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※札幌市が平成26年度に開催した「第1回生物多様性さっぽろ絵本コンテスト」の優秀賞受賞作品。
「フー。やっとできたね」
もりあおがえるのベルとチコはきにぶらさがっているすをみながらうれしそうです。
たまごからかえったオタマジャクシは、いけにおちて、カエルになるのです。
でも、ときどきおなかをすかしたへびのヤマカガシやイタチが、ベルやチコをたべようとおそってくるので、きをつけなくてはいけません。
あるひ、へびのヤマカガシがベルとチコにおそいかかってきました。
「あぶない!」
「たすけてー!!」
ベルとチコは、ひっしににげます。
そらからみていたトビのショータが、ものすごいいきおいでとびおりてきました。
「こらー!!」
ショータは、ヤマカガシのくびをつかみ、とおくへとばしました。
「あー、たすかった。しぬかとおもった。ショータ、ありがとう」
ベルとチコはほっとしました。
でも、もっとこまったことがおこりました。
にんげんが、いえをたてるため、いけをうめたてることになったのです。
あるひ、ブルドーザーがやってきていけをうめたてはじめました。
いけがなくなると、オタマジャクシはカエルになることができません。
「うー!こどもたちがしんじゃうよ」
ベルとチコは、ただみているしかありません。
すずめのチュンスケたちが、しんぱいして、やってきました。
「これはたいへんだ。なんとかしないと」
「トビのショータが、たすけてくれるよ」
すずめたちは、おおいそぎでショータのところへとんでいきました。
「みずのあるところへひっこすのが、いちばんよいほうほうだね」
すずめたちのはなしをきいたショータは、そうおもいました。
「もりのシロジーにそうだんしよう」
そういうと、いそいでとんでいきました。
「シロジーのもりに、もりあおがえるのベルとチコとたまごをつれてきたいんだけど・・・」
ショータは、ふくろうのシロジーにたのみます。
「よし、しんぱいするな。ここへつれてきなさい」
シロジーはこころよくひきうけてくれました。
「ありがとう!シロジー」
れいをいうと、ショータは、おおいそぎで、ベルとチコのところへとんでいきました。
もう、たまごがオタマジャクシになるかもしれません。
「これからひっこしだ。しっかりつかまってろよ」
ショータは、きのえだをおって、くちばしでくわえると、とびたちました。
「ワー!そらをとんでる!こわいけどおもしろいな~」
ベルとチコのはじめてのそらのたびです。
「さあ、ついたよ」
「おー、よくきた」とシロジーもうれしそうです。
とおくはなれたシロジーのもりは、しぜんがいっぱいです。
「これで、こどもたちもぶじです。よかった、よかった。ありがとう」
ベルとチコは、ひとあんしんです。
やがて・・・
たまごからかえったオタマジャクシは、つぎからつぎへといけにおちて、およぎはじめました。
「ショータ、シロジー、すずめたち、たすけてくれて、ほんとうにありがとう」
ショータは、もうそらのうえです。
オタマジャクシは、げんきにおよぎまわっています。
「しぜんを、たいせつにしなくては・・・」
シロジーは、ぽつりとつぶやきました。
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