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更新日:2023年1月4日

もりあおがえるのおひっこし

  • 絵・文:和田 雄次
  • あらすじ:もりあおがえるのベルとチコが育てた卵は、巣の中でオタマジャクシになり、池の水に入るとやがてカエルになります。しかし、人間が宅地開発のため、池を埋め立てることに。慌てるベルとチコを心配した周りの動物たちは、森のシロジーに相談します。

※札幌市が平成26年度に開催した「第1回生物多様性さっぽろ絵本コンテスト」の優秀賞受賞作品


もりあおがえる01

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もりあおがえる02

「フー。やっとできたね」
もりあおがえるのベルとチコはきにぶらさがっているすをみながらうれしそうです。
たまごからかえったオタマジャクシは、いけにおちて、カエルになるのです。

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もりあおがえる03

でも、ときどきおなかをすかしたへびのヤマカガシやイタチが、ベルやチコをたべようとおそってくるので、きをつけなくてはいけません。

あるひ、へびのヤマカガシがベルとチコにおそいかかってきました。
「あぶない!」
「たすけてー!!」
ベルとチコは、ひっしににげます。

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もりあおがえる04

そらからみていたトビのショータが、ものすごいいきおいでとびおりてきました。
「こらー!!」
ショータは、ヤマカガシのくびをつかみ、とおくへとばしました。
「あー、たすかった。しぬかとおもった。ショータ、ありがとう」
ベルとチコはほっとしました。

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もりあおがえる05

でも、もっとこまったことがおこりました。
にんげんが、いえをたてるため、いけをうめたてることになったのです。
あるひ、ブルドーザーがやってきていけをうめたてはじめました。
いけがなくなると、オタマジャクシはカエルになることができません。
「うー!こどもたちがしんじゃうよ」
ベルとチコは、ただみているしかありません。

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もりあおがえる06

すずめのチュンスケたちが、しんぱいして、やってきました。
「これはたいへんだ。なんとかしないと」
「トビのショータが、たすけてくれるよ」
すずめたちは、おおいそぎでショータのところへとんでいきました。

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もりあおがえる07

「みずのあるところへひっこすのが、いちばんよいほうほうだね」
すずめたちのはなしをきいたショータは、そうおもいました。
「もりのシロジーにそうだんしよう」
そういうと、いそいでとんでいきました。

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もりあおがえる08

「シロジーのもりに、もりあおがえるのベルとチコとたまごをつれてきたいんだけど・・・」
ショータは、ふくろうのシロジーにたのみます。
「よし、しんぱいするな。ここへつれてきなさい」
シロジーはこころよくひきうけてくれました。
「ありがとう!シロジー」
れいをいうと、ショータは、おおいそぎで、ベルとチコのところへとんでいきました。
もう、たまごがオタマジャクシになるかもしれません。

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もりあおがえる09

「これからひっこしだ。しっかりつかまってろよ」
ショータは、きのえだをおって、くちばしでくわえると、とびたちました。
「ワー!そらをとんでる!こわいけどおもしろいな~」
ベルとチコのはじめてのそらのたびです。

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もりあおがえる10

「さあ、ついたよ」
「おー、よくきた」とシロジーもうれしそうです。
とおくはなれたシロジーのもりは、しぜんがいっぱいです。
「これで、こどもたちもぶじです。よかった、よかった。ありがとう」
ベルとチコは、ひとあんしんです。
やがて・・・
たまごからかえったオタマジャクシは、つぎからつぎへといけにおちて、およぎはじめました。

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もりあおがえる11

「ショータ、シロジー、すずめたち、たすけてくれて、ほんとうにありがとう」
ショータは、もうそらのうえです。
オタマジャクシは、げんきにおよぎまわっています。
「しぜんを、たいせつにしなくては・・・」
シロジーは、ぽつりとつぶやきました。

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もりあおがえる12

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