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更新日:2025年9月16日

市営霊園管理料導入の背景について

1. 札幌市営霊園の概要

札幌市には、平岸霊園、里塚霊園、手稲平和霊園の3か所の市営霊園があります。

平岸霊園

里塚霊園 手稲平和霊園
【平岸霊園】
・開設年:昭和16年
・墓所数:12,599区画
・敷地面積:276,939㎡
【里塚霊園】
・開設年:昭和41年
・墓所数:26,574区画
・敷地面積:661,997㎡
【手稲平和霊園】
・開設年:昭和48年
・墓所数:2,963区画
・敷地面積:78,696㎡

これまで市営霊園では、使用開始時に占用部分となる墓所区画の使用に係る墓地使用料と、園路など共用部分の維持管理に係る清掃手数料を納めていただいておりました。

【これまでの料金】
  墓地使用料 清掃手数料
4㎡の区画の場合 204,800円(1㎡あたり51,200円) 25,800/㎡×使用面積
16㎡の区画の場合 1,473,600円(1㎡あたり92,100円)

2. 市営霊園の維持管理

市営霊園では、墓地の使用開始時に納めていただいた清掃手数料を基金に積み立て、資金運用により得た運用益を元手に維持管理を行ってきました。

【維持管理の例】

草刈り

草刈り

危険樹木の伐採

危険樹木の伐採

石垣の修繕

石垣の修繕

花壇の植え込み

花壇の植え込み

春彼岸前の除雪

春彼岸前の除雪

お盆時期の交通整理

お盆時期の交通整理

3. 市営霊園の課題

(1) 維持管理費の増加

いずれの市営霊園も開設から50年以上が経過し、園内構築物や管理事務所等の老朽化が進んでいます。また、樹木の繁茂による倒木や危険木の伐採等が増えており、物価上昇も重なって維持管理費用が次第に増加しております。また、園内のバリアフリー化も進んでおらず、段差や手すりのない階段が多く存在しています。このため、構築物の修繕や管理事務所の建替え、バリアフリー化などのため、今後、多額の費用を要すると見込まれています。

老朽化した階段

老朽化した階段

倒れかけた樹木

倒れかけた樹木

手すりのない階段

手すりのない階段

(2) 基金残高の減少

一方で、長く続く低金利政策などにより、基金の運用益が少なくなっており、近年は基金の原資を取り崩さざるを得ない状況が続いています。

現行制度では、維持管理の費用が不足しても追加徴収する仕組みがなく、このまま基金を取り崩し続けると、令和21年(2039年)には基金が枯渇してしまう見通しです。

 

【図 基金の推移】
基金の推移

(3) 無縁墓の増加

現在の制度では、霊園の使用者と定期的に連絡を取る機会がないため、無縁化に陥りやすく、無縁化が疑われるお墓が増加しています。

無縁化が疑われるお墓

無縁化が疑われるお墓

無縁化対策の看板設置

無縁化対策の看板設置

 

 

料金制度改定までの検討

1. 札幌市火葬場・墓地のあり方基本構想

札幌市の最上位計画である「札幌市まちづくり戦略ビジョン」の方向性を踏まえた保健福祉分野の個別計画の一つで、葬送に関するビジョンやその実現に向けた施策の方向性を示すものとして、令和2年3月に「札幌市火葬場・墓地のあり方基本構想」を策定しました。この中で定めた基本目標③「少子高齢社会に対応した持続可能な墓地を実現します」に関する施策の方向性として、次の4項目を設定しました。

◆事業者との協働により市民の墓地ニーズに対応します。
◆市営霊園の無縁墓対策を進めます。
◆安全で利用しやすい市営霊園へ改善します。
◆市営霊園と旧設墓地の使用に係る費用負担のあり方を見直します。

2. 札幌市火葬場・墓地に関する運営計画

札幌市火葬場・墓地のあり方基本構想に基づき、火葬場・墓地の問題解決のため「札幌市火葬場・墓地に関する運営計画」を令和4年3月に策定し、取り組みを具体化しました。

この中で、「市営霊園の新たな管理料制度」を重点項目とし、霊園基金の収支を改善し、安定的かつ永続的な運営を継続するとともに、墓の無縁化を抑制するような制度として、新たな料金制度について令和8年度からの運用開始を見据えて検討することとなりました。

3. 新たな料金制度の検討

(1) 徴収頻度

これまでの清掃手数料は、使用開始時に20年分相当を一括で納めていただいておりましたが、仮に管理料を20年に1度の徴収とした場合、支払年度の負担が突出して重くなることから、お支払いの負担が平準化するよう毎年1回として検討を進めました。

また、毎年、納入のお知らせをお送りすることで、使用者の転居などをいち早く把握し、必要な手続きを案内することにより無縁化の抑制にもつながると考えました。

他の政令市においても、多くの都市が年1回の徴収としています。

(2) 徴収単位

それぞれの墓所区画内の清掃・修繕は使用者の皆様自身で行っていただいており、市は共用部分の維持管理のみ行っています。

これまでの清掃手数料は、使用する区画の面積に応じた金額を徴収しておりました。しかし、共用部分の維持管理費用は、区画の面積に応じて変動するものではないことから、管理料は全区画共通の金額とし、区画単位で徴収することとして検討を進めました。

(3) 金額について

管理料の金額は、今後20年間で必要と見込まれる経費を、年数及び区画数で割った額として算出する方法で検討を進めました。

4. 管理料制度が決定するまでの経緯

(1) 市民議論(令和6年6月から7月)

◆広報さっぽろ6月号7月号への記事の掲載
◆市営霊園使用者意見交換会の開催(6月20日、23日)
◆葬送と終活を考えるシンポジウムの開催(7月6日)
◆葬送と終活を考えるパネル展の開催(7月12日、13日)
◆ホームページや郵送によるご意見募集(広報さっぽろ6月号掲載時~7月19日まで)

(2) パブリックコメント実施

令和6年11月15日から12月16日までの間、料金制度の見直し案について意見募集を実施しました。
(広報さっぽろ12月号にお知らせを掲載。)
 

(3) 条例改定の議決

令和7年第1回札幌市議会定例会において、札幌市墓地条例の一部を改正する条例案が可決されました。(令和7年3月28日可決、令和8年4月1日施行)

 

 

今後の料金制度について

1. 管理料について

従前の「清掃手数料」の名称を「管理料」に改め、使用開始時に20年間分を一括徴収していたものを、毎年一回の徴収に変更しました。これにより、使用開始時に一括徴収していた清掃手数料は、今後徴収いたしません。

令和8年度からは、市営霊園の墓地使用開始から20年間を経過した区画の使用者及び今後新たに使用を開始する区画の使用者から毎年納入していただくこととなりました。

なお、使用開始時の「使用料」については変更はありません。

対象 墓地使用許可取得後20年を経過した区画の使用者
金額 1区画につき年間 6,800円

※管理料6,800円の算定根拠については、こちらをご覧ください。
<<市営霊園管理料の算定根拠について>>

 

2. 徴収の開始時期について

管理料の徴収は令和8年度から開始いたします。

なお、再公募により使用開始した区画については、使用開始から20年経過した年度の翌年度からの徴収となります。

【再公募区画の徴収開始年度】
再公募実施年度 徴収開始年度
平成7年度(1995年度)

令和8年度(2026年度)

平成19年度(2007年度) 令和10年度(2028年度)
平成22年度(2010年度) 令和13年度(2031年度)
平成25年度(2013年度) 令和16年度(2034年度)

平成28年度(2016年度)

令和19年度(2037年度)

令和2年度(2020年度) 令和23年度(2041年度)
令和5年度(2023年度) 令和26年度(2044年度)

 

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このページについてのお問い合わせ

札幌市保健福祉局ウェルネス推進部施設管理課

〒060-0002 札幌市中央区北2条西1丁目1番地7 ORE札幌ビル7階

電話番号:011-211-3518

ファクス番号:011-211-3521