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過去に生のシカ肉や生の豚レバーを食べたことと、E型肝炎発症との因果関係が確認された事例が報告されています。
E型肝炎は重症化することもありますので、野生動物の肉(シカ肉、イノシシ肉など)や豚肉(豚レバーなど)は、生で食べず、十分に加熱調理して食べましょう。
E型肝炎は、E型肝炎ウイルス(HEV:Hepatitis E Virus)の感染によって引き起こされる急性肝炎です。
まれに劇症肝炎になることもありますが、慢性化することはないといわれています。
E型肝炎ウイルスは主に経口感染し、E型肝炎ウイルスに汚染された食物、水等の摂取により感染することが多いとされています。
開発途上国では、汚染された飲料水などを介し、大規模な流行を引き起こす場合もあることが知られていますが、国内では、開発途上国等で感染し、帰国後に発症した輸入感染例の発生のほか、生の獣肉等の摂取による感染例の発生が見られます。
ウイルスに感染した後、症状が現れるまで2~9週間(平均6週間)かかります。
主な症状として、発熱、倦怠感、悪心・腹痛等の消化器症状、黄疸(皮膚や目の白い部分が黄色くなること)、肝腫大などが見られます。検査では肝機能の悪化が見られます。
多くは、安静臥床(ベットの上で動かずに安静に保つこと)により治癒しますが、まれに劇症化し、死に至ることもあります。特に妊婦がE型肝炎に感染した場合は、劇症化する率が高いことが知られています。
血液中のHEV遺伝子(RNA)を検出するか、血液中の特異抗体(IgG、IgM)を検出するなどの方法で診断します。
E型肝炎の治療方法は、現在のところ急性期の対症療法しかありません。
劇症化した場合には、さらに血漿交換、人工肝補助療法、肝移植などの特殊治療が必要となります。
HEVの感染経路は、ウイルスに汚染された食物や水等を摂取することで感染する経口感染であり、予防には、手洗い、飲食物の加熱が重要です。動物の内臓、特に豚レバーを食べるときには、中心部まで火が通るよう十分に加熱しましょう。
E型肝炎の流行地域に旅行する場合は、清潔の保証がない飲料水や氷、自分自身で皮をむかない非加熱の果物や野菜は食べないように注意しましょう。
なお、現在のところ、有効なワクチンはありません。
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