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更新日:2023年3月1日

事例紹介(令和2年度)

相談事例

No

1.相談者

2.対象の子ども

3.相談項目

4.主な相談方法

相談の概要
1

 

1.保護者

2.高校生男子

3.いじめ

4.Eメール

高校1年生のI君から、「友達からいじめを受けています」とメール相談がありました。

子どもアシストセンターの提案でI君が担任の先生に相談すると、先生だけでなく教頭先生、校長先生もI君の手助けをしてくれるようになり、嫌がらせも徐々に減っていきました。しかし、I君は教室に入ることへの恐怖感を払拭できずにいたのです。

進級を目前に控えたころ、I君は自分の目標を叶えるため、高校を自主退学し通信制高校に再入学しましたが、その間、子どもアシストセンターでもI君の悩みに寄り添ってアドバイスを続けました。

いじめが解決されたからといって本人の学校生活や人とのかかわりが元通りになるわけではありませんが、環境を変えることで気持ちを新たにし、将来を見据えて一生懸命に進んでいくI君のサポートができたのではないかと感じる事例でした。
2

1.本人

2.高校生女子

3.子どもと教師の関係

4.LINE

高校1年生のAさんから「私は聴覚や言語に障がいがありますが、周囲の期待に応えようと無理をして体調を崩してしまい、担任の先生にいつも迷惑をかけてしまいます」とLINEで相談がありました。LINEのやり取りから、Aさんはしっかりした真面目な子であることがうかがえました。

Aさんは、障がいの影響で文字を打つには時間がかかります。さらに、体力的な面でやり取りをするのに時間が限られ、相談も途中で終わってしまうことが多く、そうしたことからも、何度もやり取りのできるLINE相談は有効な手段でした。

子どもアシストセンターの提案で、主治医の先生に相談してもらったところ、Aさん、Aさんのご両親、主治医の先生、教頭先生の4人で話をする機会が設けられました。その後、担任の先生の対応が変わり、Aさんからは「少しずつ楽になってきました。もう大丈夫だと思います。」との連絡があり、相談を終えました。Aさんからは、別の内容でLINE相談が来るようになり、現在もつながっています。

LINE相談は、若い世代にとって電話やメールよりも気軽で、相談へのハードルが低く感じられるなどの多くのメリットがある反面、口調や表情等の非言語情報が得にくいことや、一定以上の言語能力を要するため、相談者の気持ちを捉えにくく、こちらの意図も伝わりにくいこともあります。

今後、子どもアシストセンターとしてより効果的なLINE相談の在り方について、事例を重ねながら整理していけたら良いのではないかと考えています。
3

 

1.父親

2.小学生女子

3.不登校

4.Eメール、電話、面接

Bさんが学校で嫌がらせを受け始め、「学校に行きたくない」とお父さんに訴えるようになりました。そのためお父さんが担任の先生に相談し、表立ったいじめはなくなりましたが、Bさんは教室に入ることができなくなってしまいました。このような中、お父さんから「学校の不十分な対応への不満や諦めを心の中で押し殺しているのが苦しくなりました。」とEメールでの相談を受けました。

子どもアシストセンターでは改めてお父さんと電話でお話をし、その後面談を行いました。面談では、Bさんの受け答えの様子から、Bさんの教室登校への希望が強いことをBさんやお父さんと共有することができました。

そこで、教室に入ることだけにこだわり過ぎず、今後の取組について校長先生を始めとする学校の先生方と話し合ってみてはどうかと提案しました。

その後、Bさんのご両親が校長先生や教頭先生に相談をすると、先生たちがBさんに積極的に関わってくれるようになり、Bさんの表情も明るくなってきました。

子どもが自らの力で次のステップを踏めるよう支援していくためには、保護者の方の後押しをすることも大切だと改めて強く感じさせられました。

※プライバシーを守るため、事例は加工して掲載しています。

調整活動事例

No

1.相談者

2.対象の子ども

3.相談項目

相談及び調整の概要
1

 

1.本人・保護者

2.小学生

3.子どもと教師の関係

母親から「1年前から娘の同級生の保護者が、自分や娘の嫌がることを言うようになり、最近では同級生もその保護者の影響を受け娘に嫌がらせをしているようだ。学校では相手の肩を持っているように見え、子どもの安全のため転校を考えている。」との相談がありました。調査員は母子に対して、まず子どもアシストセンターから再度学校に善処を依頼するので、それから改めて対応を検討してはどうかと提案し、母子の同意を得て学校への調整活動を行いました。

調査員が当該小学校を訪問し、校長と教頭に母子の訴えの内容を説明するとともに、学校のこれまでの対応状況を確認したところ、母子と学校との認識に隔たりを感じました。このため、校長に対して再度母親と直接話し合う機会を設けることを依頼したところ、快く了承をいただきました。

後日の話し合いにおいて、改めて保護者同士で話し合う機会が設けられることが約束され、母親からは「校長が親身に話をきいてくれたのでこれまでの不安や不満が和らいだ。子どもも元気に通学できるようになったため、転校はやめることにした。」との報告をいただきました。
2

 

1.本人・保護者

2.中学生

3.いじめ

母親から「息子がいじめられたが、学校の対応に不信を持ったため安心して登校させられない。」と電話で相談がありました。後日、相談員・調査員が本人と母親と面談を行い、母子から「学校は子どもの特性を理解し、登校が再開できるよう配慮してほしい。」との意向が示されたため、調査員が学校を訪問して調整活動を行い、解決方法を検討することとしました。

調査員が当該中学校を訪問し、校長・教頭と面談を行うと、母子が学校に対して感じていることが学校側には伝わっていない様子であったため、改めて母子の意向と学校の考え方について情報共有を行いました。

まずは別室登校からでも通学を続けることが重要という点で認識が一致したため、引き続き子どもアシストセンターが学校と母子との間に入り、相互の信頼関係の回復と、本人の登校の継続を図ることとしました。

その後次第に母子と学校の関係が改善に向かい、本人も登校を続けることができるようになりました。終業式前には、本人は「学校が楽しい」と、母親は「先生方がとても良くしてくれる」と話しており、学校への厚い信頼をうかがうことができました。

※プライバシーを守るため、事例は加工して掲載しています。

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