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更新日:2016年2月22日

答申書3-2

 3-2 公共交通の利便性向上

 公共交通の利便性向上にあたっては、乗り継ぎに伴う利用者の不満の解消やさまざまな負担を軽減することが重要である。そのため、個別のサービス提供から各交通事業者、交通機関を有機的に組み合わせた路線・ダイヤ・運賃など、一体的なサービス提供を図ることが必要である。
 また、価値観の多様化・高度化により、個人のライフスタイルが変化するなど、多様化する市民ニーズに対し、満足度を向上させていくさまざまなサービスを提供していくことが必要である。

  (1)移動の連続性や快適性の向上
 乗り継ぎに伴うさまざまな負担は、複数の交通機関ならびに交通事業者が存在する公共交通の性格上、大きな課題である。
 その解消に向けて、JRや地下鉄の駅、路面電車の電停における乗継施設の整備・改善、快適性の向上を図るバス停の改善やわかりやすさに配慮したバス停の集約化など乗継抵抗の解消を図る必要がある。
 また、サービス面においても、乗り継ぎを考慮したダイヤによる待ち時間の短縮やJRやバスの運行時間の拡大など利用しやすいダイヤへの改善、バス相互の乗継割引の拡充等料金面の改善など、移動の連続性と快適性の向上を図ることが必要である。

  (2)情報提供の推進
 冬期間におけるバスの定時性の喪失は、公共交通の利用低迷の要因にもなっており、特にバス利用者に対する運行情報や路線情報の提供が求められる。
 今後は、IT技術などを活用した総合交通情報提供システムなど、さまざまなサービス情報を広く提供し、利用者が自ら選択して利用できる情報提供の推進を図っていく必要がある。
 また、駅・ターミナルやその周辺におけるわかりやすい案内標識の設置や国際化に対応した外国語標記、バス車体後部の行き先・系統表示などその充実を図ることが必要である。

  (3)多様なサービス提供の推進
 個人の価値観の多様化・高度化などが進展する中で、今後公共交通も多様なサービスを提供することが必要であり、高齢者の移動や休日など家族での移動を支援する利用しやすい料金サービスなどの提供が求められる。
 また、タクシーは他の公共交通機関に比べ機動性、随意性に優れ柔軟なサービスの提供が可能であることから、バス運行終了後の輸送に対する駅と住宅地とを結ぶ乗合タクシー、買い物代行などを行う便利タクシーといった多様なサービスの展開を図ることが必要である。
 さらに、効率的な配車を行うためGPSを利用した配車システムや、プリペイドカードの導入等運賃支払方法についての検討などサービス向上への取り組みが重要である。

  (4)バリアフリー化の推進
 これからの社会においては、高齢者など移動制約者のニーズに対する配慮が必要不可欠であり、だれもが安心・安全に利用できるような利便性向上策を積極的に展開させていく必要がある。
 高齢者や身体障害者など移動制約者へ配慮し、人にやさしい交通サービスを提供するために、昇降施設の設置や段差の解消など乗継施設の改善や、バスや路面電車における低床車両の導入など、バリアフリー化の推進が必要である。

【利便性の向上】

 

利便性向上のために今後取り組んでいくべき施策

移動の連続性や
快適性の向上

・JR駅、地下鉄駅における乗継施設の整備、改善
・路面電車と地下鉄を連絡する乗継施設の整備
・快適性の向上を図るバス停の改善やわかりやすさに配慮したバス停の集約化
・利用しやすいダイヤ(乗継を考慮したダイヤ、パターンダイヤ、JRやバスの運行時間帯の拡大など)
・利用しやすい料金(乗継割引の拡充など)

情報提供の推進

・バスなどの路線情報や乗継情報を提供する総合交通情報提供システムなどの充実
・駅、ターミナルやその周辺におけるわかりやすい案内標識(外国語表記など)やバス車体後部の行き先・系統表示などの充実

多様なサービス提供
の推進

・利用しやすい料金(高齢者割引、家族割引など)
・多様なタクシーサービス(便利タクシー、乗合タクシー、観光タクシーなど)
・タクシーのGPSを利用した配車システムなど
・タクシーのプリペイドカードの導入など運賃支払方法の検討

バリアフリー化の
推進

・乗継施設(乗継施設における昇降施設の設置、段差の解消)
・車 両(超低床ノンステップバスの導入、路面電車の低床車両の導入、介護・福祉タクシー

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