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更新日:2024年10月4日

新生児内科

新生児内科について 

胎児から新生児への切れ目ない周産期医療を実現し、後遺症なき生存を目指します。

当院の総合周産期母子医療センターは、道央圏における周産期医療の基幹病院として機能しています。当院では、新生児内科は小児科から独立しており、医師は兼任ではありません。新生児内科の医師は常勤6人体制(研修医は含まず)で、NICUに24時間常駐し診療にあたっています。いつでも、どんな疾患でも、産まれてまもない新生児にかかわることであれば、NICUにお電話いただければ対応します。産科はもちろんのこと、外科、脳神経外科、形成外科、呼吸器外科、眼科、耳鼻咽喉科、泌尿器科などの関係する診療科と密接な連携をとり、当院の総合力を生かした診療を行っています。
精神医療センターが当院に併設されてからは、精神疾患を合併する妊婦さんの紹介が多くなりました。抗精神薬を内服している妊婦さんの管理には病棟薬剤師がかかわり、できる限り母乳を活かした管理を行っています。
最近はより若い週数、より小さい体重の児の入院が多くなっています。以前に比較して在胎24週程度、出生体重500g前後の赤ちゃんが増加していますが、大部分は元気に退院できるようになりました。また、重症新生児仮死に引続く低酸素性虚血性脳症、新生児遷延性肺血圧症に対しては、低体温療法や一酸化窒素吸入療法などの集中治療を行っています。

NICU(新生児集中治療室)
NICU(新生児集中治療室)

GCU(回復期病床)
GCU(回復期病床)

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基本方針 

  1. 小さな命が後障害なく救命され、元気に家庭に帰ることを目標にする。
    治療はやさしさを基本とし、より侵襲の少ない医療を目指す。
  2. 北海道道央圏唯一の総合周産期母子医療センター新生児部門として地域周産期医療に貢献する。
    すなわち診療はもとより、地域化周産期情報の発信、地域周産期関係者への研修を行う。
    新生児専門医制度における研修病院として教育施設機能を充実させる。
  3. 診療の質の向上に努める。
    (1)特にハイリスクと考えられる新生児を積極的に受け入れる。
    (2)合併症のある新生児には総合病院のメリットを生かし、他の診療科との連携を密にして集学的治療を行う。
    (3)日常診療業務に積極的にITを導入し、診療の効率化を進める。
    (4)学会活動に参加、発表を志す。
  4. 母子関係を重視し、母子育児支援を行う。

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こんな症状・疾患を診ています 

新生児に関することはどのような病気でも診ています。赤ちゃんは外来を受診してから入院することはほとんどなく、出産直後、または生後数日以内に、産科病医院からの紹介で搬送入院します。
近年は産科病医院で生まれた赤ちゃんをわれわれ新生児内科へ搬送するのではなく、早産や危険なお産など出生後に赤ちゃんの問題が予想される場合は、分娩前にお母さんに当院産科へ移っていただきます。これを母体搬送といいます。お母さんには必要な産科管理が行われ、生まれた赤ちゃんはすぐに新生児内科の治療を受けられるシステムとなっています。これは院外で出生して救急車で搬送されることは小さな赤ちゃんにとっては大きな負担となり、その後の経過に悪い影響を与えるからです。
入院の約6割が低出生体重児(いわゆる未熟児)で、残りの4割が成熟児で何らかの異常のある赤ちゃんです。最近10年間の総入院数と出生体重1500g未満の極低出生体重児の入院数と生存退院率(%)をグラフに示します。年間の入院数は約300人前後で、そのうち60人くらいが極低出生体重児です。

最近10年間の総入院数と極低出生体重児数とその生存率

なかでも最もハイリスクである出生体重が1000グラム未満の超低出生体重児(少し前までは超未熟児といいました)の入院数と生存退院率(%)を下のグラフに示します。平均すると年間25人くらいの入院があり、生存退院率は80%以上です。

最近10年間の総入院数と極低出生体重児の入院数とその生存率

さらにこれらの極低出生体重児の院内出生と院外出生の割合は、下のグラフに示すように最近は約9割以上が院内出生となっています。

最近10年間の院内・院外出生と院内出生率

成熟児の病気については新生児黄疸、胎便吸引症候群や気胸、新生児一過性多呼吸などの呼吸障害、新生児仮死、消化管閉鎖や横隔膜ヘルニアなどの外科疾患、頭蓋内出血や水頭症などの脳外科疾患、奇形症候群などがあります。小児外科や呼吸器外科、脳神経外科、形成外科、耳鼻いんこう科など多くの診療科と協力し、総合病院としての強みを発揮して日々の診療を行っております。

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手術件数 

令和4年(2022年) 手術件数

手術コード

手術名

件数

K5622 動脈管開存症手術(動脈管開存閉鎖術(直視下)) 1
K766 経皮的尿管拡張術(経皮的腎瘻造設術を含む) 1

K9131

新生児仮死蘇生術(仮死第1度)

12

K9132

新生児仮死蘇生術(仮死第2度)

6

合計

20

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診療実績 

直近5年の入院数と生命予後

入院年 総入院数

低出生体重児の

(<2500g)総数

出生体重区分 多胎児
1000~1500g <1000g
2018年 405(7) 194(0) 17(0) 20(6) 73
2019年 378(3) 192(0) 32(0) 25(3) 74

2020年

286(3) 164(0) 20(0) 25(2) 68
2021年 235(0) 161(0) 30(0) 22(0) 59
2022年 237(2) 155(0) 22(1) 20(0) 59

                                   ()内は死亡退院数

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私たちが担当しています~担当医紹介~ 

職名 氏名       専門分野 資格等                       
部長

塩野 展子しおの のぶこ

新生児疾患
胎児心疾患

日本小児科学会専門医・指導医
日本周産期・新生児医学会専門医・指導医
新生児蘇生法「専門」コースインストラクター

胎児心エコー認証医

副部長 

内田 雅也うちだ まさや

新生児疾患  
医長

里見 達郎さとみ たつお

新生児疾患  
副医長

越田 慎一こしだ しんいち

新生児疾患

新生児蘇生法「専門」コースインストラクター

一般職

赤城 秀紀せきじょう ひでき

   

宇留野 里奈うるの りな

   

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学会・研究会等発表演題 

令和3年(2021年)

演題名             

出題者名     

所属

学会名

発表月日

発表地  

超低出生体重児におけるアミノ酸および脂肪酸投与が神経発達と体格に与える影響 野呂歩
齋藤光里
本庄遼太
里見達郎
塩野展子
内田雅也
水島正人

市立札幌病院

新生児内科

日本周産期

新生児医学会

2021年

7月11日

宮崎
超低出生体重児の未熟児網膜症における光凝固療法と抗VEGF療法での比較検討 本庄遼太
齋藤光里
里見達郎
塩野展子
内田雅也
水島正人
野呂歩
木下貴正

市立札幌病院

新生児内科

日本周産期

新生児医学会

2021年

7月11日

宮崎
当院管理超低出生体重児における重度神経学的後障害の危険因子解析 野呂歩
齋藤光里
本庄遼太
里見達郎
塩野展子
内田雅也
水島正人

市立札幌病院

新生児内科

日本周産期

新生児医学会

2021年

7月11日

宮崎
当院管理超低出生体重児における神経学的後障害の危険因子解析 野呂歩
齋藤光里
本庄遼太
里見達郎
塩野展子
内田雅也
水島正人

市立札幌病院

新生児内科

日本周産期

新生児医学会

2021年

7月11日

宮崎
超低出生体重児における症候性動脈管開存症に関する危険因子解析 野呂歩
齋藤光里
本庄遼太
里見達郎
塩野展子
内田雅也
水島正人

市立札幌病院

新生児内科

日本周産期

新生児医学会

2021年

7月11日

宮崎
超低出生体重児における動脈管結紮術に関する危険因子解析 野呂歩
齋藤光里
本庄遼太
里見達郎
塩野展子
内田雅也
水島正人

市立札幌病院

新生児内科

日本周産期

新生児医学会

2021年

7月11日

宮崎
超低出生体重児におけるアミノ酸および脂肪酸投与が退院時体格計測に与える影響 野呂歩
齋藤光里
本庄遼太
里見達郎
塩野展子
内田雅也
水島正人

市立札幌病院

新生児内科

日本周産期

新生児医学会

2021年

7月11日

宮崎

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論文等 

令和3年(2021年)

論文名

著者名

所属    

雑誌名
(書名)

発表年  

巻 

ページ

無症候の母体より出生した単純ヘルペス1型ウイルスによる壊死性網膜炎の早産児例 野呂歩
水島正人
内田雅也
里見達郎
塩野展子
本庄遼太
木下貴正
市立札幌病院新生児内科 日本周期・新生児医学会誌 2021

57巻

1号

175 181