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業種 |
公務、学習支援業 |
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名前 | 佐藤 奈緒 |
障がい種別・程度 |
精神障害3級(ASD、うつ病(現在は軽快)) |
記載日:令和7年8月6日
札幌市の会計年度任用職員として白石区役所保健福祉課で勤務しています。
主な業務内容としては、介護認定や障害福祉サービスに係る申請書類の一次的な受付処理や電話応対、システムへの入力作業などがあります。
また、パートタイム会計年度任用職員は兼業が可能であるため、週に3~4日、業後に個別指導塾の塾講師として稼働しています。(小・中学生対象/主要5科目)
5時50分 |
起床 朝の準備(朝食・入浴・身支度など) |
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7時30分 |
家を出発 |
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8時45分 |
区役所始業 前日分の未処理書類の入力や介護認定の一次判定などを行う。 |
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11時00分 |
郵送で届いた申請書の開披・受付。不備確認の架電なども適宜行っている。 |
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12時15分 |
お昼休み 昼食後は自席で編み物をしたり、絵を描いたりして過ごす。 |
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13時00分 |
午後のお仕事スタート 書類の仕分けや電話応対等行う。 |
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15時30分 |
区役所を退勤 塾がある日はそのまま直行する。 |
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16時50分 |
塾に到着 授業準備をしながら生徒を待つ。 |
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17時05分 |
授業開始 |
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18時05分 |
授業終了 生徒との雑談や片付けをはさんで退勤。 |
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18時30分 |
帰宅 夕食後は余暇時間として過ごす。 |
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22時00分 |
就寝 |
区役所でのお話になりますが、私は聴覚過敏気味で突然の大きな音が苦手なので、そういった場面が生じた場合は一時的に耳栓を使用する、または別室(音が届きづらい休憩室や空き会議室など)に移動して仕事をすることを許可していただいています。(実際に何度か上記のような対応をとらせていただいたこともあります)
現在は環境に慣れたためか業務に差し障るほど音が気になることは殆どありませんが、このような配慮をいただけたことは、とてもありがたく思っています。
どちらの職場にも共通して言えるのは、『あいさつや日々の小さなやり取りを大切にすること』、そして『細かくとも、気がついたことや違和感を覚えたことはしっかり確認すること』です。職種を問わず社会人としての基本だとは思いますが、自他ともに最小限のストレスで仕事を進めていくためには、やはり必須だと思います。
職場の方たちと良好な関係を築く(築こうとする)ことは、働きやすい環境づくりにつながります。
塾講師として働く中での工夫(気をつけていることに近いかも?)としては、絶対に自分の無知をごまかさないことです。塾講師を始めたばかりのときに読んだ書籍で、『生徒からの質問に自信をもって答えられないとき、恥ずかしさや先生としてのプライドから知ったかぶりで済ませてしまう講師もいる』と知りました。私もやりかねないな、と怖くなり、それ以来、生徒と向き合うときは常に真摯な姿勢でいることを心がけています。私自身を含め、発達特性を持つ人の多くは、人前での失敗を強く恐れる傾向があります。しかし、人と関わる仕事をする上では、そうした個人的な事情は言い訳になりません。自分の恥や恐怖心よりも、職業人としての誠実さと責任を優先することが大切だと考えています。
(もし生徒から訊かれたことが分からなかったら、一緒に調べたり、時には次回までの宿題にさせてもらったりなんてこともあります。まだまだ勉強が足りないなぁ……)
札幌市の会計年度任用職員へ応募したときは、ハローワークみどりの窓口を活用しました。
仕事で困ったら、まずは職場内での解決を目指します。
それでも残るもやもや感やソフト面の課題については、両親や友人に相談することもあります。
趣味である絵画や手工芸、執筆などに時間を充てます。特に人物を描くことが好きで、昨年と今年の2度にわたり個展を開催する機会にも恵まれました。
また、月に2~3回人形作りの教室とボイストレーニングに通っているため、それらの予習・復習やレッスン日として休日を過ごすことも多いです。創作活動を通して自分自身と向き合う時間は、心のリズムを整える大切なひとときになっています!
歩んできた道のり(ご自分の年表)
18歳 |
道立高校を卒業。 |
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22歳 |
私立大学教育学科を卒業。 在学中に取得した資格を活かし、正社員の医療事務として病院勤務。次第に心身の調子を崩し、受診したクリニックでASDとうつ病の診断を受ける。約2年で退職。 |
24歳 | 服飾雑貨のショップ店員として稼働するも、コロナ罹患など諸々の理由で退職を余儀なくされる。その後、コールセンターの契約社員として採用されたが、クレーム対応で心身の負担が増し、再びうつ症状が悪化。悩んだ末に退職。 |
25歳 |
クローズ就労(障がいを開示しないで働くこと)に限界を感じ、就労継続支援A型事業所の利用開始 |
26歳 |
上記のA型事業所が業務縮小により閉鎖。ハローワークみどりの窓口を活用し、札幌市の会計年度任用職員(福祉補助員)の求人に応募。無事採用をいただく。 |
28歳 |
兼業として塾講師を始める。 どちらの仕事も楽しく、体調も上向きで今に至る。 |
どうか、病名や障がい名・障がい種別を採用判断の基準にしないでください。
一人ひとり得意不得意もあれば、性格や来歴も異なります。
ご自身の企業で求める人材観にマッチする方・これからそう育てたい方を、色眼鏡を外したご自身の目で、見つけていただければと思います。
あなたが自分らしく働ける場所は、絶対にあります。
その場所を見つけられるかどうかは、残念ながらご自身の努力だけにかかっているわけではありません。時の運や世相によっても影響を受けると思います。
しかし、適職に出遭う確率を大幅に上げることは可能です。そのために、より自分を高めるための努力を続け、情報にアンテナを張り続けてください。
へこたれず、踏ん張って、一緒に歩きつづけましょう。
(この記事は、ご本人から提出していただいた原稿を基に作成しています。)
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