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更新日:2023年1月6日

コラム「こんにちは、アシストです」(2023年1月号)

「素敵に歳を重ねる」~青木相談員~

日本人の平均寿命は、男性が81歳、女性が87歳と男女共に80歳を過ぎており、世界有数の長寿国です。しかし、健康で日常生活に支障なく過ごしていける健康寿命は、男性が72歳、女性は75歳と男女共に80歳を越えることが出来ていません。

80歳を心身共に健康で迎えることは、なかなか難しく、「80歳の壁」とも言われているようです。

書店に行くと、高齢者に向けての住まい方や暮らし方、健康へのアドバイスや人生のエンディングに向けての断捨離の勧めなど沢山の本が並んでおり、思わす足を止めて見てしまいます。

定年を迎えてから数年、親も他界し、自分の老後を意識しなくてはいけない年齢となったことを感じる日々です。

健康診断を受けるたびに、「汗をかくような運動をしていますか?」の問診に「いいえ」と答えることに罪悪感を感じ、毎日歩こう!と歩いてみましたが、「今日は雨だから・・・。」「今日は風が強いから・・・。」と意志の弱い私は、続けることが出来ませんでした。そこで、一念発起して、ジムに通うことにしました。

出来るだけリーズナブルな料金を・・・と考えると、日中のコースとなり、やはりこの時間帯は、圧倒的に年齢層が高いです。

でも、男性も女性もお気に入りのスポーツウエアで、プール、ランニングマシン、トレーニングマシン、スタジオでのヨガやダンスとみんな意欲的に運動しています。

コロナ感染予防からマスクをつけてのトレーニングではありますが、ひと汗かきお風呂で汗を流すと、何とも心地よく、健康になったような気分にしてくれます。

通っているうちに、必ずいつもいらっしゃる方が何人かいることに気づきました。そしてその中には、80歳半ばで、健康寿命を超えていらっしゃる方が何人もいることに驚きます。

皆さん毎日同じ時間に来館し、同じメニューをこなし、終わったら、お風呂やサウナに入り、スッキリした顔で帰って行かれます。

ある時、ロッカー室で、たまたま毎日プールで歩いているご年配の方とお会いしました。

着替えをしながら、「毎日来てらっしゃるのですね?」と声をかけると、「ええ、もう日課でしてね。このジムが開設した時から来ているんです。」とおっしゃいました。「失礼ですが、おいくつなのですか?」と聞くと、85歳とのことです。

「ここに通うようになってからは、風邪もひかなくなりました。」と話され、ジムの休館日以外の平日は、ほぼ毎日通っているとのこと。頑張っても週に2~3回しか通えていない私は、感心させられるばかりです。

その方は、ジムに通う方みんなから慕われていて、いつも誰かに声を掛けたり、掛けられたりしている様子をいつも見ていました。私は思わずその方に「素敵に歳を重ねていらっしゃいますね!」と伝えると、「ありがとうございます。いくつまで通えるかわからないけれど、来ると元気をもらえるので、頑張ります。」と話される笑顔がまた素敵でした。

歳を重ねていくたびに、「心身共に若々しくいたい。」と願っていても、現実的には加齢による体力や健康だけでなく、容姿の老化は避けられないものです。でも、いくつになっても気持ちは若々しくありたいと思っています。

「自分は若い!と本気で思うだけで、脳も身体も本当に若くなる。」と聞いたことがあり、若さを保つには、「気持ちの若々しさが大事!」と書店で立ち読んだ本にもありました。

更にそのためには、「色々な事に挑戦することが大事」とのこと。

子どもは、好奇心が旺盛で、毎日失敗を繰り返しながら新しいことを学んでいき、それが若々しさでもあります。しかし、歳を取ると、好奇心も減少し、失敗することにも臆病になってしまいます。

そんな時に、アシストセンター相談員のお仕事をさせていただけることになり、まさに新しいことへの挑戦のチャンスが舞い込んできました。そして、気力、知力、体力に不安を感じながらも、今お仕事をさせていただいています。

失敗や助けていただくことが多々あり、落ち込むこともありますが、歳を重ねることで得た経験や知識を深めると共に、新しい事も吸収していける毎日に、気持ちが少しは若くなったように感じています。

歳を重ねてきても自分の知らない事や知らない世界がまだまだいっぱいです。これからも挑戦していく気持ちを忘れずに、「私らしく素敵に歳を重ねていきたい!」そうして、ジムでお会いした方のように、人からもそう思われる生き方をしていきたいと思う今日この頃です。

相談員としての仕事も終わりに近づいています。

日々の相談で、毎日頑張ることが当たり前で、頑張れない自分に自信を失っている子どもたちに「時には逃げてもいい。」「命より大事なものはない。」「挑戦はいつからでも始められる。」ことを伝えて、コラムの終わりとしたいと思います。

 

令和5年1月1日

 

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