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更新日:2024年4月1日

小児科

 

小児科について 

札幌市の中核病院小児科として、小児の疾患を幅広く診療しています。地域の医療機関とも連携をとりながら、一般的な感染症はもとより専門的な検査・治療が必要な患者さんを多数受け入れています。また、当科は札幌市の小児二次救急病院として夜間・休日の当番も担当しており、小児救急医療においても重要な役割を担っています。
外来診療は、午前に急性疾患主体の一般外来を、午後にはアレルギー・糖尿病・内分泌・神経・心臓・腎臓・新生児等の各分野の専門医による専門外来を行っております。
小児病棟では、連携医療機関からの紹介患者や二次救急依頼患者などの急性疾患が比較的多いのが特徴ですが、重症呼吸不全患者に対する人工呼吸管理も可能な体制を整えています。そして、救命救急センターで急性期治療を終えた患者さんの後方ベッドとしても機能しています。また、医療保育専門士が病棟に常時配置されており、入院患者とその家族のQOLの向上に貢献しています。

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基本方針 

エビデンスに基づいた医療を提供しつつ、地域の医療機関とも連携しながら患者さんにやさしい医療をめざします。

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こんな症状、疾患を診ています 

診療体制

午前には急性疾患主体の一般外来を月~金曜日の毎日行っており、午後には免疫・アレルギー疾患、神経・筋疾患、糖尿病・内分泌疾患、心疾患、腎疾患や新生児フォローアップのための専門外来を予約制で行っています。特に、免疫・アレルギー・神経・筋・糖尿病・内分泌疾患等に関しては専門的な検査・治療体制を整えています。

当科における特徴ある診療

食物アレルギー

食物アレルギー、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などを診療しています。食物アレルギーに対しては、必要に応じて入院または外来で食物経口負荷試験(実際に食べてアレルギー反応の有無や程度を確認する試験)を行います。さらに、自然には治りにくいと判断した場合に、少量からゆっくりと食べる量を増やしていく緩徐経口免疫療法を実施し、早めに制限を解除できるようにサポートしています。

膠原病

大人に多いリウマチ性疾患ですが、子どもには比較的少なく診断しづらい病気です。免疫の働きを抑える薬を長期に使用することも多いため、薬の副作用に十分注意しながら治療しています。

糖尿病

当科では1型糖尿病、2型糖尿病の患者さんを大勢みています。1型糖尿病の患者さんに対してインスリンポンプ療法、持続血糖モニター、フラッシュグルコースモニタリングなども行っています。スタッフは糖尿病キャンプにも積極的に参加しています。

低身長

成長ホルモンの分泌が不足していないかどうかを調べる負荷試験をしています。成長ホルモンを補充する治療が必要な場合には、家庭で行う注射療法を指導して定期的に通院していただいています。

内分泌疾患

思春期が早くきてしまう思春期早発症、甲状腺の病気など、さまざまなホルモンの病気を診断・治療しています。

腎臓疾患

ネフローゼ症候群や慢性糸球体腎炎など小児の腎臓の病気全般にわたって、専門的な診療を行っております。また、学校検尿などで血尿や蛋白尿を指摘された小児にはさらに詳しい検査を行っています。

てんかん

脳が電気的に興奮することにより、けいれんしたり一時的に意識を失う病気です。
100人に1人くらいの頻度で比較的多い病気であり、さまざまなタイプがあり専門的な診療が必要です。小児に特有の良性のてんかんが存在する一方で、発達に影響を与えうるようなてんかんもあり、その見極めは重要です。治療としては、内服薬によるものが基本となりますが、患者さんによってはてんかん外科手術の適応となるものもあり、適宜、各種検査を追加しながら評価を行い、どれがお子さんに一番の治療法かを考えながら診療にあたっています。

ミトコンドリア病

全身の細胞内に数多く存在するミトコンドリアの働きが低下することで、様々な臓器に障害をきたす稀な病気です。運動発達遅延、片頭痛、脳梗塞、低身長、糖尿病、難聴、不整脈、心筋症、慢性腎炎などと診断されている場合もあります。この診断には、MRS検査、遺伝子検査、筋生検、酵素活性検査などの特殊な検査も必要ですが、全ての検査を当院で実施できます。また、ジクロロ酢酸ナトリウム療法や、アルギニン療法など、一般の病院では実施できない特殊な治療も行っています。

重症心身障害児

当科では、在宅酸素や人工呼吸器が必要な重症心身障害を有する患者さんも多くみており、各種の医療福祉制度を利用しながら、安心して在宅生活が送れるように支援しています。

検診異常の二次精査

乳児健診や幼稚園・学校の検診で心臓疾患(心雑音・不整脈)、尿異常(血尿・蛋白尿・尿糖)、肥満や低身長などを指摘された時に、さらに詳しい検査や専門的な治療を行っています。

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ダニ媒介脳炎ワクチン接種を希望される1歳以上15歳以下の方 

ダニ媒介脳炎

ダニ媒介脳炎はウイルスを保有するマダニに刺咬されることによって感染します。感染後、発熱、筋肉痛、頭痛などの症状を発症し、脳髄膜炎から死亡する場合もあります。

ダニ媒介脳炎ワクチン

海外ではダニ媒介脳炎感染を予防するためワクチンの接種が行われていますが、現在ワクチンは国内未承認製剤となっています。国内の一部の医療機関では輸入ワクチンとして接種が行われており、2019年2月より市立札幌病院小児科でも1歳以上15歳以下の希望者を対象に、臨床研究としてダニ媒介脳炎ワクチンの接種(有料)を行っています。16歳以上の方は当院・感染症内科にて接種を行っています(詳細は感染症内科のホームページをご参照ください)。日本では主にヨーロッパ製のワクチン(FSME-IMMUN JuniorやEncepur Childrenなど)が輸入され使用されています。これまでの海外での研究によると、副作用の頻度は発熱1~30%、発熱以外の全身症状7~31%、接種部位の疼痛などの局所症状12~34%とされています。合計3回の接種で99%以上の方が抗体陽性となります。この臨床研究は、2019年2月21日国立大学法人北海道大学臨床研究審査委員会より特定臨床研究として承認されており、臨床研究実施計画・研究概要公開システム(jRCT)https://jrct.niph.go.jp/ に研究の詳細が公開されています(臨床研究実施計画番号:jRCTs011180010)。

当院・小児科でのダニ媒介脳炎ワクチン接種方法

ワクチンは合計3回の接種(2回目は1回目から1~3ヶ月後、3回目は2回目から5~12ヶ月後に接種)が必要です。ワクチン接種にあたり、初回の受診時に研究の概要をご説明いたします。3回の接種後は、3年後に1回追加接種、以降3~5年毎に1回の追加接種が推奨されています。ワクチンの効果を確認するための血液検査は合計2回行います。

ワクチン接種に際しご注意いただく場合

重度の免疫不全状態にある方、卵や鶏に重症のアレルギーがある方、ラテックスに重症のアレルギーがある方、妊娠中もしくは授乳中の方、1週間以内に発熱があった方へはワクチンの接種を行っておりません。マダニ刺咬された場合はその4週以降にワクチン接種を行います(ウイルスを保有したマダニの刺咬後にワクチン接種を開始しても、ウイルス感染の予防はできないとされています)。ほかのワクチンを接種された方は、ダニ媒介脳炎ワクチン接種まで1~4週間の間隔をあける必要がありますのでご注意ください。ダニ媒介脳炎ワクチンと他のワクチンとの同時接種は行っておりません。

ダニ媒介脳炎ワクチン接種のための当科受診方法

接種をご希望される方は、必ず事前に小児科外来に電話予約ください。予約のない方の接種は行っておりません。また、問診の結果や当日の体調によってはワクチン接種ができない場合もございます。受診日には母子手帳をお持ちの上、保護者同伴でお越しください。現在、ワクチンの在庫がございません。ワクチン接種ご希望のご連絡をいただいてからワクチンを取り寄せるため、実際の接種まで数週間のお時間をいただいております。あらかじめご了承ください。

 

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診療実績 

令和4年度 主な入院患者の内訳

内訳  件数 
COVID-19 177
肺炎・気管支炎・細気管支炎 136
感染性胃腸炎 100
喘息 81
食物アレルギー 76
けいれん 51
急性上気道感染症 51
てんかん 43
先天性疾患 27
川崎病 23
そのほか 336

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私たちが担当しています~担当医紹介~ 

職名

氏名

専門分野

資格等

部長

佐野 仁美

小児科一般
小児内分泌
小児糖尿病

日本小児科学会専門医・指導医
日本内分泌学会専門医
日本糖尿病学会専門医・指導医
子どもの心相談医

副部長

畠山 欣也

小児科一般
小児循環器

日本小児科学会専門医・指導医
日本小児循環器学会専門医

医長

伊藤 智城

小児科一般
小児神経
てんかん

日本小児科学会専門医
日本小児神経学会専門医
日本てんかん学会専門医
山崎 健史 小児科一般
小児腎臓病
日本小児科学会専門医・指導医
日本腎臓学会専門医・指導医
米国心臓協会PALSインストラクター
副医長

工藤 絵理子

小児科一般
アレルギー
日本小児科学会専門医
日本アレルギー学会専門医
一般職 藤田 大輝    
小野 翼    
嘱託医 川村 信明 アレルギー
免疫
リウマチ性疾患

日本小児科学会専門医
日本アレルギー学会専門医・指導医

 

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看護スタッフから

小児科受付 受診の際は、日ごろのご心配なことやお知りになりたいことなど、遠慮なく看護師にお尋ねください。帰宅後も安心してお過ごしいただけるよう、お手伝いさせていただきます。
 また、点滴や採血などの処置の際には、保護者とともにお子さんの年齢や理解度に応じた十分な説明を行い、同意や納得が得られるように努めています。
受付前には、各種パンフレットを用意しており、育児に役立つ情報なども提示しておりますのでご活用ください。また、待合室には、ボランティア「やさしさジェントル」による四季折々の折り紙や、当科医師が撮影した動物などの写真を飾り、居心地の良い環境にするよう努めております。
なお、糖尿病の患者さんには発達段階や日常生活にあわせたアドバイスを行っていますのでご相談ください。

 

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学会・研究会等発表演題 

令和4年

演題名 出題者名 所属 学会名 発表月日 発表地
札幌市における細菌性髄膜炎の発生動向調査-第5報

佐野 仁美

川村 信明

東舘 義仁

中田 修二

渡辺 徹

富樫 武弘

母坪 智行

札幌市小児科医会 第47回札幌市医師会医学会 2022.2.14 札幌
アデノウイルス感染が疑われた劇症型1型糖尿病の9歳女児例

佐野 仁美

忠鉢 もも

高畑 明日香

工藤 絵理子

山崎 健史

伊藤 智城

畠山 欣也

市立札幌病院小児科 第23回北海道小児糖尿病研究会 2022.5.21 札幌
けいれん重積にて発症した急性脳症3症例の急性期脳波経過 -けいれん重積型(二相性)急性脳症との比較-

伊藤 智城

松薗 優

橋本 佳帆子

工藤 絵理子

山崎 健史

畠山 欣也

佐野 仁美

市立札幌病院小児科 第64回日本小児神経学会学術集会 2022.6.4 高崎
先天性中枢性低換気症候群の1成人例:横隔膜ページング導入の試み

津坂 隼也

伊藤 智城

橋本 佳帆子

工藤 絵理子

山崎 健史

畠山 欣也

佐野 仁美

山田 洋輔

長谷川 久弥

越智 崇徳

山高 篤行

高力 俊策

高須 清

加藤 隆生

葛西 隆敏

市立札幌病院小児科
東京女子医大東医療センター新生児科
順天堂大学医学部小児外科
湘南藤沢徳洲会病院外科
順天堂大学医学部循環器内科
第314回日本小児科学会北海道地方会 2022.6.12 札幌
緩徐経口免疫療法を行った重症食物アレルギー3例の経過

工藤 絵理子

忠鉢 もも

高畑 明日香

山崎 健史

伊藤 智城

畠山 欣也

佐野 仁美

竹崎 俊一郎

市立札幌病院小児科
北海道大学病院小児科
第3回日本アレルギー学会北海道支部地方会 2022.10.23 札幌
小児救急医療について;初期評価・消化管疾患・呼吸器疾患・けいれん 佐野 仁美 市立札幌病院小児科 令和4年度北海道小児救急医療地域研修会 2022.1.30 札幌
当院で経験した新型コロナウイルス感染症の小児例について 佐野 仁美 市立札幌病院小児科 第28回日本保育保健学会 教育講演3 2022.5.22 札幌
食物アレルギー診療にかかわる2022年診療報酬改定のポイント 工藤 絵理子 市立札幌病院小児科 北海道・東北アレルギー研鑽会 2022.10.28 online

 

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論文等 

令和4年

論文名 著者名 所属 雑誌名(書名) 発表年 巻号
当院で経験した新型コロナウイルス感染症の小児例について 佐野 仁美 市立札幌病院小児科 保育と保健 2022 28(2) 65-66