎(尿管)悪性腫瘍手術 | 4 |
K773-2 | 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 | 39 |
K773-51 | 腹腔鏡下腎悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器)(原発病巣が7cm以下) | 34 |
K773-6 | 腹腔鏡下尿管悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) | 4 |
K775 | 経皮的腎(腎盂)瘻造設術 | 15 |
K775-2 | 経皮的腎(腎盂)瘻拡張術(一連につき) | 2 |
K778-2 | 腹腔鏡下腎盂形成手術 | 1 |
腹腔鏡下腎盂形成手術(内視鏡手術用支援機器使用) | 4 | |
K783 | 経尿道的尿管狭窄拡張術 | 3 |
K783-2 | 経尿道的尿管ステント留置術 | 76 |
K783-3 | 経尿道的尿管ステント抜去術 | 35 |
K790 | 尿管皮膚瘻造設術 | 14 |
K795 | 膀胱破裂閉鎖術 | 1 |
K797 | 膀胱内凝血除去術 | 1 |
K7981 | 膀胱結石摘出術(経尿道的手術) | 8 |
K800-2 | 経尿道的電気凝固術 | 11 |
K802-21 | 膀胱脱手術(メッシュを使用するもの) | 2 |
K803-21 | 腹腔鏡下膀胱悪性腫瘍手術(全摘・腸管等利用し尿路変更なし) | 1 |
腹腔鏡下膀胱悪性腫瘍手術(腸管等利用し尿路変更なし・手術用支援機器使用) | 11 | |
K803-22 | 腹腔鏡下膀胱悪性腫瘍手術(回腸等導管利用尿路変更あり・手術用支援機器) | 10 |
K8036 | 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術・電解質溶液利用のもの) | 167 |
K804-2 | 腹腔鏡下尿膜管摘出術 | 3 |
K805 | 膀胱瘻造設術 | 12 |
K807 | 膀胱腟瘻閉鎖術 | 2 |
K809-2 | 膀胱尿管逆流手術 | 1 |
K814 | 外尿道口切開術 | 2 |
K8151 | 尿道異物摘出術(前部尿道) | 1 |
K8152 | 尿道異物摘出術(後部尿道) | 1 |
K816 | 外尿道腫瘍切除術 | 3 |
K8171 | 尿道悪性腫瘍摘出術(摘出) | 1 |
K8181 | 尿道形成手術(前部尿道) | 2 |
K8182 | 尿道形成手術(後部尿道) | 2 |
K819 | 尿道下裂形成手術 | 1 |
K821 | 尿道狭窄内視鏡手術 | 6 |
K821-2 | 尿道狭窄拡張術(尿道バルーンカテーテル) | 2 |
K8232 | 尿失禁手術(その他) | 3 |
K825 | 陰茎全摘術 | 1 |
K8281 | 包茎手術(背面切開術) | 1 |
K8282 | 包茎手術(環状切除術) | 4 |
K830 | 精巣摘出術 | 29 |
K832 | 精巣上体摘出術 | 2 |
K833 | 精巣悪性腫瘍手術 | 4 |
K8352 | 陰嚢水腫手術(その他) | 9 |
K836 | 停留精巣固定術 | 4 |
K8381 | 精索捻転手術(対側精巣固定術を伴う) | 2 |
K8382 | 精索捻転手術(その他のもの) | 2 |
K8411 | 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用のもの) | 9 |
K843-4 | 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) | 28 |
K939-3 | 人工肛門・人工膀胱造設術前処 | 4 |
合計 | 675 |
職名 | 氏名 | 専門分野 | 資格等 |
---|---|---|---|
副院長 |
田中 博 |
小児泌尿器科 前立腺肥大症 神経因性膀胱 女性泌尿器科 尿路悪性腫瘍 |
日本泌尿器科学会専門医・指導医 日本内視鏡外科学会泌尿器腹腔鏡技術認定医 日本泌尿器内視鏡外科学会認定医 da Vinci Certificate |
副部長 |
三浪 圭太 |
泌尿器悪性腫瘍 |
日本泌尿器科学会専門医・指導医 |
一般職 |
原田 茂 |
腎移植 |
日本泌尿器科学会専門医 da Vinci Certificate |
川代 啓太 |
腎移植 |
日本泌尿器科学会専門医 da Vinci Certificate |
|
石川 優衣 |
全般 |
da Vinci Certificate | |
勝山 皓平 |
全般 | da Vinci Certificate | |
嘱託医 |
関 利盛 |
腎移植 小児泌尿器科 腹腔鏡手術 |
日本泌尿器科学会認定専門医・指導医 日本内視鏡外科学会泌尿器腹腔鏡技術認定医 日本泌尿器内視鏡外科学会認定医 日本臨床腎移植学会認定医 da Vinci Certificate |
医師 |
成松 怜 |
演題名 | 出題者名 | 所属 |
学会名 |
発表月日 | 発表地 |
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糖尿病合併腎移植患者におけるMMFの血中濃度の検討 |
高本 大路 辻本 高志 佐々木 元 原田 茂 高田 祐輔 平野 哲夫 田中 博 |
市立札幌病院 腎臓移植外科 薬剤部 泌尿器科 |
第55回日本 臨床腎移植学会 |
2022.2.24 | online |
論文名 | 著者名 | 所属 |
雑誌名 (書名) |
発表年 | 巻号 |
ページ ~ |
---|---|---|---|---|---|---|
腎盂形成術の長期成績と フォローアップ |
守屋 仁彦 | 市立札幌病院 泌尿器科 | 泌尿器外科 | 2022 |
35 (3) |
225-229 |
小児の尿道狭窄に対する 尿道形成術 |
守屋 仁彦 | 市立札幌病院 泌尿器科 | 臨床泌尿器科 | 2022 |
76 (1) |
46- 49 |
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