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更新日:2023年8月7日
緩和ケアとは、がん患者さんの体の痛みを緩和するだけでなく、不安などの気持ちのつらさにも対応し、がん治療を苦痛なく受けられるように、あるいはより良い日常生活が送れるように支援するケアのことです。また、患者さんを支える家族や友人への支援も同時に行います。
緩和ケアは、化学療法などのがん治療ができなくなってから始めるものと思っていませんか?緩和ケアには「終末医療」というイメージがあるかもしれませんが、これは大きな誤解です。がん対策基本法では、緩和ケアはがん医療の早期から適切に行われるべきものと位置づけられています。また、早期からの緩和ケアの実施ががん治療そのものに効果をもたらすとする学術論文も発表されています。
化学療法などの治療の最中でも、苦痛があればいつでも緩和ケアを受けることができ、積極的ながん治療の適応のない場合でも、緩和ケアを受ければ日常生活がより豊かなものとなる可能性があります。
当院では、がん患者さんの体の痛み、気持ちのつらさに対して、当科医師による診療のほか、院内関連部署スタッフが連携して治療にあたる「緩和ケアチーム」活動を行っています。通院・入院される患者さんで体の痛み、気持ちのつらさにお悩みの方がおられましたら、遠慮なく緩和ケア内科受診について主治医にご相談ください。
当院には緩和ケア病棟はなく、各主治医から症状緩和等についての介入依頼のあった入院患者さんに対して、緩和ケアチームによる回診を行っています。2020年度の介入件数は468件でした。一日に回診する患者さんの数は20~30人、がん以外の重症虚血肢などの痛みの治療も行っており、道内で最も活発な活動を行っている病院のひとつとなっています。
当院では次のメンバーからなる緩和ケアチームが組織されています。
毎週、これらの多職種メンバーでチームカンファレンスを行い、患者さんとご家族がより良く過ごすためにどのような支援が必要かを話し合い、主治医や受け持ち看護師と協働してケアを提供しています。
緩和ケアチームカンファレンスに集うメンバー
当院では、主として院内各科主治医から紹介を受けた患者に対して、緩和ケアに関する外来診察を行っています。2020年度は、682件の診察を行いました。
緩和ケア外来は、完全予約制で、火曜、水曜、金曜の午前10時から12時、週3回行っております。
場所は、1階外来の奥で、放射線治療科外来の隣です。
がん患者さんやご家族の方々に対して、体の痛みやつらい気持ちを少しでも和らげるようにお手伝いいたします。
がんと診断された患者さんに以下のようなつらい症状があったら早めにご相談ください。
職名 | 氏名 |
専門分野 |
資格等 |
---|---|---|---|
医長 | 原田 紘子 |
緩和ケア |
日本内科学会総合内科専門医・認定医・指導医 日本緩和医療学会緩和医療認定医 |
副医長 | 萩原 綾希子 | 緩和ケア |
日本麻酔科学会専門医 |
牧野 綾 | 緩和ケア |
日本内科学会認定医 |
|
非常勤医 | 合田 由紀子 | 緩和ケア | 医学博士 日本ペインクリニック学会ペインクリニック専門医・功労会員 |
緩和ケアは、抗がん治療ができなくなってから始めるものと思っていませんか?それはNO!です。
厚生労働省は「がん対策基本法」を2007年の4月から実施していますが、緩和ケアは抗がん治療と同時に行っていかなければならない大切なものとして様々な指針を打ち出し実行しています。がん治療に臨む場合にもよりよい状態で十分な効果が得られるようにすることが大切で、緩和ケアはそのためにもとても有効です。少しでも辛い症状があったらどんな時期においてもお気軽にご相談ください。また抗がん治療が一段落して在宅療養をしたいときのご相談などもお受けします。
2020年度 | 2019年度 | 2018年度 | 2017年度 | 2016年度 | 2015年度 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
入院依頼総数実数 | 468 | 540 | 433 | 399 | 344 | 352 | |
がん実数 | 396 | 479 | 399 | 357 | 314 | 320 | |
がん延数 | 6,105 | 7,921 | 8,834 | 6,806 | 6,619 | 5,629 | |
非がん実数 | 72 | 61 | 34 | 42 | 30 | 32 | |
外来延数 | 682 | 1,034 | 947 | - | - | - | |
うち新規 | 100 | 77 | 47 | - | - | - |
消化器科 | 婦人科 | 泌尿器科 | 呼吸器内科 | 外科 | 形成外科 | 放射線科 | 血液内科 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
140 | 79 | 75 | 70 | 56 | 27 | 20 | 15 |
代謝内科 | 呼吸器外科 | 感染症 | 耳鼻科 | 神経内科 | 腎移植 | 整形外科 | 眼科 |
14 | 11 | 9 | 8 | 8 | 5 | 3 | 3 |
救急 | 脳外科 | 腎臓内科 | 口腔外科 | 皮膚科 | 緩和ケア | 循環器内科 | 精神科 |
3 | 3 | 3 | 3 | 2 | 2 | 1 | 1 |
演題名 | 出題者名 | 所属 | 学会名 | 発表 月日 |
発 表 地 |
---|---|---|---|---|---|
進行がん患者における経絡電気刺激療法・トリガーポイントブロックの有用性 |
萩原綾希子 原田紘子 牧野綾 合田由紀子 近藤千尋 松山茂子 小松智子 神山秀一 岡見英里香 |
市立札幌病院緩和ケア内科 同精神科 同看護部看護課 同薬剤部 |
第26回日本緩和医療学会学術大会 |
2021年6月18日 |
横浜 |
皮下結節性脂肪壊死症から膵尾部癌と診断された症例における疼痛治療 |
牧野綾 原田紘子 萩原綾希子 合田由紀子 近藤千尋 松山茂子 |
市立札幌病院緩和ケア内科 同精神科 同看護部看護課 |
第26回日本緩和医療学会学術大会 |
2021年6月18日 |
横浜 |
(座長) |
原田紘子 |
市立札幌病院緩和ケア内科 |
心不全緩和ケアと便秘症治療の最前線を考える |
2021年6月23日 |
Web |
終末期うっ血性心不全に緩和ケアチームが介入した事例 |
萩原綾希子 |
市立札幌病院緩和ケア内科 |
心不全緩和ケアと便秘症治療の最前線を考える |
2021年6月23日 |
Web |
経絡電気刺激療法・トリガーポイント注射が奏効した進行がん患者の2例 |
萩原綾希子 合田由紀子 |
市立札幌病院緩和ケア内科 |
日本ペインクリニック学会第55回学術集会 |
2021年7月22日~24日 |
富山 |
皮下浮腫により体内埋込型ポート接続カテーテルがくも膜下腔外への脱落を来した症例 |
萩原綾希子 原田紘子 牧野綾 合田由紀子 近藤千尋 松山茂子 小松智子 神山秀一 岡見英里香 |
市立札幌病院緩和ケア内科 同精神科 同看護部看護課 同薬剤部 |
日本緩和医療学会第3回北海道支部学術集会 |
2021年8月28日 |
Web |
原因不明の呼吸困難のため看取り方針で緩和ケア内科転科後に、悪性リンパ腫の診断にいたり、積極的治療に方針転換した一事例 |
原田紘子 萩原綾希子 牧野綾 合田由紀子 近藤千尋 松山茂子 小松智子 神山秀一 岡見英里香 |
市立札幌病院緩和ケア内科 同精神科 同看護部看護課 同薬剤部 |
日本緩和医療学会第3回北海道支部学術集会 |
2021年8月28日 |
Web |
Effect of low-dose midazolam on refractory headache in patients with intracranial cancer lesions |
萩原綾希子 合田由紀子 |
市立札幌病院緩和ケア内科 |
第14回アジア太平洋ホスピス緩和ケア学会 |
2021年11月13日 |
Web |
論文名 | 著者名 | 所属 | 雑誌名 (書名) |
発表年 | 巻 | ページ ~ |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|
突出痛のメカニズムと治療 |
萩原綾希子 牧野綾 原田紘子 合田由紀子 |
市立札幌病院緩和ケア内科 |
新薬と臨床 | 2021 | 39-3 | 26 | 30 |
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