災害に備える(自助・共助) > 企業の防災 > 2.企業で想定される大きな被害
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大地震が起こると、一瞬にして広い範囲で建物やライフラインが破壊されることが想定されます。従業員、社屋や設備などに被害が生じるほか、物流の停滞など、広範囲にわたって企業活動に支障が出ることが想定されます。
設備・人員への直接的な被害に加え、物流の混乱、取引先企業などの被災による取引停止など仕入や納品などにも少なからず影響が出ることから、平常時と同様の企業活動が難しくなります。このように地震の被害は、次々と連鎖しながら企業活動にも大きな影響を与えます。自社ではどのような被害が起こり得るか、考えてみましょう。
ビルの外壁の落下、割れた窓ガラスの飛散、看板などの落下も起こります。また、高層のビルでは、高層階ほど大きく揺れることがあります。
特に昭和56年以前の古い耐震基準で建てられた建物では、被害が大きくなる可能性があります。
揺れによる建物被害
【夏】全壊:6,965棟、半壊:13,636棟
【冬】全壊:13,466棟、半壊:22,786棟
▲揺れによる建物全壊率(月寒断層による揺れの場合)-札幌市第4次地震被害想定から引用-
コピー機やロッカーなどで固定していない物が移動、転倒します。商品陳列棚などから物が飛び出し、落下します。大型の機械、資材などの転倒・落下による被害も発生する恐れがあります。
まちのあちこちで火災が起こります。消火用水が不足し、延焼を抑えることが難しくなります。
地域で火災が起こった場合は、企業からも応援に出て延焼防止に協力する必要があります。
建物の倒壊、設備や機材の転倒、火災などにより、死傷者が出ることがあります。
札幌における最悪の想定では、冬季に建物の下敷きになった方の凍死を考慮すると、5,000人近い死者が想定されます。
【夏】363人
【冬】4,911人※冬は人的被害の最も多い5時発災の場合を想定
▲死者数想定のグラフ(月寒断層による揺れの場合)-札幌市第4次地震被害想定から引用-
※グラフ冬1:要救助者は当日に救助されれば助かると想定した場合
※グラフ冬2:要救助者はすべて助からないと想定した場合
阪神淡路大震災での被害は、重傷者:10,683人、軽傷者:33,109人でした。
凍死者の数は、積雪による避難行動や応急・復旧対策の作業効率の低下を考慮して被害を予測しています。
電気、ガス、水道、道路などが破壊され、ライフラインが途絶します。
電話の輻輳(ふくそう)による通信困難や、水洗トイレが使えなくなることで衛生状態が悪化することも予想されます。
医療機関などで電源がストップすると深刻な事態となることが考えられます。
地震直後には、交通機関がストップし、多くの帰宅困難者が発生します。
交通機関の停止や道路の機能障などが長引くと、従業員の通勤も難しくなります。また、物流の混乱により、必要な資材・商品などの調達が難しくなることも考えられます。
上水道の被害は、
夏の復旧に約19日、冬の復旧に約27日かかることが想定されています。
また、阪神淡路大震災での復旧までの期間は91日間でした。
▲上水道被害のグラフ(月寒断層による揺れの場合)-札幌市第4次地震被害想定から引用-
電力の被害は、
夏の復旧に約5日、冬の復旧に約7日かかることが想定されています。
また、阪神淡路大震災での復旧までの期間は6日間でした。
▲停電率のグラフ(月寒断層による揺れの場合)-札幌市第4次地震被害想定から引用-
移動手段が徒歩に限定されると、通勤・通学あわせて、最大で116,358人が、会社や学校から歩いて帰れなくなると想定しています。
※帰宅困難者とは
一般的に、自宅までの距離が10kmを超えると帰宅が困難となり、20kmを超えると当日中の帰宅は不可能とされています。札幌では、冬季に地震が発生すると、積雪や寒さの影響により、歩くことができる距離が短くなるため、より多くの人が帰宅困難になることが予想されます。
【夏】直接被害:20,043億円、間接被害:2,732億円
【冬】直接被害:27,169億円、間接被害:3,144億円
経済への被害は、
月寒断層による最大の地震被害想定をもとに、直接被害や、経営資源への被害や生産性の低下などの間接被害を金額換算して想定しています。
はじめに|1.札幌でも大地震が起こる・・・|2.企業で想定される大きな被害|3.防災協働社会を目指して|4.企業の安全を守る|5.地域の安全に貢献する|6.企業活動を継続する|7.企業全体で高める防災力|8.お役立ち参考資料
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