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更新日:2023年3月31日

全域放出方式の二酸化炭素を消火剤とする不活性ガス消火設備に関する法令改正について

令和2年12月から令和3年4月にかけて全域放出方式の二酸化炭素を消火剤とする不活性ガス消火設備(以下、「二酸化炭素消火設備」)に起因する死亡事故が相次いで発生したことを踏まえ、消防法施行令の一部を改正する政令等が公布されました。

※なお危険物施設に設置されている二酸化炭素消火設備については、今回の改正では適用されません。

技術上の基準等の改正内容について

二酸化炭素消火設備に関する基準の追加(消防法施行規則第19条及び第19条の2関係)

技術上の基準等の改正内容

※既に設置されている二酸化炭素消火設備であっても必要となる措置があります。

改正項目

改正内容

既に設置されている

二酸化炭素消火設備

1.

起動用ガス容器

起動用ガス容器を設けること

適用されない

2.

起動装置

起動装置に緊急停止装置を設けること

3.

自動式の起動装置

自動式の起動装置は二以上の火災信号で起動すること

4.

音響警報装置

常時人がいない防火対象物であっても、自動式の起動装置を設けた場合は音声による音響警報装置を設けること

5.

閉止弁

集合管又は操作管に消防庁長官が定める基準に適合する閉止弁を設けること

適用される

閉止弁は防護区画内に人が立ち入る場合は閉止された状態それ以外は開放された状態であること

6.

標識の設置

二酸化炭素の貯蔵容器設置場所及び防護区画の出入口に、「二酸化炭素の危険性」及び「消火剤排出前は立入禁止」の旨を表示した標識を設置

7.

自動手動切替え装置

防護区画内に人が立ち入る場合は、自動手動切替え装置は手動状態に維持すること

8.

消火剤が放射された場合の人の立入制限

消火剤放出後は防護区画内の消火剤が排出されるまで、人が立ち入らないように維持すること

9.

設備の構造等を定めた図書の備え

制御盤の付近に設備の構造及び点検時等の内容・手順を定めた図書を備えておくこと

 

既に設置されている二酸化炭素消火設備であっても必要となる措置の詳細について

・閉止弁の設置(改正項目5)

・標識の設置(改正項目6)

・自動手動切替え装置(改正項目7)

・消火剤が放射された場合の人の立入制限(改正項目8)

・設備の構造等を定めた図書の備え(改正項目9)

閉止弁の設置(改正項目5)

閉止弁

法令改正により新たに「不活性ガス消火設備の閉止弁の基準」(令和4年消防庁告示第8号、以下「閉止弁の基準」という。)が定められました。

閉止弁の設置時期により適用される基準が異なりますので、ご注意ください。

詳細は下表をご確認ください。

閉止弁の設置に関する表

R5年3月31日までに設置されている二酸化炭素消火設備

R5年4月1日以降に新設する二酸化炭素消火設備

既に閉止弁が設置されているもの

R5年4月1日~R6年3月31日までに閉止弁を設置するもの

R6年4月1日以降に閉止弁を設置するもの

以下⑴~⑶の基準に適合すること。

⑴直接操作により操作する部分に、操作の方向又は開閉位置が表示されているものであること。

⑵見やすい箇所に、常時開放し点検時に閉止する旨が表示されているものであること。

⑶直接操作又は遠隔操作により操作した場合に、確実に開閉するものであること。

以下⑴~⑶を除き、閉止弁の基準に適合すること。

⑴開放及び閉止の旨の信号を制御盤に発信するスイッチ等が設けられていること。

⑵閉止の状態で閉止の旨の信号が発せられること。

⑶開放の状態で開放の旨の信号が発せられること。

閉止弁の基準に適合すること。

また、防護区画(消火剤が放射される区画)内に人が立ち入るときは、建物関係者の責任において閉止弁を閉止する必要がありますので、ご注意ください。

標識の設置(改正項目6)

二酸化炭素を貯蔵する貯蔵容器を設ける場所(二酸化炭素ボンベ庫)及び防護区画(消火剤が放射される区画)の出入口等の見やすい箇所に、次(1)(2)及びJISA8312(2021)の図A.1を表示した標識を設ける必要があります。

(1)二酸化炭素が人体に危害を及ぼすおそれがあること。

(2)消火剤が放射された場合は、原則として、放射された場所に立ち入ってはならないこと。

また、防護区画(消火剤が放射される区画)内及び防護区画(消火剤が放射される区画)に隣接する部分の出入口にも、標識の設置が望まれます。

詳細は下記をご覧ください。

標識を必ず設置しなければならない場所

1.二酸化炭素を貯蔵する貯蔵容器を設ける場所(二酸化炭素ボンベ庫)

2.防護区画(消火剤が放射される区画)の出入口等

標識(防護区画の出入口・貯蔵容器を設ける場所)

標識(防護区画の出入口・貯蔵容器を設ける場所)

JISA8312(2021)の図A.1

標識の設置が望ましい場所

1.防護区画(消火剤が放射される区画)内

 標識(防護区画内)

標識(防護区画の出入口・貯蔵容器を設ける場所)

JISA8312(2021)の図A.1

2.防護区画(消火剤が放射される区画)に隣接する部分の出入口

標識(隣接区画内)

標識(防護区画の出入口・貯蔵容器を設ける場所)

JISA8312(2021)の図A.1

自動手動切替え装置(改正項目7)

工事、整備、点検その他の特別の事情により防護区画内に人が立ち入る場合は、自動手動切替え装置は手動状態に維持する必要があります。

消火剤が放射された場合の人の立入制限(改正項目8)

消火剤である二酸化炭素が放出された場合、防護区画内の二酸化炭素が排出されるまでの間、建物関係者の責任において、当該防護区画内に人が立ち入らないように維持する必要があります。

図書の備え付け(改正項目9)

制御盤の付近に備えなければならない図書は下表のとおりです。

備え付け図書

1.

二酸化炭素消火設備の機器構成図及び系統図

2.

防護区画及び貯蔵容器を貯蔵する場所の平面図

3.

閉止弁の開閉操作手順及び手動自動切替え装置の操作手順

 

 

 

 

消防設備士等による点検の実施

消防設備士等による点検が必要である防火対象物として、新たに二酸化炭素消火設備が設けられている防火対象物が追加されます。令和5年4月1日からは、二酸化炭素消火設備が設置されている防火対象物の消防用設備の点検については、必ず消防設備士等の有資格者に点検を実施させてください。

「二酸化炭素消火設備が設置された部分又はその付近で工事等作業を行う際の事故防止マニュアル」について

二酸化炭素消火設備が設置された建物において、設置された部分又はその付近で工事等作業を行う際の事故防止策を徹底するため、建物関係者、施設部分管理者及び工事等事業者(以下「建物関係者等」という。)が事故防止策を徹底する上で基本となる閉止弁の閉止等の事故防止策に係る手順その他の必要な事項として、事故防止マニュアルが策定されました。

建物関係者等は、事故防止マニュアルを活用し、二酸化炭素の有毒性の周知や事故の再発防止に努めてください。

※「事故防止マニュアル」については、こちらをご参考ください。(消防庁ホームページ)

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