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有機フッ素化合物のうち、ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物を総称して「PFAS」と呼び、1万種類以上の物質があるとされています。PFASの中には撥水・撥油性、熱・化学的安定性等の物性を示すものがあり、これらの物質は撥水・撥油剤、界面活性剤、半導体用反射防止剤等の幅広い用途で使用されています。
PFASの代表的なものとして、PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)、PFOA(ペルフルオロオクタン酸)があり、主要な用途と特徴は以下のとおりです。
用途 | 特徴 | |
PFOS |
半導体用反射防止剤、金属メッキ処理剤、泡消火薬剤など |
難分解性、生物蓄積性、長距離移動性 |
PFOA | フッ素ポリマー加工助剤、界面活性剤など |
PFOS、PFOAは、人においてはコレステロール値の上昇、発がん、免疫等との関連が報告されていますが、どの程度の量が身体に入ると影響が出るのかについてはいまだ確定的な知見はありません。
また、国内において、PFOS、PFOAの摂取が主たる要因と見られる個人の健康被害が発生したという事例は確認されておりません。
環境省は、内閣府食品安全委員会において、PFOS等の健康への影響について評価されていることなどを踏まえ、専門家による水質の暫定目標値の取扱いの検討を進めています。
PFOS、PFOAは「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)」に基づき、製造・輸入等が原則禁止されています(PFOSは平成22年、PFOAは令和3年)。
なお、消防機関のほか、石油コンビナート、基地、空港などの施設の消火装置で使用される泡消火薬剤で、国内法令で規制される前に製造されたものにはPFOS、PFOAを含有するものがありますが、これらについては、国が定めた基準に従って、漏れることのないよう保管し、万が一漏れた場合には回収する等、厳格な管理が義務付けられています。
令和2年5月に、環境省は、PFOS及びPFOAを水質汚濁に係る人の健康の保護に関する要監視項目に追加し、暫定指針値として、「PFOS及びPFOAの合算値」を50ng/L以下と設定しました。
また、水道水については、令和2年4月に、厚生労働省が(※)、水質管理目標設定項目に位置付づけ、暫定目標値として同じく「PFOS及びPFOAの合算値」を50ng/L以下と設定しました。
(※)水道水質基準の策定等に関する事務は、令和6年4月に環境省へ移管されました。
札幌市内の水道水(市内5か所の浄水場の給水栓水及び原水)は定期的に有機フッ素化合物(PFAS)の検査を実施しており、これまで検出されたことはありません(5ng/L未満)。詳細は水道局のページをご確認ください。
水道水中の有機フッ素化合物(PFAS)について(水道局ページへのリンク)
令和5年度より、札幌市内の河川について、環境基準点(15か所)・環境基準補助点(1か所)計16か所で調査を行っています。これまで、暫定指針値(50ng/L)を超過した地点はありません。
(令和6年9月19日追記)
環境基準補助点である第二伏籠川橋および発寒六号橋で追加調査を実施しました。その結果は、いずれも暫定指針値未満でした。
図令和6年度PFOS及びPFOA測定結果
PFOS及びPFOA測定結果(令和5,6年度)(PDF:609KB)
平成21年、22年に札幌市衛生研究所が行った、国立環境研究所と全国の自治体が参加するPFASの環境汚染実態調査では、丘珠2号川の下流に位置する環境基準補助点(第二伏籠川橋)で44ng/L、丘珠2号川の丘珠空港周辺において、現在の暫定指針値を大きく上回るPFOSが検出(最大18,000ng/L)されました。その後、環境省が行った存在状況調査により、第二伏籠川橋で、下表のとおり数値が減衰していることを確認しています。また、令和6年度に札幌市が実施した調査でも、結果は暫定指針値未満であり、同程度で推移していることを確認しています。今後も、継続して調査を行っていきます。
図丘珠2号川下流における水質調査結果
令和6年7月に、丘珠空港周辺の井戸において地下水調査を実施しました。結果は、PFOS及びPFOAは不検出(0.3ng/L未満)でした。
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