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更新日:2024年7月31日

MRI検査

MRI検査とは

 MRI(Magnetic Resonance Imaging) 検査は強い磁場と電波を利用した検査です。放射線による被ばくがなく、多様な撮像法により一度の検査で様々な種類の画像を取得することができます。検査時間は撮影内容により変わりますが平均で約20分です。

MRI検査の禁忌事項

 MRIは強力な磁場を利用しているため、次に該当する方はMRI検査を受けられないことがあります。必ずスタッフに申し出てください。

1.MRI非対応の体内金属や植込みデバイスについて

  • ペースメーカー
  • 乳房エキスパンダー
  • 人工内耳
  • 植込み型ポンプ
  • ICD(植込み型除細動器)
  • DBS(深部脳刺激装置)
  • カプセル内視鏡
  • その他(MRI非対応機器)

 上記の機器を使用している場合は、人体または機器本体に重大な影響を与える恐れがあるため、MRI検査を受けることができません。

2.その他の体内金属や植込みデバイスについて

  • 人工関節
  • 血管塞栓コイル、ステント、フィルター
  • 事故等による金属片の混入
  • 脳動脈クリップ
  • 人工心臓弁
  • その他の手術や治療で使用した体内金属など

 近年の手術で使用しているデバイスはMRI対応の製品が多くなっていますが、非対応の場合もあるため、植込み時期を含めて検査に問題がないか確認させていただきます。

MRI対応植込み型不整脈治療デバイスについて

 近年、条件付きMRI対応ペースメーカーやICD(植込み型除細動器)を使用されている方が増加しています。
 当院は「MRI対応植込み型不整脈治療デバイス患者のMRI検査の施設基準」に基づく所定の研修を受講し、検査施設として登録されております。院内にて用意しております所定の手順を踏むことで検査が可能です。

3.アートメイク、入れ墨等について

 植物性染料を使用している場合は問題ありませんが、色によっては酸化鉄や二酸化チタンを含む金属顔料を使用している場合があり、検査時にやけどや変色を起こす可能性があります。
 上記を理解し同意いただいた場合はMRI検査を受けていただくことは可能です。

4.閉所恐怖症の方

 MRIは直径60~70cm程度の狭い円筒状の中に入って検査を行うため、閉所恐怖症の方は検査ができない場合があります。当院では円筒内を明るくし、希望される方にはアイマスクの着用や、寝台に寝る際の頭の向き等を工夫することで、不安を少しでも軽減して検査を行うことができるよう心がけております。閉所恐怖症の方は予め医師やスタッフにお伝えください。

検査当日について

1.服装について

 衣服に金属のボタンやファスナーがある場合は、検査する部位によっては検査着に着替えていただく場合があります。
 MRIは検査で使用する電波の影響により体が若干暖かくなり、汗をかくこともあります。保温性の高い衣類(ヒートテック等)を着用している場合は過度に発汗する恐れがあるため着替えていただきます。

2.化粧品について

 化粧品には、磁性体が含まれているものがあり、検査に影響が出ることがありますので、出来れば付けずに来院してください。お化粧をして来院された場合、検査内容によっては、お化粧を落としていただくことがあります。

3.コンタクトレンズについて

 コンタクトレンズは、材質に金属が使われている場合があります。また、眼球との間のホコリ等が危険を及ぼす可能性がありますので、付けずにご来院いただくか、検査の前にはずしていただきます。

4.金属について

 磁石に引き寄せられるようなものや磁場の影響で故障するもの、画質に影響を与えるものを身につけての検査室への入室はできません。入れ歯やピアス等の貴金属類は、はずしていただきます。

 

5.増毛パウダーについて

 増毛パウダーは製品によっては磁場の影響を受ける「酸化鉄」を含むものがあり、粉末状繊維の飛散により機器が故障する恐れがあります。MRI検査当日は使用しないで下さい。

6.ネイルアート等について

 装飾品に関しては、使用している材質によって吸引・発熱などを引き起こす可能性がありますので、出来れば付けずに来院してください。

 

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MRI造影剤について

 検査内容によっては造影剤を使用することがあります。
当院ではガドリニウム(Gd)造影剤を主に使用します。まれに副作用が生じる場合があり、症状としては、じんましん、吐き気、かゆみや血圧低下などが挙げられます。もし、検査中や検査終了後に体に異常を感じたら検査スタッフにすぐにお知らせください。
まれに検査から数日後に副作用が生じる場合があります。副作用と思われる症状が発生した場合は、ご連絡ください。

以下に当てはまる方は造影剤を使用できない場合があります。

  • 腎機能障害がある
  • 以前にガドリニウム造影剤を使用して副作用が出た
  • 喘息がある方
  • アレルギー体質の方
  • 妊娠中の方

ガドリニウム造影剤は腎臓から排泄されます。水分制限のない方は水分を少し多めにとってください。

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主なMRI検査 

 当院で行っている、主なMRI検査をご紹介いたします。

頭頸部

 いろいろな断面で撮影が可能です。造影剤を使用せずに血管を描出することができます。

T2強調画像 矢状断像

20220310水平断層

T2強調画像 水平断像

脳動脈 MIP像

脳静脈 MIP像

VSRAD(早期AD診断支援システム)

 VSRADとは早期アルツハイマー型認知症でおこる海馬や海馬傍回の萎縮の状態を、MRI画像を解析することで診断するシステムです。

ASL(非造影の脳パフュージョン検査)

 造影剤を使用せずに、脳血流の検査が可能です。急性期脳梗塞や動脈閉塞性疾患における血行動態の評価を目的に行われます。

MRS(MRスペクトルスコピー)

 MRスペクトルスコピーとは、体内に存在するプロトン(水素)原子の共鳴周波数の差を利用して生化学的な解析を行うものです。
組織を取り出すことなく細胞の代謝状態を測定することができます。

 

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乳腺

 乳腺MRI検査は、乳腺腫瘤の良性悪性の診断や、進展範囲を評価する目的で行われます。


造影T1強調 水平断像


造影T1強調 矢状断像


造影MIP像

 

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腹部

 肝臓・胆のう・すい臓・腎臓などの腹部臓器や腹部血管を検査します。
呼吸を止めて撮影する場合と、呼吸に合わせて撮影する場合があります。

EOB・SPIO

 肝臓の疾患に対して行う検査です。


T2強調 冠状断像


ダイナミック像


肝細胞相

MRCP

 水の信号を強調して撮影することで、胆嚢や胆管膵管を描出し、胆石や胆管膵管の拡張や狭窄を画像化します。
この検査は、検査前日22時より絶飲食の指示があることがあります。検査予約票にてご確認ください。


MRCP MIP像


MRCP MIP像

 

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骨盤部

 主に婦人科・泌尿器科などに係る撮影を行います。検査前に、腸の動きを抑える筋肉注射をする場合があります。また、病状によっては息を止めて撮影することがあります。


女性骨盤 T2強調 矢状断


女性骨盤 T2強調脂肪抑制矢状断


女性骨盤 T2強調 水平断

 

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脊椎部

 頸椎・胸椎・腰椎などを撮影します。脊髄や椎間板などを描出することができ、椎間板ヘルニアによる脊髄神経の圧迫や、その他の脊椎変性疾患などの診断に有用です。


頸椎 T2強調 矢状断


腰椎 T1強調 矢状断


腰椎 T1強調 水平断

 

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四肢

 肩関節・股関節・膝関節などの関節や、筋肉・靭帯・腱などの軟部組織を撮影します。
また、腕・脚の血管の撮影やリウマチ診断のための検査を行っています。


肩関節 T2強調脂肪抑制 冠状断


肩関節 T2強調 冠状断


股関節 T1強調 冠状断


大腿筋 T2強調 冠状断


膝関節 T2FFE 冠状断

 

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MRI検査室の装置

 3.0Tと1.5Tの2台体制で全身様々な部位を撮影しています。
救命救急センターや各診療科、地域の病院から依頼されるMRI検査に対応しております。

第1MRI

Philips社製 3.0T MRI

2015年に導入された装置です。
脳や頭部は32チャンネルの頭部用コイルを用いて撮影しています。コイルを組み合わせることで全身の撮影が可能です。

第2MRI 

Philips社製 1.5T MRI

  映像投影システムPhilips社製 1.5T MRI

 2024年に導入された装置です。
 AIを用いた画像再構成を使用
 し、従来装置より詳細な撮像が
 可能です。
 また、閉所恐怖症の方でも検査
 ができるよう映像投影システム
 も導入しました。