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更新日:2021年2月22日

事例紹介(平成29年度)

相談事例

No

相談者

対象の子ども

相談項目

相談の概要
1

本人

小学生

家庭生活

子どもアシストセンターでは出前講座として、子どもたちが困った時に、どんなことでも相談できることを伝えるペープサート(紙)人形劇を児童会館等で行っています。

子ども出前講座を終えた翌日の午後「お姉ちゃんから意地悪をされているの・・・」と、涙声で電話を掛けてきた女の子がいました。よく話を聞くと、お母さんが仕事から帰宅するまで、姉妹で留守番をしているが、いつも姉におやつやゲームを独占されて、寂しい思いをしているという相談です。途中で姉と電話を交代し、よくよく聞くとお母さんに甘えたい気持ちを我慢し、妹に辛く当たってしまったとのことでした。二人は誰にも打ち明けることができずにいましたが、話を聞いてもらうことで、落ち着いたようでした。相談員からは、姉妹が協力してお母さんを助けてあげようねと励まし、寂しくて辛い時はいつでも電話をして良いことを伝えました。

2

本人・保護者

中学生

学校生活

母親から「別室登校や早退が続いている。行きたがらない状態に本当に困っている。」と電話相談があり、何とか登校してほしいという親御さんとしての思いが伝わってきました。しかし、一番大切な「本人がどのように感じ、それをどう考え、どうしていきたいのか」ということに関しては、「よくわからない」と答えるのみでした。そこで、本人を交えての三者面談をしました。

面談では、本人の話を聴く必要があると感じ、「二人でお話しましょうか」と提案しました。相談員と二人だけの場で本人が語ってくれたことは、「私が学校に行けないのは、クラスに馴染めないことが大きな理由ではない。自分が抱えている問題は、学校ではなくお母さんとの問題だ。私に少し時間を与えてほしい。でもお母さんは待ってくれない。毎日毎日、『学校に行かないのか。早退するな。』と言われることが辛くて仕方がない。」という内容でした。これが、彼女の今の本当の気持ちだったのです。

「お母さんに本当の気持ちを伝えてほしい」との要望を受けて、お母さんには時間をかけて、本人の語ってくれたことを話し、「焦らずに待ってあげてほしい」と伝えました。と同時に、親としての辛さや焦りにも理解を示し、これまで懸命に本人を支えてこられたことに敬意を表しました。お母さんは涙を流され、「自分が娘を追いつめていたのですね」と話され、娘さんには「こめんね。お母さんが焦っていた」と語りかけておられました。面談後、本人がホッとした表情を見せたのが印象的でした。身近にいるからこそわかる辛さもあるが、側にいるからこそ言い出せないこともある。子どもたちの心にある本当の気持ちを語れる場を作っていくのも子どもアシストセンターの役割なのだと痛感した事例となりました。

3

本人・保護者

小学生

性格行動

「孫のことで相談したい」とおばあさんから子どもアシストセンターに電話が入りました。男の子の両親は共働きで、7つ年上の兄が唯一の相談相手でした。男の子は学校の出来事や友達との悩みを毎日のように話していました。でも、その兄が今年から大学に進学し、家を出ることになったのです。一番の理解者が身近からいなくなる現実に不安を感じ、「家にも、学校にも居場所がない」と思ったようです。「誰かに相談したい」「この不安な気持ちをどうして良いか解らない」という心細い胸のうちを話してくれました。

どうしたら安心できるかをEメールや電話で話し合いました。いろいろな心配ごとを同時に考えるために自分自身で不安な気持ちを増幅してしまい、辛くなる場合が多いとわかってきました。また、相談することで自分の気持ちを相手にうまく伝えられないと感じることが多かったと、自分自身で気づけるようになってきました。

不安や心配を感じる部分を一緒に考え、何度もEメールや電話で思いをやり取りすることで、お兄ちゃんがいなくても『大丈夫』と自信を持って思えるようになったことで不安が和らぎ、Eメールでのやり取りが終わりました。

※プライバシーを守るため、事例は加工して掲載しています。

調整活動事例

No

相談者

対象の子ども

相談項目

相談及び調整の概要
1

本人・保護者

中学生

学校生活

中学生女子のお母さんから電話で相談がありました。お母さんからは、「娘が同じクラスの男子生徒から体型や成績のことで面と向かって悪口を言われ、家で毎日のように泣いている。それでも今日まで我慢して登校していたが、一週間前にクラスの女子生徒のグループとトラブルになりそれから全く学校にいけなくなった。」とのお話がありました。後日、本人がお父さん、お母さんと一緒に来所し、男の子や女の子のグループによる嫌がらせやトラブルでとても悲しい思いをしたこと、その思いを担任の先生には伝えられず苦しいことを子どもアシストセンターの相談員と調査員に話してくれました。

子どもアシストセンターの調査員が当該中学校に出向き、校長に対し本人や両親の訴えの内容を説明し、本人が登校を再開できるようにクラス内の環境を整えてもらうようお願いするとともに、それが実現するまでの間、登校することが難しくなっている生徒の学校復帰を支援する施設(相談指導教室)の利用について配慮してもらうよう依頼しました。

その後、本人は相談指導教室に通いながら心の落ち着きを取り戻しつつあるとのことでした。学校内でも担任の指導方法について改善を行い、次第に両親との信頼関係を回復しつつあり、この女子生徒の不登校の改善に向け連携しているとのことでした。
2

本人・保護者

小学生

学校生活

小学生男子のお母さんから電話で相談がありました。お母さんからは、「息子は幼少の頃に発達障がいの傾向があると診断され、定期的に通院している。小学校に入学し、特別支援学級に通い始めてからは、しばらく勉強にもついていけていたが、その後学習の遅れが目立つようになり、登校するのを渋ってなかなか朝起きてこなくなり、遅刻して登校することが多くなった。この状況を担任の先生に相談しても、『遅刻せず学校に来るように』というばかりで、私も息子もつらい」との話がありました。

後日、お母さんと一緒に来所した本人は、子どもアシストセンターの相談員と調査員に、「学校は好きで行きたいけれど、午後の授業は疲れてしまってつらい。先生にはもっと頑張れと言われるけれど無理なので、勇気を出して話をしようとするけれど、緊張して話せなくなる。」と話してくれました。

子どもアシストセンターの調査員が当該小学校に出向き、校長に対して本人やお母さんの訴えの内容を説明しました。校長からは、「担任はこの子の特性には配慮をしているが、遅刻については他の児童からも『ずるい』との声が出た。本人につらい思いをさせたことは申し訳なく思うので、一層の配慮を担任にもお願いするつもりだ」との話がありました。

その後、まだ遅刻をして登校することはあるものの、登校する日数も増え、担任と両親も信頼関係を再構築しながら本人が楽しく学校生活を送れるよう連携しているとのことでした。

※プライバシーを守るため、事例は加工して掲載しています。

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