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更新日:2012年5月26日

6.(2)事業復旧・継続のための資源確保

一日でも早く事業を復旧・継続するために、最低限必要となる経営資源(人・モノ・情報・資金)について、事前に代替策などを確保できるよう検討しましょう。
重要設備の修理や業務に欠かせないライフライン(水道、ガスなど)の復旧など、対応に要する時間なども考慮し、対応手順も確認しておきましょう。

1.経営資源「人」の確保

OBに連絡をとるイラスト

緊急時に他の部署からの応援要員を確保するなど人員の手配とともに、手順書などを用意し、可能な限り円滑に業務を行える体制を整えることが大切です。次の項目について検討してみましょう。

  • 業務時間外、休日などに出勤が可能な従業員がいるか
  • 従業員の家族などに手伝いをお願いできるか
  • OB、アルバイトなど経験者の参集などは可能か
  • 同業他社、取引先などとの応援協力は可能か

【緊急対応で業務が停滞した】:システム開発業

地震の際、緊急対応に人手が割かれ、進行中の業務が停滞したり、納品が遅れることがあった。この経験をふまえ、事業継続に必要な要員について代替要員の確保などの見直しを行った。
「中小企業の事業継続計画(BCP)災害対応事例からみるポイント」/中小企業庁/平成23年5月

 

2.経営資源「モノ」の確保

フォークリフトで荷物を運ぶイラスト

生産設備、原材料、ライフライン、輸送方法などについて、代替手段を検討し、確保しましょう。取引先や同業者との連携体制を、あらかじめ確認することも大切です。次の項目について検討してみましょう。

  • 社屋や工場、店舗などの拠点施設の代替
  • 重要設備などが被災した時の代替手段や応援協力
  • 資材・備品などの輸送や調達
  • ライフラインの代替手段

【駐車場にテントを張り営業再開】:小売業(スーパー)

テントを張った仮店舗で販売するイラスト

 

店舗が損傷したが、数日後、駐車場にテントを張って営業を再開。保存が効く飲食料品や日用品の販売が中心であったが、地元住民の方々から喜ばれた。
「中小企業BCP(事業継続計画)ガイド」/中小企業庁/平成20年3月

3.経営資源「情報」の確保

情報を様々な形でバックアップするイラスト

取引先や従業員との情報連絡ができる拠点や手段を確保しておきます。また、業務データや重要書類は複数の拠点で保管するなど、さまざまな形でバックアップしておきましょう。

  • 情報連絡ができる場所の確保
  • 情報収集や発信の手段の確保
  • 情報のバックアップ
  • 重要書類のバックアップ

【連絡先を知らせず注文を逃した】:製造業(建具)

1ヶ月程避難所にいたため、事務所の固定電話に多くの発注があったことを知らずに注文を逃した。事務所への連絡先の掲示や、携帯電話への転送などにより連絡がつくようにしておくべきだった。
「中小企業の事業継続計画(BCP)災害対応事例からみるポイント」/中小企業庁/平成23年5月

 

【大切なデータのバックアップ】

阪神淡路大震災では、ライフラインの復旧の遅れによりオンライン業務が停止し、手作業で膨大な業務処理を行ったところがあった。また、ビルの倒壊、火災により全データを消失したり、建物が立入禁止になりデータを取り出せず、業務が停止した例もあった。
「災害時における通信・コンピューター対策ガイドブック」/神戸商工会議所/平成8年10月

 

4.経営資源「資金」の確保

緊急時に必要な資金を予測し、損害保険や共済への加入、災害復旧貸付の利用などを検討しておきましょう。被災後は、従業員の給与や取引先企業への代金の支払い、復旧資材購入などの費用が必要になることを想定し、資金を確保しておきましょう。

  • 損害保険や共済の加入状況・支払い条件の確認
  • 災害時などの緊急時の貸し付け制度の確認
  • 事前の防災対策に関する融資制度の確認
  • 緊急時に必要となる資金(売上高1ヶ月分程度)の確保

【防災対策の資金支援制度】

災害対策に必要な設備資金や運転資金の融資制度を設けている金融機関もあります(BCP策定企業を対象にしているものもあります)。

  • 取扱金融機関
    :商工組合中央金庫札幌支店
    :日本政策金融公庫札幌支店国民生活事業

【被災後の資金支援制度】

被災した企業に対する融資制度があります。

  • 一般中小企業振興資金(札幌市経済部)
  • 災害復旧貸付(商工組合中央金庫、日本政策金融公庫)
  • 災害関係保証(融資)(北海道信用保証協会)など

企業の事業継続計画

「事業継続計画」(BusinessContinutyPlan)とは、従来の防災の考え方だけでなく、経営の観点からの重要業務(商品・サービスの供給)の継続・早期復旧、サプライチェーンでの対策・対応についての考え方をプラスして、企業防災を考えるものです。
中小企業庁では、中小企業自らが事業継続計画(BCP)を策定運用できるよう「中小企業BCP策定運用指針」を公表しています。
http://www.chusho.meti.go.jp/bcp/index.html

【相談窓口】

  • 商工組合中央金庫札幌支店電話011-241-7231
    防災対策の融資に関連した相談に応じます。
  • 日本政策金融公庫札幌支店国民生活事業電話011-231-9131
    防災対策の融資に関連した相談に応じます。
  • 全国中小企業団体中央会政策推進部電話03-3523-4902
    中小企業組合などを対象に、金融機関・保険会社などと連携し、BCPの組合間協定などの事例紹介、セミナー開催、講師派遣斡旋などを行いBCPの取組を支援します。

はじめに|1.札幌でも大地震が起こる・・・|2.企業で想定される大きな被害|3.防災協働社会を目指して|4.企業の安全を守る|5.地域の安全に貢献する|6.企業活動を継続する|7.企業全体で高める防災力|8.お役立ち参考資料

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