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更新日:2025年7月25日
生まれつきの変形やあざ、やけど(熱傷)・けが(外傷)・手術などによる皮膚の障害(潰瘍)、その後にできた傷あと(瘢痕)などをきれいに治したり、また皮膚に生じたできもの(腫瘍)を切除してきれいに治療する診療科です。特に顔面の問題で受診される方が多く、顔面の骨折は形成外科で治療します。治療は保険適応となるものが対象で、原則として美容外科などの自由診療については行っていません。日本形成外科学会認定施設であり、QOLの向上を念頭に質の高い治療を目指しています。
日本乳房オンコプラスティック学会の認定施設になっており、乳腺外科と一緒に、乳癌術後変形の治療も保険診療で行っています。相談の上で、自家組織かインプラントによる再建術を行います。
これまでもフットケア外来を月・木曜日に行っていましたが、4月から下肢救済センターを開きました。重傷虚血肢や糖尿病性足病変の患者さんを、形成外科、心臓血管外科、循環器内科を中心に、腎臓内科、糖尿病代謝内科、リハビリテーション科等も協力し、救肢できるように頑張っています。
外来では手術後も傷がよりきれいに治るように通院し、自宅でのスキンケアや適切な傷の手当ての方法をわかりやすく指導しています。
唇裂・口蓋裂や頭蓋変形、耳介の変形、手指・足趾の異常など生まれつきの形態異常です。出来る限り正常な状態に近づけるように手術します。小さな子供でも、麻酔科の協力の下に、安全に手術を行います。
交通事故や労働災害などでの顔面骨骨折や軟部組織損傷の治療を行います。顔面の骨折は形成外科が治療を担当します。形態と機能を同時に回復することが大切です。
通常の熱傷のほかに、電撃傷、化学損傷(酸やアルカリによるやけど)、凍傷などの治療を行います。小さな範囲であれば外来での治療も可能です。広範囲の熱傷で命に関わる場合は、救命救急センターに入院し、多科の協力の下に治療を進めます。現在、広範囲熱傷の治療が可能な施設は、札幌市内には数か所しかありません。
外傷や熱傷、手術後に生じる瘢痕、瘢痕拘縮、ケロイドの治療も形成外科で行います。手術による治療のほかに、外用剤による保存的な治療も重要です。
良性腫瘍(脂漏性角化症、表皮嚢腫など)、皮膚悪性腫瘍(皮膚癌など)、種々の皮膚・皮下腫瘍の治療を行います。他の科でも治療は可能ですが、当科ではより綺麗な仕上がりを目指します。
色素性母斑、脂腺母斑、単純性血管腫、苺状血管腫などの治療を行いますが、当院では手術治療のみ行っています。レーザー治療は行っておりません。
褥瘡(とこずれ)、下腿潰瘍(閉塞性動脈硬化症、糖尿病等によるもの)などを治します。通常の治療では難治の患者さんが紹介されて受診してきますが、他科と協力の上、全身状態の改善と局所の治療を行います。
美容外科の治療にもありますが、保険診療が可能なものは当院でも治療します。腋臭症は入院の上、全身麻酔で手術します。眼瞼下垂は、視野が狭くなり物が見えにくくなったなどの症状があれば、保険診療が可能です。
手術後の顔面神経麻痺や原因不明の顔面神経麻痺が残存した場合にも治療は可能です。患者さんの状態によって、いろいろな治療法から最適な方法で手術します。乳がん手術後の乳房欠損に対する再建も行っています。乳腺外科との同時手術で、即時再建をすることも可能です。
種々の原因による顔面変形の治療も行います。骨の変形があれば、骨切や骨移植を行い土台の修復を行った後に、表面の軟部組織や皮膚を治します。基礎から治すことにより、より自然な形態を取り戻すことが可能になります。
順位 | 内訳 | 件数 |
---|---|---|
1 | 重症虚血肢・糖尿病足壊疽 | 74 |
2 | 下肢潰瘍 | 20 |
3 | 足部壊死性筋膜炎 | 18 |
3 | 足関節及び関節炎 | 18 |
5 | 皮膚慢性潰瘍 | 15 |
5 | 褥瘡・ステージⅣ | 15 |
7 | 四肢その他蜂巣炎 | 14 |
8 | 結合組織及び軟部組織腫瘍 | 13 |
9 | 体幹皮膚悪性腫瘍 | 12 |
10 | 顔面皮膚悪性腫瘍 | 10 |
10 | 毛巣洞 |
10 |
その他 |
243 |
|
計 | 462 |
手術コード | 手術名 | 件数 |
---|---|---|
K005 1 | 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2㎝未満) | 97 |
K007 2 | 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) | 76 |
K005 2 | 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2㎝以上4㎝未満) | 58 |
K085 3 | 四肢関節離断術(指) | 58 |
K001 1 | 皮膚切開術(長径10㎝未満) | 56 |
K013 4 | 分層植皮術(200㎝2以上) | 56 |
K001 3 | 皮膚切開術(長径20㎝未満) | 45 |
K002 2 | デブリードマン(100㎝2以上3000㎝2未満) | 44 |
K002 1 | デブリードマン(100㎝2未満) | 42 |
K006 2 | 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3㎝以上6㎝未満) | 38 |
職名 |
氏名 |
専門分野 | 資格等 |
---|---|---|---|
理事 |
堀内 勝己
|
難治性皮膚潰瘍 フットケア 再建・乳房再建 熱傷 |
【兼務】下肢救済センター長 ※資格等は、「下肢救済センター」をご参照ください。
|
部長 |
川嶋 邦裕 |
先天性形態異常 顎顔面外科 顔面外傷 皮膚腫瘍 |
日本形成外科学会専門医 日本形成外科学会皮膚腫瘍外科指導専門医 |
医長 |
七戸 龍司 |
皮膚腫瘍 熱傷 再建 |
日本形成外科学会専門医 日本形成外科学会領域指導医 日本形成外科学会皮膚腫瘍外科分野指導医 日本創傷外科学会専門医 日本熱傷学会専門医 日本熱傷学会評議員 北海道緩和ケア研修会日本形成外科学会再建・マイクロサージャリー分野指導医 北海道厚生農業協同組合連合会臨床研修指導医ワークショップ 北海道緩和ケア研修会 |
副医長 |
草島 英梨香 |
||
嘱託医 |
高橋 周子 |
形成外科一般 |
日本形成外科学会専門医 日本形成外科学会 レーザー分野指導医 |
吉田 哲憲 |
皮膚悪性腫瘍 熱傷 |
日本形成外科学会専門医 日本化学療法学会評議員 日本熱傷学会特別会員 日本皮膚悪性腫瘍学会功労会員 日本皮膚科学会功労会員 |
|
徐 東經 |
形成外科一般 | 日本形成外科学会専門医 | |
松田 識郁 |
形成外科一般 | 日本形成外科学会専門医 | |
大出 俊一 |
形成外科一般 |
※当科嘱託医(元院長)吉田哲憲医師はこのたび日本皮膚悪性腫瘍学会功労会員に推挙されました。
功労会員とは永年にわたって日本皮膚悪性腫瘍学会の役員を務め、功労があった会員に与えられるもので、これは永年にわたる吉田医師の「皮膚がん」に関する診療、研究が広く認められた証であります。
これからも、吉田哲憲医師をはじめ市立札幌病院形成外科においては、これまでの経験を生かし、さらに前進すべく努力していきますので、どうぞ、宜しくお願いいたします。
外来では安心して治療が受けられるように通院中の患者さんをサポートさせていただいています。
傷がきれいに治るように通院していただくと共に、自宅でのスキンケアや適切な傷の手当ての方法について、わかりやすい指導を心がけています。
また、平成21年度に「創傷・フットケア外来」が開設されました。
主に、難治性の潰瘍や褥瘡、糖尿病による神経障害や血管障害で足病変のリスクの高い方を対象に治療・指導を行っています。
形成外科医師と共に、皮膚・排泄ケア認定看護師、糖尿病看護認定看護師、外来看護スタッフ一同が、患者さんの生活を支援することを第一に創傷についての具体的なケアに加え、スキンケア指導から靴選び、日常生活の注意点などひとりひとりにあった方法を提供しています。
ひとりでも多くの患者さんの傷を治し、下肢救済を目指したいという熱い思いで治療・指導にあたっています。
創傷・フットケア外来は完全予約制です。
当科受診が初めてで紹介状をお持ちの方は地域医療室、地域連携センターで予約することができます。それ以外の方は形成外科外来にご相談ください。
救命救急センター、糖尿病代謝内科、循環器内科、心臓血管外科、耳鼻咽喉科・甲状腺外科をはじめ、ほぼ全ての診療科と協力して治療を進めています。しかし、当院には皮膚レーザー治療の機械が無く、「あざ」の治療だけは、他院にお願いしなければならないことだけは残念です。
フットケアの患者さんは、糖尿病や、動脈硬化症を合併していることが多く、糖尿病代謝内科、循環器内科、心臓血管外科との協力は欠かせません。また、人工透析を行っている人も多く腎臓内科にもお願いしております。札幌市内で、全身管理を必要とする難治性潰瘍の患者を治療できる施設は、当院以外にはほとんどありません。
また、通常の方法では縫合できない他科の手術後の創を閉鎖する手伝いに入ることも多々あります。市立病院の手術全体の底上げに、役立っていると考えています。
2009年より、フットケア外来を始め、閉塞性動脈硬化症などによる虚血性足病変や、糖尿病性足病変の患者さんの救趾をこころがけています。できる限り大切断を避けて患者さんのQOLを維持するのに大きな効果があります。足のキズを、専門医師、認定看護師のチームで専門に診察、治療しています。また、褥瘡などの難治性潰瘍の治療も行っています。
2010年4月から認可されたVACシステムの導入が、道内のどこよりも早くなされました。陰圧閉鎖療法を行うことにより、難治性潰瘍の創傷治癒が促進され、入院期間の短縮に役立っています。これまでは、遊離皮弁などの大きな手術しか方法がなかった患者さんが、VACシステムにより植皮が可能になるケースが出てきています。
演題名 |
出題者名 |
所属 |
学会名 |
発表月日 |
発表地 |
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下肢第切断機器からのリカバリー遠位バイパス手術と遊離筋皮弁のハイブリッド治療 |
堀内勝己 齋藤典子 檀浦豊 西尾卓哉 村尾尚規 齋藤達弥 川嶋邦裕 吉田哲憲 |
市立札幌病院形成外科 | 第61回日本形成外科学会総会・学術集会 |
2018年 ~13日 |
福岡 |
PADを伴う膝周囲の難治性潰瘍に対し自家静脈移植と遊離広背筋皮弁の同時再建を行った1例 |
齋藤典子 堀内勝己 川嶋邦裕 吉田哲憲 村尾尚規 西尾卓哉 |
市立札幌病院形成外科 | 第61回日本形成外科学会総会・学術集会 |
2018年 ~13日 |
福岡 |
超高齢者における遠位バイパス術の2例 |
佐々木雄輝 堀内勝己 齋藤典子 檀浦豊 川嶋邦裕 吉田哲憲 齋藤達弥 |
市立札幌病院形成外科 | 第34回北日本形成外科学会学術集会 | 2018年 6月23日 |
弘前 |
PADを伴う膝周囲の難治性潰瘍に対し自家静脈移植と遊離広背筋皮弁の同時再建を行った1例 |
齋藤典子 堀内勝己 佐々木雄輝 川嶋邦裕 吉田哲憲 村尾尚規 西尾卓哉 |
市立札幌病院形成外科 | 第10回日本創傷外科学会学術集会 |
2018年 ~6日 |
さいたま |
抹消動脈疾患を伴う膝周囲の難治性潰瘍に対し自家静脈移植と遊離広背筋皮弁の同時再建を行った1例 |
佐々木雄輝 堀内勝己 齋藤典子 川嶋邦裕 吉田哲憲 村井尚規 西尾卓哉 |
市立札幌病院形成外科 | 第96回北日本形成外科学会北海道地方会 | 2018年 10月27日 |
札幌 |
論文名 |
著者名 |
所属 |
雑誌名 |
発表年 |
巻 |
ページ |
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膀胱原発大細胞神経内分泌癌の1例 | 宮田遥 柳内充 辻隆裕 伊丹弘恵 石井保志 深澤雄一郎 |
市立札幌病院 病理診断科 |
診断病理 | 2016 | 30 | 296 | 299 |
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