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妊娠を望み1年以上夫婦生活を営んでいても妊娠に恵まれない場合を、不妊症といいます。
避妊をしなければ1年以内に約80%のカップルに、また2年以内には約90%のカップルに妊娠が成立します。
不妊症は、10組に1組の夫婦にあると言われています。
女性側に原因がある場合(排卵因子、卵管因子、子宮因子、頸管因子、免疫因子等)と、男性側に原因がある場合(造精機能障害、精路通過障害、性機能障害等)の頻度はほぼ同じです。
その他、双方に原因がある場合、いろいろな検査によっても原因がわからない場合もあります。
一般的な治療には、タイミング療法、各種ホルモン療法、人工授精、男性不妊に対する薬物療法や手術療法、子宮や卵管の手術療法等があり、これらの治療で妊娠しない場合や、不妊の原因によっては、体外受精・顕微授精等の治療が行われます。
不妊治療を行うかどうか、また、どの治療方法を選択していくかは、ご夫婦でよく話し合って決めていくことが大切です。
<女性の年齢と妊娠のしやすさの話>
女性は年齢を経ると、妊娠のしやすさが徐々に低下します。
妊娠のしやすさは、一般的に、30歳を過ぎる頃から低下し、30代後半から低下の速度が速まります。
結婚年齢が上昇している現代では、女性の年齢とともに妊娠する確率が低下することを考慮し、なかなか妊娠しない場合や気になることがある時は、早めに専門医に相談されてみると良いでしょう。
世界保健機関(WHO)がまとめた調査では、女性のみに原因がある場合は41%、男性のみは24%、男女両方に原因がある場合も24%となり、不妊夫婦の半数近くは男性に原因があることがわかります。
【男性側の不妊原因】
(1)造精機能障害
(2)精路通過障害
(3)性機能障害
【男性不妊の検査】
(1)精液検査
(2)泌尿器科検査 ※精液検査で異常を認めた場合に行います。
1.診察
2.内分泌検査
3.染色体・遺伝子検査
4.その他の検査(精子の機能を調べる検査、射精管等の形態を調べるMRI、精巣での精子形成の状態を詳しく調べる精巣生検、勃起能力を調べる検査等)
【男性不妊治療費助成】
札幌市では、男性不妊治療費の一部助成を行っています。
詳しくはこちらへ 男性不妊治療費助成について
妊娠しても、流産を繰り返したり、死産になってしまったりすることを不育症と呼んでいます。一般的には2回連続した流産・死産があれば不育症と診断されています。
流産は全妊娠の10~20%に起こるとされています。妊娠歴のある女性のうち約40%に流産の経験があることも明らかとなっています。
ただし、不育症の方も、適切な治療を行うことで出産することができます。
不育症なのかも、という疑いを持ったら、早期に受診し、治療を開始することをお勧めします。
妊娠初期の流産原因の大部分は、 胎児(受精卵)の偶発的な染色体異常とされていますが、流産を繰り返す場合には、流産のリスクが高まる「リスク因子」を持っている場合があります。
様々なリスク因子がありますが、リスク因子がある場合でも、100%流産するわけではないので、「原因」ではなく「リスク因子」と表現しています。
不育症の治療
検査で見つかったリスク因子に対して治療を行います。内科疾患やホルモン分泌異常が見つかった場合には、その治療を行います。凝固因子異常や抗リン脂質抗体症候群では、抗血栓療法(アスピリン内服やヘパリン注射)を行う場合もあります。リスク因子が不明の場合には、積極的な治療をしない経過観察やカウンセリング等を行います。
検査や治療等については、十分に担当の医師にご相談し、納得のいく検査や治療を受けることが大事です。
不育症について(厚生労働省研究班のホームページ)
「なかなか妊娠しない」、「不妊治療を受けようか迷っている」、「どのような検査・治療をするのか聞いてみたい」、「不妊に関して、いろいろな情報を聞きたい」、「不妊に関する悩みを聞いてほしい」、「周囲に理解してもらえない」、「妊娠はするけれども、流産を繰り返してしまう不育症」等、不妊専門相談センターでは、専門の医師やカウンセラーによる面接相談を行っておりますので、ご利用ください。
なお、ご相談はお一人でも、ご夫婦でも可能です。お気軽にご相談ください。
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