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お知らせ
病源体を保有するマダニに咬まれると、ダニ媒介感染症を発症する可能性があります。マダニは春から秋にかけて活動が活発になりますので、レジャーや野外作業等で、山や草むら、藪などに入る場合には、マダニに咬まれないようにすることが重要です。
本ホームページでは、マダニに咬まれないための対策、マダニに咬まれた場合の対応、ダニ媒介感染症等について掲載しております。
マダニの多くは、人や動物に取り付くと、皮膚にしっかりと口器を突き刺し、数日から、長いものは10日間以上吸血しますが、咬まれたことに気がつかない場合も多いと言われています。
吸血中のマダニが体に付いているのを見つけた場合、無理に引き抜こうとしないでください。無理に引き抜こうとすると、マダニの一部が皮膚内に残り、化膿したり、マダニの体液を逆流させてしまったりする恐れがあるので、医療機関(皮膚科)でマダニの除去・洗浄等の処置をしてもらってください。
また、マダニに咬まれた後、数週間程度は体調の変化に注意し、発熱等の症状が認められた場合は医療機関で診察を受けてください。
一般的なダニ媒介感染症について紹介いたします。
ダニ媒介脳炎にはいくつかの種類があり、その主なものとして、ロシア春夏脳炎、中央ヨーロッパ型ダニ脳炎があります。
ダニ媒介脳炎の詳細については、以下のサイトをご覧ください。
平成30年5月31日、旭川市において国内5例目(いずれも道内)のダニ媒介脳炎患者の発生が確認されました。
ダニ媒介感染症に係る注意喚起について(平成30年6月1日_厚生労働省健康局結核感染症課_事務連絡)(PDF:376KB)
潜伏期間は、通常7日~2週間。
中央ヨーロッパ型脳炎では、発熱、筋肉痛などのインフルエンザ様症状が出現し、2~4日間続きます。そのうちの約3分の1は、髄膜脳炎に進展し、痙攣、眩暈、知覚異常などがみられます。
ロシア春夏脳炎では、高度の頭痛、発熱、悪心などの後、髄膜脳炎に進展します。
発症した場合の致死率は、中央ヨーロッパ型脳炎では、1~2%、ロシア春夏脳炎は20%といわれており、回復しても数割の方で神経学的後遺症がみられます。
ウイルスを保有するマダニに刺咬されることによって感染します。また、感染した山羊や羊等の未殺菌乳を飲んで感染することもあるとされています。通常、人から人に直接感染することはありません。
国内の一部の医療機関では輸入ワクチンとして予防接種が行われており、札幌市内においては、平成29年4月24日より「市立札幌病院・感染症内科外来」で16歳以上の希望者を対象に接種を行っています(有料)。詳細は以下ホームページをご確認ください。
これまで、国内で5例確認されております(いずれも道内)。
区分 |
1例目 |
2例目 |
3例目 |
4例目 |
5例目 |
---|---|---|---|---|---|
届出受理年月 |
平成5年 |
平成28年8月 |
平成29年7月 |
平成29年8月 |
平成30年5月 |
届出受理保健所 |
渡島保健所 |
札幌市保健所 |
市立函館保健所 |
札幌市保健所 |
旭川市保健所 |
性別・年齢 |
女性・30歳代 |
男性・40歳代 |
男性・70歳代 |
男性・70歳代 |
女性・40歳代 |
SFTSは2011年に中国の研究者らによって発表されたSFTSウイルスによるダニ媒介性感染症です。
2013年1月に国内で海外渡航歴のない方がSFTSに罹患していたことが初めて報告されて以降、九州・四国・中国・近畿地方で患者が確認されています。
なお、北海道内及び札幌市における患者の発生はありません。
SFTSの詳細については、以下のサイトをご覧ください。
平成29年10月10日、国内で初めて重症熱性血小板減少症候群(SFTS)を発症したイヌからヒトに感染し、発症した事例が、徳島県において確認されました。
SFTSについては、これまで道内で発生事例はありませんが、その他マダニ感染症の発生は道内でも確認されております。本ホームページなどを参考に、マダニに咬まれない対策を実施いただきますとともに、ペットの扱いについても御注意いただきますようお願いいたします
潜伏期間は6日~2週間。
主な症状は、発熱と消化器症状(嘔吐、下痢、腹痛等)で、重症化し、死亡する場合もあります。他にも頭痛、筋肉痛、意識障害等の神経症状、リンパ節腫脹、下血などの出血症状等が報告されています。
致死率は、中国の報告では6〜30%といわれています。
SFTSウイルスを保有したフタトゲチマダニ等に咬まれることで感染します。また、SFTSを発症したイヌ等から感染する可能性があります。北海道でもSFTSウイルスの遺伝子を持つマダニが確認されています。
SFTSウイルスの検出状況の詳細は、<速報>重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルスの国内分布調査(第二報)(国立感染症研究所)をご覧ください。
治療は対処療法のみで、有効な薬剤やワクチンは確立されておりません。
上記マダニに咬まれないための対策と併せて、以下ペットの対応についても御注意いただきますようお願いいたします。
北海道内及び札幌市における患者の発生はありません。
SFTSの発生状況については、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)(国立感染症研究所)をご覧ください。
野生のマダニによって媒介されるボレリア属菌による感染症です。
欧米諸国では高緯度地方を中心に多く患者が発生しています。
国内では、1986年に長野県で初のライム病患者が報告され、それ以後、特に本州中部以北及び北海道で多く患者が発生しています。
過去5年間(2011年~2015年)の発生状況は、全国67件、北海道全域で25件、札幌市で2件です。
全国及び北海道全域の発生状況につきましては、北海道感染症情報センターのページをご覧ください。
関連リンク
潜伏期間は3日〜16週間といわれ、多くは1~3週間です。
(発病後1ヶ月以内)
特徴的な遊走性紅斑が出ることが多く、インフルエンザ様症状(頭痛、発熱、筋肉痛等)を伴うことがあります。
(発病後数週~数ヶ月)
中枢神経症状(脳神経麻痺、意識障がい等)、心疾患、眼症状、関節炎、筋肉炎など多彩な症状が報告されています。
(発病後数ヶ月~数年)
慢性関節炎、末梢神経障がい、重度の皮膚症状等を示すといわれています。
国内では、慢性期に移行したとみられる症例は現在のところ報告されていません。
死亡例は2007年に1例報告されています。
ライム病をおこす病原体であるボレリア属菌は数種類が確認されていますが、国内では、ボレリア・ガリニ(B.garinii)、ボレリア・アフゼリ(B.afzelii)が主な病原体となっていると考えられています。
国内では、ほとんどがシュルツェ・マダニに咬まれた後に発症しています。シュルツェ・マダニは本州中部以北の比較的寒冷な山間部に棲息し、北海道では平地でもよく見られます。
ライム病の治療には、抗菌薬が有効です。
野生のダニやシラミによって媒介されるボレリア属菌による感染症です。
アメリカ大陸、アフリカ、中東、欧州の一部で患者が発生しています。
国内ではこれまでに2例の報告がありますが、いずれも海外で感染した事例です。(2013年現在)
関連リンク
2013年9月3日に、厚生労働省より、回帰熱の国内感染事例が初めて確認された旨の発表がありました。
患者は、2011年以降に北海道でライム病疑いと診断され、国立感染症研究所による遡り調査の結果、シュルツェ・マダニが媒介するボレリア・ミヤモトイ(B.miyamotoi)による回帰熱であることが判明しました。
この2例の患者については、治療後に回復しています。
なお、札幌市における患者の発生はありません。
ボレリア・ミヤモトイによる回帰熱の詳細については、厚生労働省のQ&Aをご覧ください。
発熱期と無熱期を数回繰り返す、いわゆる回帰熱が特徴です。
マダニ媒介性の回帰熱の潜伏期間は12~16日間といわれています。
(発熱期)
頭痛、筋肉痛、関節痛、咳等をともなう発熱、悪寒が見られます。
この際、脳炎や髄膜炎が見られることもあります。
発熱期が3~7日続いた後、一旦解熱し無熱期に移行します。
(無熱期)
無熱期では血中からは菌は検出されません。
5~7日後に再び発熱期に入るといわれています。
致死率は、海外の報告によると、適切な治療を行わない場合で5%未満といわれています。
回帰熱を引き起こす病原体であるボレリア属菌が、ダニ若しくはシラミにより媒介され、感染します。
国内では、ボレリア・ミヤモトイ(B.miyamotoi)を保有するシュルツェ・マダニに咬まれることにより感染します。
回帰熱には抗菌薬による治療が有効です。
エゾウイルスは、令和2年1月、北海道でマダニと思われる虫による刺咬後に発熱と下肢痛を主訴に受診した患者から検出された新規のオルソナイルウイルスです。
エゾウイルスは、北海道における不明熱性患者症例に対する平成26年(2014年)から令和2年(2020年)までの遡及調査等により、北海道において合計7例の患者の検体から当該ウイルスが検出されたことが報告されています。
最近のダニ媒介感染症の国内の発生状況について(令和3年9月22日厚生労働省健康局結核感染症課事務連絡)
(別添)北海道におけるエゾウイルス熱を発見~マダニが媒介する新たなウイルス感染症~(令和3年9月22日北海道大学プレスリリース)
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