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更新日:2021年2月24日

コラム「こんにちは、アシストです」(2019年11月号)

「本物に会いに行く」~佐藤相談員~

10月5日、ラグビーワールドカップ2019日本大会、オーストラリアvsフィジーの試合を、札幌ドームに見に行った。今までも何度か、ラグビーの試合を札幌で見たことがあったが、さすがにワールドカップは、舞台も、試合も、観客も、ボランティアも、何もかも素晴らしく、すべてに圧倒されて、興奮の連続だった。本当に良いものを間近で見ることができて、何よりも幸せであった。おまけに、「ブレイブ・ブロッサムズ」と称される我が日本代表チームも、次々と強豪を破り、快進撃を続け、興奮の日々が、準々決勝まで続いていた。

話は変わるが、年に何回かは、札幌の地を離れて、旅行に出かけている。日々の喧騒から離れ、ストレス発散の目的もあるが、自分の中では、「本物に会いに行く旅」でもある。札幌も素晴らしい街ではあるが、札幌にいては出会えないものが、全国にはたくさんあり、感動をもたらしてくれる。

最初のきっかけは、歌舞伎だった。ずいぶん昔の話になるが、東京に行き、銀座から築地に向かう途中、不思議な建物を発見した。こんなものも知らなかったとは、今では恥ずかしい限りだが、改築前の歌舞伎座であった。「日本人だから、一度くらいは見ておこうか・・・」という軽い気持ちで、千円ほどの一幕見席のチケットを購入し、4階席から30分ほど、生まれて初めて、歌舞伎を見た。舞台からずっと遠く、花道も満足に見えない席であったが、衝撃が走った。本物しか発することができない圧倒的なオーラ、目に見えない何かに、あっという間に魅了されてしまった。

それ以来、旅行に行くたびに、短い時間でもいいから、本物に会いにいくようにしている。高校の修学旅行で、特に何も感じなかった京都や奈良は、感動の宝庫だった。上野の国立博物館は、教科書で見たものが、すぐ目の前にあった。広島や長崎では、日本人の一人として、胸を痛めた。松尾芭蕉になった気分で、立石寺にも登った。日光東照宮の陽明門は、本当に時の流れを止めた。能狂言、浄瑠璃、落語もお気に入りとなり、歌舞伎に至っては、歌舞伎会会員となってしまった。

本物に会うと、心が澄みきって、キレイになる感じがする。そして、感性が磨かれるとともに、心も癒される。やはり、何歳になっても、心を豊かにする努力は大切だと感じる。

そして、アシストセンターの対象となっている18歳までの子どもたちにも、ぜひ、たくさんの本物と出会ってほしいと願っている。

令和元年11月1日

 

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