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更新日:2011年2月21日

2 市民活動の背景と役割

 市民活動は,企業や行政とともにまちづくりを支える新しい力として活発化していることに伴い,様々な役割が期待されるようになってきた。市民活動が活発化してきた背景と期待される役割としては,主に次のような点が挙げられる。

(1)活発化の背景

  • 市民ニーズの多様化
     本市を取り巻く社会・経済情勢の大きな変化の中で,市民の意識やライフスタイルなども変わりはじめ,市民ニーズが多様化してきている。これまで,社会に必要なサービスについては,主に行政や企業により提供されてきた。しかし,社会の変化とともに,機動性に富んだ柔軟なサービスが求められるようになり,行政だけでは解決が難しいものや企業活動の経済性と効率性からは対応の難しいものが出てきた。この変化する市民ニーズに対応しようとする市民の使命感の高まりは,機動性などの特性を生かした様々な活動の展開を促すようになってきた。また,市民活動は,活動の理念と市民ニーズが一致すれば先駆的・実験的にサービスに取り組むことができ,こうした特性も活発化の要因となっている。

 

  • 核家族化や高齢社会の進行
     核家族化の進行などによる,家庭における育児や教育の困難さや,表面化している不登校やいじめなど次代を担う子どもたちを取り巻く諸問題に対して,地域で取り組んでいく必要性が高まってきた。
     また,高齢社会の進行に伴い,介護保険制度などの公的サービスの対象として想定していない,高齢者やその家族からの多様かつきめ細かいニーズに対応することができる市民活動への期待が高まっている。

 

  • 地方分権の進展
     地方分権の進展に伴い,これからのまちづくりは,地域の実情を踏まえ,様々な分野で主体的な公益活動を展開している市民や市民活動団体と連携を図っていくことが重要となっていく。こうした地方分権の流れを受け止め,市民の中にまちづくりへの積極的な参加意識が高まりつつある。

 

  • 情報化の進展
     インターネットに代表される情報通信技術の急速な発展・普及は,市民活動に大きな影響を与えている。特にインターネットの普及により,様々な市民活動の連携や市民活動に必要な質の高い情報の入手が容易にできるようになったことは,活発化してきた大きな要因となっている。

 

(2)期待される役割

  • 21世紀のまちづくりの担い手
     市民自らが主体的に活動する市民活動は,先駆性や柔軟性など様々な特性を持っており,これらを生かしながら企業や行政と連携・協働し,これからのまちづくりの担い手となることが期待される。

 

  • 社会に必要なサービスを提供する新しい力
     市民活動は,市民の意識やライフスタイルなどの変化とともに変わりはじめた市民ニーズに対して,社会に必要なきめ細かなサービスを提供していくことができる新しい力として期待される。

 

  • 新たな地域コミュニティの構築
     人とのつながりや地域への帰属に対する意識など社会環境の変化の中で,福祉活動や環境活動など地域の課題解決に向けた行動を起こそうとする市民活動が活発化している。このような市民活動と地域の基礎的な役割を担う住民組織とが共通認識のもとに連携することが,より住みよいまちづくりのための新たな地域コミュニティ構築のために重要となる。

 

  • 個人の力と可能性を引き出す
     市民一人ひとりが持っている知識や経験,アイディア,エネルギーなどは,市民活動を通じて結集することで,まちづくりの様々な分野に生かされる。

 

  • 自己実現の場を提供する
     市民活動は,活動を通じて生きがいや自己実現など精神的充足感を与えることができる。また,市民活動は,それに参加する個人に,様々な人との出会いやふれあいの場を提供し,個人が地域や社会とつながる社会参加の場として重要な役割を果たす。

 

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