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更新日:2021年9月28日

臨床工学科について

 臨床工学技士は、昭和62年に国家資格として誕生し、比較的歴史の浅い医療資格で、治療領域における生命維持管理装置の操作及び医療機器の保守点検を主たる業務とし制定されました。当院では、平成16年度より単科として独立部署となり、現在14名の臨床工学技士(CE:Clinical Engineer 以下CE)が勤務しています。
 現在勤務している臨床工学技士はそれぞれ体外循環技術認定士、呼吸療法認定士、透析技術認定士などの学会認定資格を有し、さらに各医療機器メーカー認定の保守資格を取得し、臨床支援と機器管理の両面で医療に不可欠な医療機器の専門職として業務を行っています。また、院内での研修会開催や情報発信として「臨床工学科通信」を発行しています。

臨床工学科の理念と行動目標 

理念

臨床工学の知識と技術の専門職として、良質で安全な医療技術を提供する

行動目標

  1. 患者さんの人格を尊重し、安心・安全な医療を実践する
  2. 最新の知識や技術の習得に努め、常に向上心を持って高度急性期医療に応える
  3. 医師や他の医療関係者との緊密な連携を図り、効率的なチーム医療を展開する
  4. 医療機器の保守・管理を通し、業務改善と病院経営に貢献する

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こんな業務を行っています

ME機器保守管理業務

 「医療機器管理業務マニュアル」に則して、医療機器安全管理責任者のもと臨床工学科が事務局となり、院内共通使用機器(人工呼吸器、シリンジ・輸液ポンプ、除細動器等)の院内中央管理医療機器の保守点検を行い、修理も可能な限り行っています。これらを中央管理し、機器貸借先部署を含めコンピューターでシステム化し運用しています。 部署管理機器は各部署から提出の点検計画書と点検実施報告書の記録を一元管理し、定期的保守管理の徹底を図っています。


 また、安全に医療機器が使用されるように医師や看護師等に研修会を開き、スタッフの知識・技術の向上に努めています。

 

高気圧酸素治療業務

 大気圧より高い気圧環境の中で、酸素を吸入することにより病態の改善を図ろうとする治療です。体内酸素量の増加により、生体内の循環障害・低酸素状態の改善効果、酸素の抗菌作用を利用し細菌の発育を阻害する抗菌効果、生体内にできた気体を圧縮・再溶解することにより末梢循環を改善し、組織の浮腫を軽減させる生体内気体の圧縮・溶解効果があります。特殊な環境での治療ですので、患者さまが治療に対する不安を持たないよう、安全に治療工程が進むように努めています。

 

 

手術室関連業務

 手術室関連では、心臓・大血管手術の際に使用する人工心肺装置及び心筋保護装置の操作や、腹腔・胸腔鏡手術等で使用する内視鏡ユニットの準備・設定・操作、脳神経外科・整形外科手術での運動誘発電位のモニタリング、泌尿器科と呼吸器外科での手術支援ロボット「da Vinci」ダ・ヴィンチの準備・設定を行っています。麻酔科医師や看護師と協力して安全な手術が行われるよう努めています。

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救命救急センター・ICU業務

 3次救急を担う救命救急センターや、手術後などの重篤な病態の患者さまの治療を行うICUは、生命維持管理装置を多く使用する現場です。 人工呼吸器の点検、経皮的心肺補助(PCPS:Percutaneous Cardio Pulmonary Support)、大動脈内バルーンパンピング(IABP:Intra Aortic Balloon Pumping)装置の点検、各種急性血液浄化やアフェレシスなどの治療を行っています。また、重症呼吸不全に対して体外式膜型人工肺(ECMO:Extra Corporeal Membrane Oxygenation)の導入も積極的に行っています。緊急を要する患者さまの治療のため、24時間on call体制で血液浄化や機器トラブル時の対応を行っています。

 

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心臓カテーテル検査・治療業務

 血管造影室は、狭心症や急性心筋梗塞、重症下肢虚血に対して心臓や下肢血管などに異常が無いかをX線装置を使用して検査および治療を行う場所です。そして、心臓の血管が狭くなっていたり閉塞している場合には、それを広げる治療を行います。CEの業務は、心電図や血圧などのバイタルサインのモニタ、記録を行うポリグラフの操作、心内圧、弁口面積、シャント率、FFRの測定・解析・データ管理、血管内イメージング(IVUS・OCTなど)の操作、ロータブレーター、Crosser、補助循環装置の準備・操作など、デバイスや機器の管理と操作を主に行っています。

近年では、経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)やバルーン大動脈形成術(BAV)でも治療の介助を行っています。

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不整脈カテーテルアブレーション業務

 カテーテルアブレーションとは、不整脈を引き起こす異常な心臓内の局所にカテーテルを使用して焼灼を行い、正常なリズムを取り戻す方法です。カテーテルの先端付近には電極と呼ばれる金属がついていて、カテーテルを体外の専用機器に接続することにより、心臓内の電気現象を記録したり、心臓を電気刺激したりすることができます。正式には経皮的カテーテル心筋焼灼術と呼ばれ、カテーテル手術の一つに分類されます。我々もカテーテル室業務の一環として業務支援しています。

 

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植え込み型デバイス業務

 ペースメーカーや植え込み型除細動器(ICD:Implantable Cardioverter Defibrillator)、心臓再同期療法の両室ペーシング機能付き植込み型除細動器(CRT-D:Cardiac Resynchronization Therapy Defibrillator)などを植え込む手術の立ち合いや、MRI撮像時や手術時の設定変更を適時行っています。
 また、遠隔モニタリングにも介入し循環器内科医師と共同で確認し、CEの担当者が電子カルテにデバイスの情報を記載しています。現在、ICD、CRTD患者90名ほどが登録されています。

 

透析室・アフェレシス業務

 透析室では透析液を作成する機械の管理や、透析開始時のシャント穿刺から開始操作、終了時の返血操作など、さまざまな業務を行っています。当院の透析患者数の約9割以上が検査や手術を目的とした患者さまです。そのため、各種合併症を有した患者さまの透析中の容態変化に即座に対応すべく、医師・看護師と連携し安全な透析治療を提供しています。難治性ネフローゼ症候群や高コレステロール血症の患者さまに対しLDL吸着や、クローン病や潰瘍性大腸炎の患者さまに対する白血球除去療法、血液型ABO不適合生体腎移植などを行うレシピエントや自己免疫疾患の患者さまに対し、抗体除去療法が必要な場合には、血漿交換療法を施行しています。

 

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院内機器ラウンド業務

 1日1回NICUの呼吸器の使用状況や回路の接続状態などの確認を行っています。使用する人工呼吸器も多種多様になり、回路セットアップやトラブルにも対応しています。今後は電子カルテのACSYSを活用し、点検内容を記録できるようにしたいと考えています。

 また、救命救急センターや一般病棟で使用する医療機器の使用状況、現在の保管・使用場所などを管理・記録しています。稼働中のPCPS、IABP、人工呼吸器、HFNCなどに関しては電子カルテのACSYSを利用し、点検内容の記録を行っています。

 

17.jpg 除細動器は、必要なときに確実に使用できることが望ましく、管理強化のために一年点検に加え、月一簡易動作点検を行っています。現在は、簡易動作チェックマニュアルを用いて行っていますが、今後点検の頻度や方法は改善していきたいと考えています。

 

 

 

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学会・論文等発表 

<平成30年度>

door to balloon time短縮に向けて
市立札幌病院 臨床工学科 板坂 竜
第10回Abbot Case Review Conference 2018.7.6

PCPS 「教育セミナー」
市立札幌病院 臨床工学科 猫宮伸佳
サッポロライブレモンストレーションコース2018 2018.9.1~2

PCPSの限界なのか―LOSに対する補助循環の今後は―
市立札幌病院 臨床工学科 前中 則武
Jasect 北海道地方会 2018.9.23

キャピオックスFX15R30Vは本邦のスタンダードとなり得るか
市立札幌病院 臨床工学科 那須 敏裕
Jasect 北海道地方会 2018.9.23

市立札幌病院におけるECMOの現状
市立札幌病院 臨床工学科 前中 則武
第5回北海道東北臨床工学会 2018.10.6

door to balloon timeからみたECPRにおける検討
市立札幌病院 臨床工学科 前中 則武
CCT 2018 2018.10.26

「シンポジウム」当院における救命救急センターでの業務内容
市立札幌病院 臨床工学科 板坂 竜
第2回日本集中治療医学会北海道支部学術大会 2018.11.3

当院でのヘパリン濃度測定を用いたACT管理方法の検討
市立札幌病院 臨床工学科 板坂 竜
第44回日本体外循環技術医学会 2018.11.10~11

曲線流入型脱血ポートを有する静脈リザーバーの実験的検討
市立札幌病院 臨床工学科 猫宮 伸佳
第44回日本体外循環技術医学会 2018.11.10~11

HV blockを認めたHis bungle pacing部位でのRV pacingが有効であった1例
市立札幌病院臨床工学科 那須 敏裕
第11回植え込みデバイス関連冬季大会 2019.2.15~16

腎移植後に施行した単純血漿交換法 ―至適置換液量について考察―
市立札幌病院 臨床工学科 金野 敦
日本臨床腎移植学会 2019.2.13~15

Goodpasture症候群を発症しVV-ECMO導入下に血漿交換を行い救命し得た1例
市立札幌病院 臨床工学科 板坂 竜
第46回日本集中治療医学会学術集会 2019.3.1~3

平成31年度・令和元年度

SMART pass algorithm搭載完全皮下植え込み型除細動器において不適切作動したBrugada症候群の1例
市立札幌病院臨床工学科 那須 敏裕
第29回日本臨床工学技士会 2019.5.11~12

当院搬入となった急性大動脈解離患者の転機の検討
市立札幌病院臨床工学科 板坂 竜
第3回日本集中治療医学会 北海道地方会 2019.8.31

手術室支援システム(ORSYS)を用いたDO2測定
市立札幌病院臨床工学科 前中 則武
Jasect北海道地方会 2019.9.8

縦乖離した左側ヒス側を必須回路に含むベラパミル感受性心室頻拍にPaSoとEPSの検討で治療成功した1例
市立札幌病院臨床工学科 那須 敏裕
第2回日本EPS・アブレーション技術研究会 北海道地方会 2019.9.8

透析患者に対する心臓周術期管理
市立札幌病院 臨床工学科 前中 則武
第45回日本体外循環技術医学会 2019.10.5~6

市立札幌病院のECPR管理
市立札幌病院 臨床工学科 猫宮 伸佳
第44回北海道救急医学会学術集会 2019.10.26

発作性心房細動アブレーション2nd session時に出現したSinus Vensa起源心房頻拍の1例
市立札幌病院 臨床工学科 猫宮 伸佳
カテーテルアブレーション関連秋季大会2019 2019.11.7~8

「シンポジウム」当院における手術室業務内容
市立札幌病院 臨床工学科 板坂 竜
北海道臨床工学技士会 手術室業務セミナー 2019.11.10

腎移植後に施行した単純血漿交換法 ―至適置換液量について考察―
市立札幌病院 臨床工学科 金野 敦
第39回日本アフェレシス学会北海道地方会 2019.11.16

高心室ペーシング率が予想される症例へのヒス束ペーシングの有効性
市立札幌病院 臨床工学科 那須 敏裕
第30回北海道臨床工学技士会 2019.12.1

心筋保護システムの変更
市立札幌病院 臨床工学科 竹浪 延幸
第31回日本冠疾患学会学術大会 2019.12.13

RV pacingに依存した心房細動を伴う重症心不全に対しHis bungle pacingを用いたCRTが著効した1例
市立札幌病院 臨床工学科 板坂 竜
第12回デバイス関連冬季大会 2020.2.8

当院の術中モニタリング
市立札幌病院 臨床工学科 石田 優
術中モニタリングセミナー 2020.2.16

<令和2年度>

当院おけるコロナウイルスの対応―臨床工学技士ができること、その先に向けて―
市立札幌病院 臨床工学科 猫宮伸佳
第45回北海道救急医学会学術集会 2020.9.6

急性ステント血栓症に対しヘパリン起因性血小板減少症に準じた対応にて致死的状況を回避できた1例
市立札幌病院 臨床工学科 板坂 竜
第51回日本心血管インターベンション治療学会 北海道地方会 2020.12.5

「シンポジウム」デバイスMRI撮像時の対応
市立札幌病院 臨床工学科 那須 敏裕
第13回植え込みデバイス関連冬季大会 2021.2.5

右室流出路自由壁起源が疑われた肺動脈弁上起源心室期外収縮の1例
市立札幌病院 臨床工学科 那須 敏裕
日本不整脈心電学会第1回北海道地方会 2021.2.21

難治性心室中隔起源心室頻拍に対しBipolar ablationを施行した1例
市立札幌病院 臨床工学科 猫宮 伸佳
日本不整脈心電学会第1回北海道地方会 2021.2.21

「パネルディスカッション」報告!COVID-19に対するそれぞれの取り組みと活躍
市立札幌病院はこうしている―やっぱり大変・・・COVID-19隔離透析―
市立札幌病院 臨床工学科 板坂 竜
第31回北海道臨床工学技士会 2021.2.21

 

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今後に向けて

臨床工学科は、医療機器の操作・保守のスペシャリストとして、安全な医療が行えるようにチーム医療の中で日々貢献しています。今後、医療機器の高度化・複雑化がいっそう進む中、多方面でより安全で安心な専門的かつ最新医療技術を提供できる臨床工学科体制を構築し、発展させていきたいと考えています。