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更新日:2021年2月24日

コラム「こんにちは、アシストです」(2019年4月号)

「子どもの頃からの夢」~飯村相談員~

僕は中学生の頃からずっと映画俳優になりたいと思っていました。そして、それは今も変わらない夢の一つです。今日は“どうして僕がそう思うようになったのか?”について少し書きたいと思います。

ほかの人よりも誕生日が遅い方(1月生まれ)だった僕は、同じ学年の人と比べて身体が小さく、生まれつき目も悪かったため、小さい頃からずっとハリーポッターのような丸くて分厚いメガネをかけて生活していました。

小学校の頃は、特別勉強が出来た訳でもなく、得意なスポーツがあった訳でもありませんでした。放課後に仲の良い友だちと自転車で出掛けたり、一緒にゲームで遊ぶのが好きな、本当にどこにでもいる普通の子どもでした。ただ、走るのだけは昔から得意だったので、毎年、運動会のリレーの選手には選ばれていました。けれども、人と競い合ったり、元々勝負事が苦手だった僕にとって、この“リレーの選手に選ばれる”という事はあまり嬉しい出来事ではありませんでした。走っている時も“絶対勝つ”という気持ちよりも“自分のせいで負けたらどうしよう?”という思いの方が強かったように思います。

高学年になるにつれ、段々と周りの人の目が気になりだし、周囲の期待に応えたくても上手く行かない自分が段々と嫌いになって行きました。そして、僕は5年生の冬休み明けから学校を休みがちになりました。当時の僕はどうして学校に行けないのか自分でも分からない状態でした。6年生はほとんど学校へ行きませんでした。

中学生になってからも友人が毎朝迎えに来てくれ、最初のうちは何とか登校していましたが、すぐにまた学校を休むようになりました。そして家の中で何もしない時間が毎日ダラダラと続いていました。

そんな中で、ある1本の映画と出逢いました。それが映画“WATERBOYS”でした。この映画は部員が一人しかいない、廃部寸前の水泳部の男子高校生(鈴木)が主人公の学園青春映画です。鈴木達はキレイな顧問の先生にそそのかされ、“シンクロナイズドスイミング”を嫌々始める事になります。鈴木達は“男なのにシンクロ!?”と他の生徒から好奇な目で見られたり、失敗を繰り返す中で何度かシンクロを辞めようとします。ただ、ひたむきに頑張る仲間の姿を見たり、シンクロをする事の楽しさを感じる中で、最後までシンクロをやり遂げます。クライマックスのシンクロシーンは圧巻ですが、それよりも僕が魅力的に感じたのは、主人公達の何気ない日常生活でした。活き活きとした俳優さん達の演技を見て「こんな楽しい学校生活が送れたらいいな」と思った事を今も鮮明に覚えています。

そして僕は2年生に進級してから、少しずつ学校へ通えるようになりました。正直、勉強は全然分からなかったので通知表は【1】か【2】しか取った事はありませんでした。ただ、学校生活は少しでも楽しもうと思い、出来るだけ学校行事には積極的に参加しました。そして、3年生の学校祭で“WATERBOYS”をモチーフにした発表をクラスで行う事が出来ました。今も“WATERBOYS”のような誰かに希望を与えられるような映画に出たいと思って毎日生活しています。皆さんはどんな夢をお持ちですか?

 

平成31年4月1日

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