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更新日:2024年4月18日

さっぽろ未来市民ストーリーズ エコカーのメリットを最大限生かすために

著者

安藤さん安藤純一(あんどう じゅんいち)さん
一般社団法人日本自動車連盟(JAF)札幌支部 事業課事業係長

2022年入社後、ロードサービス隊員、救助受付コールセンターに勤務。現在は事業課において、主に広報・モータースポーツ・外国免許証翻訳などを担当

エコカーのメリットを最大限生かすために

エコドライブの基本

細かな運転操作の違いはありますが、EV(電動車)やハイブリッド車などのエコカーも、ガソリン車もエコドライブの基本は同じです。車が最もエネルギーを消費するのは発進後、制限速度まで加速する段階です。加速時の走行を滑らかにすることで、ムダのないエネルギーの使い方=CO2排出量の抑制がかなりできると思います。

エコドライブ10のすすめ

JAFでは次の10項目を「エコドライブのすすめ」としてご紹介しています。このうちいくつかでもできる範囲でトライしていただき、少しでもムダを省くことにつながればと思います。

  1. 自分の燃費(電費)を把握しよう
    自分のエコドライブ効果が実感できます。
  2. ふんわりアクセル「eスタート」
    最初の5秒で時速20km程度が目安。やさしい発進により10%程度燃費が改善。
  3. 車間距離にゆとりをもって、加速・減速の少ない運転
    ムダな加速・減速が多くなると、市街地で2%程度・郊外で6%程度燃費が悪化。
  4. 減速時は早めにアクセルを離そう
    エンジンブレーキが作動し、2%程度燃費が改善。
  5. エアコンの使用は適切に
    車のエアコン(A/C)は車内を冷却・除湿する機能です。暖房のみ必要な時はエアコンスイッチをOFFにしましょう。
  6. ムダなアイドリングはやめよう
    10分間のアイドリング(エアコンOFFの場合)で、ガソリン車の場合は130cc程度の燃料を消費。また、現在の乗用車は基本的に暖機運転不要、マイナス20℃程度など特別な状況以外は走りながら暖めるウォームアップ走行で十分。
  7. 渋滞を避け、余裕をもって出発しよう
    1時間のドライブで道に迷い10分余計に走行すると、17%程度エネルギー消費量が増加。
  8. タイヤの空気圧から始める点検・整備
    エンジンオイル、オイルフィルター、エアクリーナエレメントなどの定期的な交換でも燃費が改善。
  9. 不要な荷物はおろそう
    100kgの荷物を載せて走ると、3%程度も燃費が悪化。
  10. 走行の妨げとなる駐車はやめよう
    他の車の燃費を悪化させ、交通事故の原因にも。

車の流れを乱さないことも大事

いくらエコドライブといえど、周囲の車の流れを無視して低速走行を維持するのは考えものです。自分の車だけ燃費がよくなっても、周囲の車は悪化。結果、全体としてはCO2を多く排出することになります。

冬は大きな道を選んで走行

除雪が行き届いていない道に入って埋まってしまうと、抜け出すまでに時間がかかり、電気やガソリンなどの消費量が増え、CO2排出量の増加につながります。仮にナビシステムが中道へ行くように示したとしても、できるだけ大きな道を選ぶのが賢明です。

安全運転につながるエコドライブ

エコドライブは環境やお財布にやさしいだけでなく、安全運転にもつながりますので、ぜひ心がけていただければと思います。

タイヤの空気圧

EV、ハイブリッド車のポイント

次に、CO2排出量の削減につながるEVやハイブリッド車のメリットを最大限に活かすために知っておきたいポイントをご紹介しましょう。

EVの場合

  • 勢いよく簡単に加速するという特徴があります
    EVの特徴として“加速の力強さ”があります。加速が非常によいため、思わずアクセルを踏み込みたくなる方もいると思いますが、そうすると効率が悪くなり、電費が下がる原因になります。結果、充電回数が増えるなど電気を多く使うことになってCO2の排出につながり、脱炭素に貢献する車としてのメリットを最大限活かすことができなくなります。あくまでも“加速は滑らかに”が大切です。
  • 冬のヒーターは電気を多く消費します
    実際にEVに乗られている方は「ヒーターを入れたら、なんだかメーターの減りが早いな」と実感されていると思います。といって、寒さを我慢しながら運転するわけにもいきません。そういう特徴があるということを知って、ガス欠ならぬ“電欠”(駆動用電池切れ)にならないようにご注意ください。
  • 走行パターンごとのポイント
    以下の表を参考に運転操作を工夫してみてください。特に電費に関わるのはTip1と2です。

Tip1

発進時

アクセルは徐々に踏み込んで、スムーズに加速しましょう。

急発進は電費悪化の原因となります。ふんわりアクセルでやさしく発進。

Tip2

走行時

スピードを出し過ぎないことがエコドライブのポイント。

EVはガソリン車と異なり、速度が上がるほどエネルギー効率が悪くなる傾向にあります。

Tip3

減速時

早めのアクセルオフで回生ブレーキを活用。

減速時は駆動用バッテリーを充電するチャンスです。

Tip4

停車時

車が停まっているときにもできるエコドライブ。

長い時間停車する時はエンジンオフを習慣に。

※エンジンスイッチがOFF(エンジンキーがOFF)では、エアバッグ・ウインカーなどの電装品は作動しません。

ハイブリッド車の場合

  • モーターを最大限に活用しましょう
    ハイブリッド車は電気モーターで駆動するため、ある程度の速度まではできるだけモーターの力を活用すると、効率がよくなります。
  • 走行パターンごとのポイント
    EV同様、Tip1と2が特に心がけたいポイントです。

Tip1

発進時

30km/h程度まではアクセルをゆっくり踏み、電気モーターで加速。

アクセルを強く踏み込むとガソリンエンジンが作動してしまいます。

Tip2

走行時

目標速度に達したタイミングで、一度アクセルから足を完全に外します。

電気モーターでの走行に切り替えます。

Tip3

減速時

早めのアクセルオフで回生ブレーキを活用。

減速時は駆動用バッテリーを充電するチャンスです。

Tip4

停車時

車が停まっているときにもできるエコドライブ。

長い時間停車する時はエンジンオフを習慣に。

※エンジンスイッチがOFF(エンジンキーがOFF)では、エアバッグ・ウインカーなどの電装品は作動しません。

ハイブリッド車のエンジンの稼働図
早めにアクセルを戻し、やさしくブレーキを踏むことで、モーターで発電した電力がバッテリーに充電され、次の発進・加速時に再利用するので燃費がよくなる
出典:資源エネルギー庁「エコドライブ10のすすめ」/掲載の図は、原図をもとにイラスト化したものです

EVの増加に備えて充電サービスを試験運用

札幌市の次世代自動車の保有台数「2035年までに新車販売で電動車100%を実現する」という政府方針が2021年に示されました。現状、EVへの救援出動はまだそう多くはありませんが、年々増加の傾向にあります。こうした状況を受け、JAFの新しいロードサービスとして2023年8月1日から、電欠したEVに充電を行うサービスの試験運用を開始しました。札幌でも準備を始めており、まもなく試験運用が開始されます。

今は、電欠したEVや水素切れした燃料電池車は補給場所までレッカー移動していますが、このサービスが運用されると、EVに関しては近くの充電ステーションまで走れるくらい急速充電を行い、自走していただけるようになります。

充電ステーションは自動車ディーラーや大型ショッピングセンターなど、特に札幌のような都市部では件数も多く、普及してきています。こうした環境の整備も含めて、今後ますます増加が見込まれるEV。脱炭素に貢献する車というそのメリットを最大限に活かすためにも、エコドライブを心がけていただければと思います。

電欠に対応した「EV充電サービス」を試験運用中
電欠に対応した「EV充電サービス」を試験運用中

冬のロードサービス作業
冬のロードサービス作業

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札幌市環境局環境都市推進部環境政策課

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