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更新日:2020年11月16日

令和元年度

パートナーシップ通信 vol.2

 2019年度より外来を除く全病棟でPNS(パートナーシップ・ナーシング・システム)を導入しています。
今回いち早くPNSを導入していた9階西病棟に、PNSを導入した経緯と教育体制についてインタビューを行いました。
9階西病棟はNICU・GCUを持つ新生児センターであり、各自が専門性の高い看護スキルを持つことを求められます。長年、指導者が中心となって新人を指導する状況でしたが、PNSの導入により、部署全体で育成する意識が生まれ、共に実践し育成する体制に変化しています。そこに至るまでの看護師長・副看護師長をはじめ、スタッフ全員での取り組みをご紹介します。PNS_02.jpg

参加メンバー:
岡看護師長、原田副看護師長、高橋副看護師長
織田看護師(PNS実行委員)
藤川看護師(フレッシュパートナー)
坪西看護師(フレッシュパートナーサポート委員)

 

他スタッフの皆さん

PNSを導入した経緯と教育体制についてインタビュー

Q いち早くPNSに取り組んだきっかけと部署の変化を教えてください

岡:9階西病棟は専門性が高い病棟であることからスタッフの育成に非常に時間を要していました。挿管患者を持てるまでに1年以上かかる等、いわゆる「一人前」と言われるまでにすごく時間のかかるところと感じていましたし、その分先輩スタッフの負担がすごく大きいなと思っていました。ペアを組むことで、先輩看護師と『共に見る』ことができ、先輩看護師のアセスメントの視点や大切にしているところを、傍で見る、実感する機会が増えることで 育成が進むことができると考え、2年前からPNSの試行を始めました。挿管をしている小さい赤ちゃんがいるということで緊張感が高く、1人が背負うストレスも大きいです。これを常に2人で共に見て、考えることができると、それらのストレスを少しでも和らげられるという期待もありました。

原田:わたしは、9階西病棟でPNSを試行してちょうど1年たった昨年に副看護師長として異動してきました。病棟はPNS試行のレールがある程度が敷かれた状態だったので、試行当初の戸惑いを乗り越えていた感じでした。副看護師長という立場だけでなく、自分自身40代という年齢になって、このような専門性の高い部署に異動したということで正直不安がありました。でもPNSによって、ペアナースの看る視点やとか判断をすぐそばで一緒に体験して、ともに看護するということができ、助けられたと思っています。

高橋:新人の育成のスピードを考えると前よりも進むのが早くなったと感じていますね。2年前にきたばかりのときは、まだ育成には苦労している最中だった。元々いたスタッフの考えというか、育成する上で、『ここまでステップアップしてから』とか『できてから次へ…』というような考えの根強い壁はあったのかなと思う。ただ、実際ペアを組んでやってみるとできることが増えて、それを見た他のグループのメンバーも、今日はここを一緒にやってみようとか変わってきた。実際、挿管している赤ちゃんを受け持てるスタッフが増えるなど、成長のスピードが速くなっているなど、PNSの効果を実感できてきたのかなと思います。

藤川:わたしは、部署4年目でフレッシュパートナーをしていますが、各グループにフレッシュパートナーがいて、体制は整っています。最初に体制が変わるときは、スタッフの抵抗や戸惑いもありましたし、PNSの考え方を浸透させていくことは、中々難しかった。一つ進める度に戸惑いの声がたくさん上がって…。でも、それをPNSのコアチームで相談しながら、一つひとつ方法を検討したことで、解決に繋がっていくことができたと思います。看護技術の習得とか物を考える力とか発信力等、教育計画にある目標に達することが早くなったと思います。例えば、挿管している児を受け持てるまでのスピードとかすごく早くなったとか…。期間としては、一概には言えないけど、 今までは2年目の終わりに挿管している児を受け持つ感じだったが、個人差もあるけど1年目終わりとか、2年目の初めには受け持っています。まだ教育計画も実践しながら見直し修正している途中なので、これからまた、どんどんPNSでの育成効果が見えてくるかもしれないです。もちろん、グループ活動とかペアでの看護実践をみても底上げされていると感じます。

Q コミュニケーションについては、以前と比べて変化していますか?

藤川:PNSを導入する前までは、1人で2人の赤ちゃんを受け持つ感じで、”困ったら相談するかな…"というぐらいだったけど、今はペアとなって、今までの倍の人数を受け持つことになるので、タイムリーに情報共有しないとアセスメントもできない。常にコミュニケーションを取っていかないといけない…という意識になり、それは実践できていると思います。

Q 特に新人看護師とのコミュニケーションではどう思いますか?

藤川:2人で情報収集をして共有する時点でも、互いに不足していた部分に気付くということがある。ベテランでも新人でもそこは変わりないと思います。新人の疑問や気づきを共有して、問題を一緒に考えて解決するよう努めているので、コミュニケーションは取れていると思います。ペアを組む新人から質問を受けることで、別の視点に自分自身も気づくことがあり、わたしも成長できると感じています。

坪西:9西は既卒・異動者の人も多いし、新人さんに限らず伝えあうこと、話し合うことができてくるのかな。体制が整っていると上の人だから言いにくいということなく、コミュニケーションはとりやすいと思います。

原田:そうですね。今日一緒にペアを組み密接に共有できる相手がいることは、新人だけでなく、経験者が新しい職場に入ってくるという意味でも、すごく重要で助けになると思います。

Q PNS実行委員と、フレッシュパートナー等の連携はどのようにしていますか?

織田:フレッシュパートナーの会議に参加はしていないので、実行委員として個人的にフレッシュパートナーに情報収集をしたり、確認する感じです。

岡:係活動として、PNSとフレッシュパートナーの係があり、それぞれ会議はしている。でも、各グループにはフレッシュパートナーがいて、PNSの係もいるので、グループの中から情報得て吸収する感じですね。両会議ともに副看護師長は参加しているので、内容によって双方で情報を共有できるように伝えるなど働きかけていますね。また昨年度から副看護師長も『PNSで教育、新人を育てるということはこういうこと…』等、スタッフ全体に説明する機会も繰り返していたので、あえて連携するために会議を持たなくても既に浸透していたかもしれない。課題に応じて、実行委員も含めて検討という感じです。

原田:フレッシュパートナー会議の中では”PNSで新人を教育することはこうだよ“という理解も進んでいるから、そこに実行委員がその都度介入しなくても、困っていないのかもしれません。

岡:逆に今回困ったのはグループのメンバーが新人を育てていくことの理解ですかね。まだ時間はかかると思います。

原田:そうですね…最初はフレッシュパートナー任せじゃないけど、何となくそこに頼るようなことがあって、新しくきた新人さんがどういう人かわからないっていうのも大きかったと思います。でもフレッシュパートナーの係から『フレッシュパートナー通信』を発行するなど、フレッシュパートナーからまず皆に伝える等、新人さんの状況が把握しやすいように活動してくれた。そのことで、だんだん“新人はグループで育てるんだ!”という意識が生まれてきて、グループメンバーも新人さんにより関わることができるようになってきたと思う。このような情報を共有するシステムを活用しながら、乗り越えていけると思っています。

新人岡部ナースにインタビュー

Q 先輩とペアになって、日々PNSを実践していてどうですか

自分では気づけないこととか、考え方や動き方を学ぶ機会がすごく多いと思います。先輩がすぐそばにいるというのは心強いし、自分から発信したこともアドバイスをもらいながら、色々な方法を試していけたりするところがいいです。
先輩たちは尊敬するところばかりです。先輩たちのようになりたいな…と思って日々働いています。

 

パートナーシップ通信 vol.2(PDF:562KB)

パートナーシップ通信 vol.1

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  市立札幌病院は、2016年より、福井大学医学部附属病院で開発された看護提供方式であるPNS(パートナーシップ・ナーシング・システム)について学習を進めるとともに、数部署から試行を始め、年間パートナーや休日のペア業務など一定の取り組みを経て、2019年度より全病棟で導入しました。
導入に向けては、各部署からPNS(パートナーシップ・ナーシング・システム)実行委員を選出し、毎月テーマを決め、グループディスカッションを行う他、部署での取り組みや課題について全体会も開催しました。昨年度は、市立札幌病院パートナーシップ・ナーシング・システムガイドラインも完成し、今後はこのガイドラインを基に、各部署でパートナーシップマインドを学びながら、本格的にPNSを構築していくことができるように取り組んでいます。PNS_02.jpg

2018年度PNS実行委員全体会の様子

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  マインドの醸成に向けた取り組みとPNSに向けた業務改善の内容について発表し、ディスカッションを行いました 

 

全体会を通して、部署から多くの肯定的な意見が聞かれました

★(新人看護師から)不安な点を見守ってもらえることで安心感を持つことができた

★二人だと不安や疑問点をその場で話し合い解決できるので安心して業務を行うことができる

★ペアで動くことで、早くから多くの看護技術を体験でき、直接学べる

5階東病棟のPNS一場面

注射実施前にダブルチェック!

業務開始前の情報共有


PNS導入のポイントから
PNSの実際・研修・学生受け入れ体制等について説明しています!

パートナーシップ通信 vol.1(PDF:706KB)

 

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