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「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎」とは、A群溶血性レンサ球菌による上気道の感染症で、学童期の小児に多いとされています。
2~5日の潜伏期間の後、38℃以上の発熱、のどの痛み(咽頭痛)などを発症し、舌がイチゴ状になる(苺舌)ことや嘔吐することもあります。
熱は3日から5日以内に下がり、1週間以内に症状は改善します。
まれに重症化して、喉や舌、全身に発赤が拡がる「猩紅熱(しょうこうねつ)」に移行することがあります。
主な感染経路は、患者の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれる細菌を吸い込むことによる「飛まつ感染」と、細菌が付着した手で口や鼻に触れることによる「接触感染」です。
また、食品を介して細菌が口に入って感染(「経口感染」といいます)する場合もあります。
治療は抗菌薬で行います。腎炎などの合併症を防ぐため、症状が改善しても主治医に指示された期間、薬を飲むことが大切です。
また、喉の痛みがひどい場合は、柔らかく薄味の食事を工夫し、水分補給を心がけ、早めに医療機関を受診しましょう。
有効なワクチンはなく、手洗いや咳エチケットなど一般的な感染対策が効果的です。
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「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」は、レンサ球菌による感染症です。レンサ球菌は感染しても無症状なことも多く、症状が出てもほとんどは咽頭炎(のどの炎症)や皮膚の感染症にとどまります。しかし、まれに通常は細菌が存在しない組織(血液、筋肉、肺など)にレンサ球菌が侵入し、急激に症状が進行する重篤な疾患となることがあり、「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」と呼ばれています。
小児が多く感染するA群溶血性レンサ球菌咽頭炎とは区別され、特に大人に多いのが特徴です。
最初に手足の疼痛(強い痛み)がみられることが多く、続いて発熱や悪寒、筋肉痛などのインフルエンザに似た症状が現れます。また、めまいや錯乱状態を伴うことがあります。症状が進行すると、筋肉や脂肪における炎症、呼吸障害や意識障害が進行してショック状態となり、死に至る場合もあります。
傷口や粘膜から、通常は菌の存在しない筋肉、脂肪組織や血液にレンサ球菌が侵入することによって病気を起こすと言われていますが、実際の感染経路は明らかになっていません。
集中管理のもと、抗菌剤による治療や、壊死を起こしている部分を切除することで、感染の拡大を防ぎます。
重症化のリスクを下げるためには、早期に治療を開始することが重要ですので、感染の兆候が見られた場合には、直ちに医療機関を受診しましょう。
手洗いや咳エチケットに加え、傷口からの感染を防ぐため、傷口を汚れた手で触らないなど、傷口を清潔に保つことが大切です。
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