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更新日:2022年5月31日

B型肝炎

B型肝炎とは

B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV:Hepatitis B Virus)の感染によって引き起こされる肝炎です。

B型肝炎には、成人が初めてHBVに感染して発症した急性B型肝炎と、HBV持続感染者(キャリア)が発症したHBVキャリアの急性増悪や、慢性B型肝炎などがあります。

慢性肝炎が進展し、肝臓の線維化がすすんだ状態が肝硬変で、このような人の肝臓には肝がんが発生することがあります。

感染経路について

HBVは、主として感染している人の血液が他の人に入ることによって感染します。

具体的には、以下のような場合に感染すると考えられています。

  • 注射器などをHBVに感染している人と共用した場合
  • HBVが含まれている感染者の血液が付着している針を誤ってさした(針刺し事故)場合
  • HBVが含まれている血液の輸血、臓器移植などを行った場合
  • HBVに感染している母親から生まれた子に対して、適切な母子感染予防措置を講じなかった場合(高力価HBsヒト免疫グロブリンとB型肝炎ワクチンを組み合わせて感染予防を行います。)
  • HBVに感染している人と性交渉をもった場合

次のような場合では感染しません。

  • HBVに感染している人との握手、キス、抱き合うこと
  • HBVに感染している人との食器の共用
  • HBVに感染している人と一緒に入浴すること

主な症状について

HBVの感染には、急性感染と持続感染(キャリア)があります。

急性感染の場合は、全身倦怠感に続いて食欲不振、吐き気、嘔吐などの症状が現れます。それに引き続いて黄疸が出現することがあります。

持続感染している場合にはこれらの症状が出ていなくても慢性肝炎になる可能性あり、治療が必要な場合があります。

検査方法について

血液を検査し、HBVの抗体や遺伝子、抗原を調べて感染しているかどうかを判定します。

札幌市では無料のB型・C型肝炎ウイルス検査(B型肝炎ウイルス検査項目はHBs抗原検査のみ)を実施しています。

詳しくは、肝炎ウイルス検査をご覧ください。

治療方法について

治療薬としては現在、インターフェロン核酸アナログ製剤が使用されています。専門の医療機関を受診して適切な治療を行う必要があります。

予防方法について

B型肝炎ワクチンは1985年に国内で認可され、翌年からは母子感染防止事業にグロブリン製剤との併用で用いら れ、大きな成果をあげています。

また、任意でワクチンを接種することもできますので、詳しくは最寄りの医療機関にお問い合わせください。

日常生活では以下のようなことに気をつけましょう。

  • 注射器、注射針を共用しない
  • 歯ブラシ、かみそりなどの共用をしない
  • 他の人の血液に素手で触れない。(ゴム手袋などを使用する)
  • 刺青やピアスをするときは消毒をしてある器具を使用する
  • 性行為にはコンドームを使用する(日頃からセイファーセックスを心掛けましょう)

詳しくは、B型肝炎について~一般的なQ&A~(ウイルス肝炎研究財団)をご覧ください。

B型肝炎訴訟について

B型肝炎訴訟は、幼少期に受けた集団予防接種などの際に、注射器が連続使用されたことによってB型肝炎ウイルスに持続感染したとされる方々が、国に対して損害賠償を求めている集団訴訟です。

この訴訟については、裁判所の仲介の下で和解協議を進めた結果、平成23年6月に、国と原告との間で「基本合意書」を締結し、基本的な合意がなされました。

今後提訴をされる方々への対応も含めた全体の解決を図るため、「特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法」が平成24年1月13日から施行され、裁判上の和解等が成立した方に対し、法に基づく給付金等が支給されます。

詳しくは、B型肝炎訴訟について(厚生労働省)をご覧ください。


このページについてのお問い合わせ

札幌市保健福祉局保健所感染症総合対策課

〒060-0042 札幌市中央区大通西19丁目 WEST19ビル3階

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