更新日：2021年2月26日

創造都市トロント（カナダ）の取り組みについて

基本情報

都市概要

トロント市は、オンタリオ湖畔に位置する人口は290万人のカナダ最大の都市です。1950年代、マーシャル・マクルーハン率いるトロント・コミュニケーション学派は、いち早く創造性にメディア・テクノロジーがもたらす効能を主張しました。その後、1990年代に、トロントのメディアアーツ部門には、カナディアン・フィルム・センターのフィルム・ラボなど主要な文化施設が開館し、分野横断的な連携の場を生み出しました。地元のアーティスト団体に支えられ、トロントの強みであるビジュアルアーツ分野は高成長を遂げ、2016年には過去最高の20億米ドルを生み出しました。

トロント市は、ライアソン大学の「DMZ」という北米有数の大学内インキュベーターなど、市内で勃興する教育部門との連携により、メディアアーツの能力向上及び促進に取り組んでいます。また、トロント市の活力ある非営利部門では、新たな表現方法を探求するとともに、社会的に疎外された又は取り残されているコミュニティのために創作スペースを開設するなど、メディアアーツ分野への展開を続けています。メディアアーツは、市内全域で開催される現代美術の祝祭「Nuit Blanche Toronto」などトロント市のパブリックアート・プログラム内で大きく取り上げられています。

トロント市役所は、「401 Richmond」「Artscape Daniels Launchpad」「Centre for Social Innovation」など、市内のメディアアーツ拠点への大きな支援を提供しています。近年、トロント市は大規模な文化投資を行ってきました。2012年から2016年にかけて、トロント・アーツ・カウンシル（TAC）助成金の予算額は80％増加しました。TAC助成金の例として、2016年にアート、科学とテクノロジーの交差領域におけるコミュニティ構築と知見共有のプラットフォーム「Subtle Technologies」に対して3万6千米ドルが補助されています。

（トロント市提供）