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更新日:2025年10月8日
放射線治療は、X線や電子線などの放射線を使って、腫瘍などの病気を治す方法です。ケロイドなどの良性の病気から、がんなどの悪性腫瘍まで、幅広く対応できます。治療期間は病気の種類や状態によって異なりますが、1日だけで終わるものから、20日ほどかかるものまでさまざまです。治療中は、放射線を正確にあてるために、体を固定する道具を使ったり、照射位置の目印としてマーカーを体に付けることがあります。これらは安全に治療を進めるための工夫で、痛みを感じることはほとんどありません。手術とは違い、体のかたちや働きを保ちながら、通院でも治療を受けられるのが特徴です。
当院で治療に用いている放射線は高エネルギーX線と高エネルギー電子線であり、腫瘍の場所や大きさに合わせて放射線の種類とエネルギーを決定し、体の外側から放射線を照射して治療を行っています。2014年には、放射線治療機器(リニアック)を中心とした高精度放射線治療システムを導入し、より精密な治療が可能になりました。IMRT(強度変調放射線治療)やVMAT(回転式強度変調放射線治療)、IGRT(画像誘導放射線治療)、SRT(定位放射線治療)など、さまざまな方法を取り入れています。さらに2021年には、複数の脳転移に同時に照射できる「HyperArc」も導入し、より幅広い治療に対応できるようになりました。
当院ではリニアックと呼ばれる高精度放射線治療装置が2台稼働しています。
明るく清潔感があり、落ち着く治療室です。
VARIAN社製
X線 4MV, 6MV 6MV(FFF)
電子線 6 , 9 , 12, 16MeV
主に頭頚部、肺、腹部、前立腺・子宮などの骨盤領域を治療しています。高精度放射線治療の定位照射(SRT、SRS)、強度変調放射線治療(IMRT、VMAT)、画像誘導放射線治療(IGRT)、呼吸同期照射などの他、HyperArcが可能です。
VARIAN社製
X線 6MV, 10MV
電子線 4 , 6, 9, 12, 16MeV
主に頭頚部、乳房、肺、腹部、骨盤領域を治療しています。また、皮膚等に対する電子線照射も行っております。高精度の放射線治療の定位照射(SRT、SRS)、強度変調放射線治療(IMRT、VMAT)、画像誘導放射線治療(IGRT)、呼吸同期照射などが可能です。
GE社製 16列CT
治療計画のためのCT撮影を行います。通常のCTとは異なり、寝台が実際の治療装置と同様の硬く平らな寝台を使用しており、固定具などの作成もここで行います。
青空をイメージした、広い検査室です。
VARIAN社製
放射線治療医同席のもと、治療計画のための透視や撮影を行います。