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皆さんは「大人になること」とはどのようなことだと思いますか。普段は親や兄弟、親戚など身近なモデルがいるので「大人になること」をテーマに話すことってなかなかないのではないかと思います。僕自身の遠い記憶だと親から「仕事をして税金を払うこと」ということばが返ってきた記憶があるくらいです。この言葉には歳をとればとるほど疑問が多くなるばかりでした。就職してからしばらくたって、「仕事をして税金も払っているけど、職場の中でも中高生のときのようなトラブルはあるし、いじめのようなハラスメントもあるじゃないか。僕の大人のイメージとは全然違う。」と素直に感じたのを覚えています。
「大人になること」には必ず「自立」というキーワードがついてまわります。厳密な定義はわかりませんが「仕事をして税金を払えること」とは経済的な自立や社会的な自立の話をしていたのだと思います。そして、おそらく学生の頃の僕が聞きたかったのは「精神的な自立」や「精神的に成熟した人間としての大人」だったのだと思います。
アシストで仕事をしていると「大人になること」のイメージを考えさせられますが、最近自分にしっくりくる言葉を偶然テレビでみつけました。それはお笑い芸人のみやぞんさんの「自分の機嫌は自分で取る、他人にとってもらおうとしない」という言葉です。いつも笑顔でいろいろなことに挑戦するみやぞんさんの言葉がグサッと刺さり、今もじわじわと僕の心に定着しています。
「自分の気持ちをわかってほしい」、「どうして皆わかってくれないのか」とイライラし、それを他人にぶつけてしまって後悔することはありませんか?僕はあります。(笑)不機嫌な自分の感情をついつい他人にぶつけて余計に状況が悪くなる、さらにイライラして悪循環になり…みたいな感じです。この状態はいじめや虐待、DVを背景にした相談の中にもたくさんでてくることがあります。振り返ると人はそもそも他人に機嫌をとってもらいながら成長する生き物だと思います。赤ちゃんの頃は泣くと親が悪戦苦闘して機嫌を取ってくれるし、大きくなっても不機嫌でいると誰かが話を聞いてくれたり、一緒にいてくれたりした経験が少なからずあります。この環境から巣立ち、初めて精神的な自立につながるのではないかと最近思います。
「イライラの対象から距離をとる」、「別なことに没頭する」、「客観的に起こっていることをみてみる」、「自分の気持ちを優しく相手に伝えてみる」、「苦手なことを克服する」などいろいろな方法があると思いますが、「相談する」ことも大事な方法の1つです。それだけで機嫌がよくなることもあるし、次の方策がみつかることもあります。皆さんも自分の心の中に「どうして皆わかってくれないのか」と思ったとき、いつもどういう方法で自分の機嫌をとるのか振り返ってみてください。相手を傷つけてしまっていたり、うまくできないと思ったりしたときはぜひアシストへ。一緒に大人になることについて考えていきましょう。
令和3年9月29日
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