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更新日:2024年8月30日
整形外科は脊椎外科、手の外科、上下肢関節外科などの専門分野に細分化していますが、当科ではほぼすべての分野を網羅しております。心がけていることは適切な検査をして正確な診断をすることです。それによって、適切な治療方針を立てることができます。手術が必要な場合には最先端の治療をより安全な方法で行うことを基本方針としています。
また総合病院でありいろいろな科の専門医もいることから、他科疾患の合併(透析、糖尿病、肝硬変、循環器・呼吸器疾患など)症例を診ることも多く、他科に協力してもらい合併症を起こさず治療するように努力しています。高齢者の大腿骨近位部骨折例が増加していますが、大腿骨近位部骨折地域連携パスに則り、患者さんがよりスムーズに社会復帰できるよう、担当医師、リハビリ、地域連携センター(MSW)が速やかに連絡を取り合い、回復期病院での適切なリハビリ治療が継続できる体制の維持に努めています。
整形外科は最近脊椎外科、手の外科、上下肢関節外科などの専門分野に細分化されていますが、当科ではほぼすべての分野で対応可能になっています。
令和4年度入院診療実績
主な病名 | 件数 |
---|---|
腰部脊柱管狭窄症 | 78 |
腰椎骨折(閉鎖性) | 42 |
大腿骨頚部骨折(閉鎖性) | 36 |
腰椎すべり症 | 30 |
形成不全性股関節症 | 25 |
大腿骨転子部骨折 | 25 |
腰椎化膿性脊椎炎 | 24 |
破壊性脊椎関節症 |
24 |
胸椎骨折(閉鎖性) | 23 |
腰椎椎間板ヘルニア |
17 |
その他 | 217 |
計 | 541 |
令和4年の手術件数です。
手術コード | 手術名 | 件数 |
---|---|---|
K0001 | 創傷処理(筋肉、臓器に達するもの・長径5㎝未満) | 1 |
K0002 | 創傷処理(筋肉、臓器に達するもの・長径5㎝以上10㎝未満) | 5 |
K0003 | 創傷処理(筋肉、臓器に達するもの・長径10㎝以上)(その他) | 7 |
K0004 | 創傷処理(筋肉、臓器に達しないもの・長径5㎝未満) | 1 |
K0006 | 創傷処理(筋肉、臓器に達しないもの・長径10㎝以上) | 1 |
K0011 | 皮膚切開(長径10㎝未満) | 4 |
K0021 | デブリードマン(100未満) | 2 |
K0132 | 分層植皮術(25㎠以上100㎠未満) | 1 |
K0133 | 分層植皮術(100㎠以上200㎠未満) | 1 |
K0152 | 皮弁作成術,移動術,切断術,遷延皮弁術(25~100未満) | 1 |
K0271 | 筋炎手術(大腿筋) | 1 |
K028 | 腱鞘切開術(指) | 4 |
K0301 | 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(上腕) | 2 |
四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(躯幹) | 2 | |
K034 | 腱切離術 | 1 |
K0441 | 骨折非観血的整復術(上腕) | 1 |
K0442 | 骨折非観血的整復術(前腕) | 2 |
骨折非観血的整復術(下腿) | 2 | |
K0443 | 骨折非観血的整復術(手) | 1 |
K0453 | 骨折経皮的鋼線刺入固定術(手) | 1 |
K0461 | 骨折観血的手術(大腿) | 28 |
骨折観血的手術(上腕) | 1 | |
K0462 | 骨折観血的手術(下腿) | 7 |
骨折観血的手術(前腕) | 1 | |
K046-21 | 観血的整復固定術(インプラント周囲骨折に対するもの)(大腿) | 3 |
K0463 | 骨折観血的手術(鎖骨) | 4 |
骨折観血的手術(膝蓋骨) | 2 | |
K047-3 | 超音波骨折治療法(一連につき) | 7 |
K0482 | 骨内異物(挿入物)除去術(大腿) | 3 |
K0483 | 骨内異物(挿入物)除去術(前腕) | 4 |
骨内異物(挿入物)除去術(下腿) | 2 | |
K0484 | 骨内異物(挿入物)除去術(鎖骨) | 1 |
骨内異物(挿入物)除去術(膝蓋骨) | 1 | |
骨内異物(挿入物)除去術(足) | 1 | |
K0591 | 骨移植術(自家骨移植) | 31 |
K0593 | 骨移植術(軟骨移植術を含む、同種骨移植、非生体、その他) | 102 |
K060-31 | 化膿性又は結核性関節炎掻爬術(股) | 5 |
化膿性又は結核性関節炎掻爬術(膝) | 4 | |
K0611 | 関節脱臼非観血的整復術(股) | 4 |
関節脱臼非観血的整復術(膝) | 1 | |
K0652 | 関節内異物(挿入物を含む)除去術(足) | 1 |
K0731 | 関節内骨折観血的手術(股) | 12 |
関節内骨折観血的手術(膝) | 5 | |
K0732 | 関節内骨折観血的手術(手) | 2 |
関節内骨折観血的手術(足) | 10 | |
K0782 | 観血的関節固定術(足) | 2 |
K0811 | 人工骨頭挿入術(股) | 24 |
K0821 | 人工関節置換術(股) | 55 |
人工関節置換術(膝) | 20 | |
K082-31 | 人工関節再置換術(膝) | 1 |
K083 | 直達牽引(左下肢) | 1 |
K084 | 四肢切断術(大腿) | 1 |
K093 | 手根管開放手術 | 9 |
K097 | 手掌異物摘出術 | 1 |
K1261 | 脊椎骨(軟骨)組織採取術(棘突起) | 1 |
K1262 | 骨盤骨(軟骨)組織採取術(その他) | 1 |
K128 | 脊椎内異物(挿入物)除去術 | 8 |
K1342 | 椎間板摘出術(後方摘出術) | 15 |
K134-4 | 椎間板内酵素注入療法 | 6 |
K135 | 脊椎腫瘍切除術 | 1 |
K1421 | 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(前方椎体固定) | 10 |
K1422 | 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方又は後側方固定) | 47 |
K1423 | 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方椎体固定) | 80 |
K1424 | 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(前方後方同時固定) | 17 |
K142-4 | 経皮的椎体形成術 | 6 |
K1426 | 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成) | 75 |
K143 | 仙腸関節固定術 | 2 |
K144 | 体外式脊椎固定術(ベスト式のもの) | 1 |
K1882 | 神経剥離術(その他のもの) | 1 |
K190-5 | 重症痙性麻痺治療薬髄腔内持続注入用植込型ポンプ薬剤再充填 | 12 |
K197 | 神経移行術 | 2 |
K282-2 | 後発白内障手術 | 1 |
K2862 | 外耳道異物除去術(複雑なもの) | 1 |
K300 | 鼓膜切開術 | 2 |
K616-41 | 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 | 2 |
K637-2 | 経皮的腹腔膿瘍ドレナージ術 | 2 |
K681 | 胆嚢外瘻造設術 | 1 |
K821-2 | 尿道狭窄拡張術(尿道バルーンカテーテル) | 1 |
合計 | 692 |
職名 |
氏名 |
専門分野 |
資格等 |
---|---|---|---|
部長 |
奥村 潤一郎
|
脊椎・脊髄外科 |
日本整形外科学会専門医 認定脊椎脊髄病医 |
副部長 |
山中 康裕
|
下肢及び股関節外科 |
日本整形外科学会専門医 |
医長 |
中山 央
|
脊椎・脊髄外科 |
日本整形外科学会専門医・認定脊椎脊髄病医 脊椎脊髄外科専門医 日本脊椎脊髄病学会脊髄モニタリング認定医 日本臨床神経生理学会術中脳脊髄モニタリング認定医 |
中野 宏昭 |
下肢及び股関節外科 | 日本整形外科学会専門医 日本人工関節学会認定医 |
|
副医長 |
山本 励志
|
脊椎・脊髄外科 及び一般整形外科 |
日本整形外科学会専門医 運動器リハビリテーション医 スポーツ医 リウマチ医 |
頚椎、腰椎などの脊椎手術、人工関節置換術(膝、股関節)、肩板断裂、肘部管症候群、上下肢における骨折など。
ばね指、手根管症候群、軟部腫瘍などの手術は日帰りでできます。
受診時、痛みや障害などで歩行が困難な時や、長時間の座位がつらい時には車いすの手配やベッドのご用意をしますので、看護師または整形外来窓口の担当者にお知らせください。
*他院でCTやMRIなどを撮っている方は、紹介状と共にご持参ください。
専門外来は設けていませんが、整形外科のほとんど全ての疾患に対応する体制をとっています。新患受付は午前11時までですが、他院から紹介される新患は院内の地域連携センターを通して予約が可能です。再来は午前・午後の予約枠があります。
主な疾患群と専門分野の特徴を紹介します。
頚部脊髄症、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを治療しています。明らかな麻痺がある場合以外は手術適応を厳密にし、手術をする場合は内視鏡椎間板摘出や経皮的椎弓根スクリューを用いた前方固定などの低侵襲手術を心掛けています。高齢化社会を反映し腰部脊柱管狭窄症の手術件数が増えているのが特徴的です。また当科では変性疾患だけでなく救急救命センターに搬入された脊椎外傷をはじめ、他医で行われた手術後感染症例、透析性脊椎症なども手がけています。
X線透視を用い小切開で脊椎固定を行います
腕神経叢を含む肩、肘、指先までの上肢全体を専門とする分野です。この領域は神経、腱、血管、靱帯、骨などがあり複雑で繊細な構造をしています。この治療には専門的な知識と技術を持つ『手外科医』が必要です。当院は手外科医が複数いる道内でも数少ない総合病院です。日常的に多い腱鞘炎の治療から、骨折、脱臼、靱帯損傷などの怪我の治療、しびれや麻痺に対する神経の治療、難度の高い顕微鏡を用いた機能再建手術まで行います。外来では超音波検査により軟部腫瘍、腱損傷などを速やかに診断し、希望により日帰り手術を行っています。
肩関節は最近、診断と治療が進歩した分野であり、肩腱板断裂や肩関節脱臼には積極的に鏡視下手術を行っています。
肩腱板損傷に対して鏡視下手術を行っています
MRIで診断を確定 腱板縫合 術後X線
神経にできた腫瘍(神経鞘腫)を顕微鏡を用いて切除します。
起立、歩行に困難をきたす膝や股関節などの荷重関節の疾患を専門に治療します。症状が関節内の痛みか、関節周囲組織が原因の痛みなのかを見極めることが重要です。関節の変形があっても不安定性がなければ手術適応にならないこともあります。手術治療が有益と判断した場合(手術適応)は出来るだけ筋肉などの軟部組織を傷めない方法で手術をします。特に人工股関節置換術では筋肉を温存し股関節が脱臼しにくい方法として、DAA(Direct Anterior Approach)や前側方展開も取り入れています。
変形性股関節症に対する人工股関節置換術
DAAにより人工関節の安定性が向上します。
整形外科病室は10階西病棟です。病室からの春と冬の眺めです。
演題名 |
出題者名 |
学会名 |
発表 |
発 |
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化膿性仙腸関節炎5例の治療経験 |
木村洋介 奥村潤一郎 山中康裕 中山央 中野宏昭 |
第138回北海道整形災害外科学会 | 2020年 2月1日 |
札幌 |
論文名 |
著者名 |
雑誌名 |
発表年 |
巻 |
ページ |
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withコロナ時代と整形外科診療(座談会) |
松本 守雄(慶応義塾大学 整形外科) 長谷川直樹 奥村潤一郎 吉井俊貴 田中真砂史 |
臨床整形外科 | 2020 | 55巻10号 | 1110 | 1110 |
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