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「外来種」とは、もともとその地域にいなかったのに、人間によって持ち込まれた生き物のことをいいます。外国由来の生き物に限らず、日本国内でも他の地域から持ち込まれた生き物も、その地域にとっては「外来種」となります。
外来種には、農作物や家畜、ペットのように、私たちの生活に欠かせない生き物もたくさんおり、その多くは問題となることはありません。しかし、中には、持ち込まれた自然環境にうまくなじんで、数をたくさん増やし、生態系や人の生命・身体、農林水産業に悪影響を及ぼして問題となっている外来種がいます。
外来種が入り込むと、長い時間をかけて育まれてきた地域固有の生態系のバランスが崩れるだけではなく、私たちの生活や農林水産業にまで悪影響を及ぼす場合があります。
生態系への影響 | 人の生命・身体への影響 | 農林水産業への影響 |
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一度定着した外来種を取り除くのは、多大な費用と時間、労力が必要となり、極めて困難です。外来種による被害を未然に防ぐためには、私たち一人ひとりが「入れない・捨てない・拡げない」の外来種被害予防三原則を守り、むやみに他から生き物を持ち込んだり、野外に放したりしないこと、そしてすでに生息・生育している外来種は今以上に拡げないことが大切です。
特にペットを飼うときは、事前にどれくらいの寿命があり、どれくらいの大きさになるか、どう猛にならないかなどを調べて、最後まで飼えるかよく考えてください。そして、飼い始めたら、必ず最後まで責任をもって飼ってください。
入れない |
悪影響を及ぼすおそれのある外来種を“入れない” 外来種問題を引き起こさないために一番大切です。外来種を入れなければ問題は起きません。 |
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捨てない |
飼育・栽培している外来種を“捨てない” ペットや観葉植物は、最後まで適切に管理(捨てない、逃がさない、放さない)してください。 |
拡げない |
すでに野外にいる外来種を他の地域に“拡げない” すでに定着してしまっている外来種は、まだ定着していない地域に拡げないことが大事です。 |
札幌市内でも多くの外来種が確認されています。
その中には、外来生物法の「特定外来生物」や北海道生物多様性保全条例の「指定外来種」に指定され、飼育・栽培などが規制されているものや、「生態系被害防止外来種リスト」に掲載されているものなどがあります。
「特定外来生物」とは、海外由来の外来種のうち、特にその影響が大きいとして、「外来生物法」(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)により指定されている外来種です。
特定外来生物は、生態系等への被害を防止するために、飼育・栽培、生きたまま他の場所への運搬、野外への放出、譲渡などが禁止されており、違反すると罰則があります。
札幌市内では、これまでにアライグマ、アメリカミンク、カミツキガメ、ウチダザリガニ、セイヨウオオマルハナバチ、オオハンゴンソウ、オオキンケイギク及びオオフサモの8種類の動植物が確認されています(「北海道ブルーリスト2010」の分布情報より。)。
また、2023年6月1日から、アメリカザリガニ及びアカミミガメが「条件付特定外来生物」に指定されました。「条件付特定外来生物」は、外来生物法に基づき特定外来生物に指定された生物のうち、通常の特定外来生物の規制の一部を、当分の間、適用除外とする(規制の一部がかからない)生物の通称です。
出典:環境省ホームページ「日本の外来種対策」 |
アライグマ 尾のしま模様が特徴の北米原産のアライグマは、ペットとして輸入されたものが、飼育中に逃げ出したり、捨てられたりして野生化し、北海道内各地に分布が広がっています。エゾサンショウウオやニホンザリガニなどの在来生物を捕食して生態系へ影響を及ぼしたり、農作物を食害して深刻な農業被害をもたらしています。 |
撮影協力:札幌市豊平川さけ科学館 |
アメリカから食用として1920年代に北海道に導入され、その後各地に持ち出されたと言われており、近年、札幌市内の河川(豊平川、簾舞川、厚別川など)でも確認されています。 体長は15cmを超える場合があり、繁殖力が高く、ニホンザリガニや魚類、底生生物、水草などの様々な在来生物を捕食するといった影響が懸念されています。 【目撃情報募集】 ウチダザリガニの目撃情報を募集しています。 ウチダザリガニを見た方は、以下の事項について札幌市環境局環境共生担当課(電話:011-211-2879、E-mail:biodiversity@city.sapporo.jp)までご連絡をお願いします。判別の参考とするため写真もあわせてお送りください。
【関連情報】 |
写真提供:札幌市豊平川さけ科学館 |
アメリカザリガニ 2023年6月1日から「条件付特定外来生物」に指定されました。一般の方がペットとして飼育している場合は、これまで通り飼うことができますが、野外に放したり、逃がしたりすることは法律で禁止されています。飼育している場合は、寿命を迎えるまで大切に飼育しましょう。飼い続けることができなくなった場合は、新しい飼い主に譲渡してください。 アメリカ南部の比較的温暖な湿地が原産地で、ウシガエルの餌として利用する目的で輸入され、自然分散のほか人による持ち運びにより拡散しました。 【関連情報】 |
出典:環境省ホームページ「日本の外来種対策」 |
アカミミガメ 2023年6月1日から「条件付特定外来生物」に指定されました。一般の方がペットとして飼育している場合は、これまで通り飼うことができますが、野外に放したり、逃がしたりすることは法律で禁止されています。飼育している場合は、寿命を迎えるまで大切に飼育しましょう。飼い続けることができなくなった場合は、新しい飼い主に譲渡してください。 目の横の赤いラインが特徴の北米産のカメで、1950年代後半から幼体を「ミドリガメ」の通称でペットとして輸入され、飼育されていた個体が野外に放たれることなどにより、拡散しました。 成長すると体長は20センチ以上になり、寿命は40年ほどといわれています。在来の小動物や水草を食べることから生態系への影響が懸念されています。
※北海道にはもともとカメは生息していないことから、野外で見られるカメはすべて外来種です。 【関連情報】 |
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セイヨウオオマルハナバチ
白いお尻と、黄色と黒のしま模様が特徴のヨーロッパ産のマルハナバチ。トマトやナスなどのハウス栽培で、受粉や農作物の品質向上のために導入されましたが、一部が野外に逃げ出して野生化しています。在来のマルハナバチと営巣場所やエサをとり合ったり、植物の受粉に影響を与えるなど、生態系への影響が懸念されています。 【関連情報】
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オオハンゴンソウ |
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オオキンケイギク |
北海道では、「北海道生物多様性保全条例」(北海道生物の多様性の保全等に関する条例)により、国内外から持ち込まれ、道内の生物多様性に著しい影響を及ぼし、又はそのおそれがある外来種を「指定外来種」に指定しています。
「指定外来種」は、野外に逃げ出したりしないように適切な飼育や栽培、保管、運搬が義務付けられています。また、野外に放したり、植えたり、まいたりすることが禁止されており、中止命令等に従わない場合には、罰則を受けることがあります。
動物(9種類) | イノシシ(イノブタを含む)・シマリス(亜種チョウセンシマリスに限る)・ニホントカゲ・チョウセンスズガエル・トノサマガエル・ダルマガエル(亜種トウキョウダルマガエルに限る)・ニホンヒキガエル(亜種アズマヒキガエルに限る)・クロマルハナバチ・オオマルハナバチ(亜種オオマルハナバチに限る) |
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植物(2種類) | フランスギク・イワミツバ |
札幌市内で確認されている指定外来種の例
撮影協力:札幌市豊平川さけ科学館 |
アズマヒキガエル アズマヒキガエルはもともと北海道には生息していない国内外来種です。北海道の生態系に著しい影響を及ぼす可能性があるとして、2015年12月に北海道生物多様性保全条例に基づく指定外来種に指定されています。 【目撃情報募集】 アズマヒキガエルの目撃情報を募集しています。 アズマヒキガエルを見た方は、以下の事項について札幌市環境局環境共生担当課(電話:011-211-2879、E-mail:biodiversity@city.sapporo.jp)までご連絡をお願いします。判別の参考とするため写真もあわせてお送りください。
【関連情報】
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トノサマガエル トノサマガエルはもともと北海道には生息していない国内外来種です。北海道の生態系に著しい影響を及ぼす可能性があるとして、2015年12月に北海道生物多様性保全条例に基づく指定外来種に指定されています。札幌市においては、清田区、厚別区、北区、南区において目撃されており、人の手による移入、拡散が懸念されています。 【関連情報】 |
環境省・農林水産省では、特に侵略性が高く、生態系等に被害を及ぼす、又はそのおそれのある外来種のリスト「生態系被害防止外来種リスト」(我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト)を平成27年3月に公表し、その取扱いについて注意を促しています。
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セイタカアワダチソウ:重点対策外来種 ※近縁種のオオアワダチソウ(重点対策外来種)は、セイタカアワダチソウより早い時期(7~9月)に花を咲かせます。 |
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アメリカオニアザミ:その他の総合対策外来種 ※鋭いトゲがあるため、駆除する場合はご注意ください。
下記のチラシは、ご自由にダウンロードしてご利用いただけます。 |
「北海道ブルーリスト2010」は、北海道が、平成22年6月に公表した道内で確認されている外来種のリストです。種毎に、導入された経緯や生態学的特性、その影響などの情報を掲載しています。
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