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更新日:2022年6月30日

新・札幌市バリアフリー基本構想「第1章」(平成27年3月版)

第1章目次
第1章「基本構想策定の背景と改定の目的」
1-1背景
1-1-1札幌市の概況
1-1-2我が国におけるバリアフリー化の取組
(1)ハートビル法(平成6年施行、平成14年改正・平成15年施行)
(2)交通バリアフリー法(平成12年施行)
(3)バリアフリー新法(平成18年施行)
(4)国が定める基本方針(平成18年制定、平成23年改定)
1-1-3札幌市のこれまでの取組
(1)札幌市福祉のまちづくり条例(平成10年制定)
(2)条例に基づく取組
(3)札幌市交通バリアフリー基本構想(平成15年策定)
(4)新・札幌市バリアフリー基本構想(平成21年策定)
(5)新・札幌市バリアフリー基本構想(平成23年第1回見直し)
(6)新・札幌市バリアフリー特定事業計画
(7)バリアフリー整備の取組内容
1-2新・札幌市バリアフリー基本構想の見直し
1-2-1基本構想の位置づけと見直しの必要性
1-2-2見直しのポイント
(1)生活関連施設及び生活関連経路の見直し
(2)整備目標及び推進方策の見直し
1-2-3基本構想の見直しに係る検討の流れ
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1-1背景

1-1-1札幌市の概況

現在、我が国では、世界に類を見ない超高齢社会を迎え、高齢者の自立と社会参加による、健全で活力ある社会の実現が求められています。
札幌市では、近い将来、人口が減少傾向に転じることが予測されていますが、65歳以上の高齢者数は増加を続け、平成32年には市民の約3割が高齢者となることが見込まれています。また、少子高齢化を背景として、高齢単身世帯数や支援・見守りが必要な要介護者や障がいのある方も増加傾向にあります。
障害者権利条約の締結などにより障がい者を取り巻く状況が変化し、障がい者が障がいのない者と同等に生活し活動する社会を目指すノーマライゼーションの理念の社会への浸透が進んでおり、障がいの有無にかかわらず国民誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合う共生社会の実現が求められています。
こうした状況を踏まえ、今後は、高齢者や障がい者等の社会参加を促進することはもとより、「どこでも、だれでも、自由に、使いやすく」というユニバーサルデザインの考え方に基づき、身体的状況、年齢、性別、人種、国籍などを問わず、可能な限り全ての人が、自由に社会に参画し、いきいきと安全で豊かに暮らせるよう、生活環境や連続した移動環境をハード・ソフトの両面から継続して整備・改善・維持していくことが必要となっています。
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1-1-2我が国におけるバリアフリー化の取組み

(1)ハートビル法(平成6年施行、平成14年改正・平成15年施行)

ハートビル法は、「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律」で、平成6年に施行されました。(バリアフリー新法の施行に伴い平成18年に廃止)
誰もが日常的に利用するような、不特定かつ多数が利用する建築物(特定建築物※1)を建築する際には、バリアフリー対応の「ハートビル」とする責務があると規定したものです。

※1:特定建築物とは
病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店その他の不特定かつ多数の者が利用する建築物
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(2)交通バリアフリー法(平成12年施行)

交通バリアフリー法は、「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律」で、平成12年に施行されました。(バリアフリー新法の施行に伴い平成18年に廃止)
公共交通機関を利用した移動の利便性と安全性の向上の促進を図るために、駅などの旅客施設を中心とした重点整備地区※2において、市町村が定める基本構想に基づいて旅客施設、道路などのバリアフリー化を重点的かつ一体的に推進していくことを規定したものです。

※2:交通バリアフリー法における重点整備地区とは
特定旅客施設(一日当たりの平均的な利用者の人数が5,000人以上の旅客施設)との間の移動が通常徒歩で行われ、かつ、高齢者、身体障がい者等が日常生活又は社会生活において利用すると認められる官公署施設、福祉施設その他施設の所在地を含む地区
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(3)バリアフリー新法(平成18年施行)

1.目的
バリアフリー新法は、平成17年に策定されたユニバーサルデザイン政策大綱※3の考え方を踏まえて、ハートビル法と交通バリアフリー法を統合・発展させた「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」で、平成18年に施行されました。
(1)のハートビル法では目的地となる建築物を、(2)の交通バリアフリー法では公共交通機関及びこれを利用した目的地までの移動経路をそれぞれ対象としており、そのバリアフリー化の対象範囲は限定されていました。
このため、バリアフリー新法では、移動における連続的なバリアフリー化を促進するとともに、高齢者、障がい者(身体障がい者・知的障がい者・精神障がい者・発達障がい者を含む全ての障がい者)、妊婦、けが人などの移動や施設利用の利便性や安全性の向上を促進し、バリアフリー施策を総合的に展開することを目的としています。

のため、移動における連続的なバリアフリー化を促進するとともに、高齢者、障がい者(身体障がい者・知的障がい者・精神障がい者・発達障がい者を含む全ての障がい者)、妊婦、けが人などの移動や施設利用の利便性や安全性の向上を促進し、バリアフリー施策を総合的に展開することを目的としています。

※3:ユニバーサルデザイン政策大綱とは
「どこでも、だれでも、自由に、使いやすく」というユニバーサルデザインの考え方を踏まえ、生活環境や連続した移動環境をハード・ソフトの両面から継続して整備・改善していくという理念に基づき、国土交通省が平成17年に策定したもの。

2.旧法からの変更点
バリアフリー新法は、ハートビル法と交通バリアフリー法とが統合・発展されたことにより、以下のとおり、大きく5つの点で変更されています。
・対象者の拡充
身体障がい者のみならず、知的障がい者・精神障がい者・発達障がい者を含む、全ての障がい者を対象に追加。
・基本構想策定の際の当事者参加
協議会制度を法律に位置付け、住民などからの基本構想の作成提案制度が創設
・対象施設の拡充
路外駐車場・都市公園・福祉タクシーを追加
既存建築物についても基準適合努力義務を追加
・基本構想制度の拡充
バリアフリー化を重点的に進める対象エリアを、旅客施設を含まない地域にまで拡充
・ソフト対策の充実
「スパイラルアップ」の考え方を導入
「心のバリアフリー」を促進

3.概要
バリアフリー新法では、高齢者、障がい者等の円滑な移動、及び建築物等の施設の円滑な利用に関する施策を総合的に推進するため、主務大臣(国家公安委員会委員長、総務大臣、国土交通大臣)による基本方針、ならびに旅客施設、道路、建築物等の構造及び設備の基準の策定のほか、市町村が定める重点整備地区において、高齢者、障がい者等の計画段階からの参加を得て、旅客施設、建築物等及びこれらの間の経路の一体的な整備を推進するための措置等を定めています。
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 (4)国が定める基本方針(平成18年制定、平成23年改定)

1.目的
国や地方公共団体、高齢者や障がい者等、施設設置管理者やその他の関係者がお互いに連携協力し移動等円滑化を総合的かつ計画的に推進していくため、バリアフリー新法第3条第1項の規定に基づき、平成18年に「移動等円滑化の促進に関する基本方針」が定められました。
これまでの取組によりバリアフリー化は進展していますが、引き続き着実な取組が必要なものとして、平成23年3月に改定されています。

2.概要
国の基本方針には以下の項目が記載されています。
1)移動等円滑化の意義及び目標
○移動等円滑化の意義
本格的高齢社会の到来や自立と共生の理念の浸透など、高齢者・障害者を取り巻く社会情勢の変化等に対応
○移動等円滑化の目標
旅客施設や車両、道路、公園、建築物等について、平成32年度末を期限として、より高い水準の新たなバリアフリー化の目標を設定
2)施設設置管理者が講ずべき措置
○適切な情報提供
視覚障害や発達障害など、情報に係る障害を持つ人への対応を含めた多様な障害者への対応をより具体的に推奨
○職員等への教育訓練
施設設置管理者による職員等への教育訓練に関し、PDCAサイクル※4の中でマニュアル整備や研修実施への高齢者・障害者等への意見反映や参画を推奨
3)基本構想の指針
○重点整備地区における移動等円滑化の意義
市町村が重点整備地区について作成する基本構想の必要性を強調
作成した基本方針について、地域の高齢者・障害者等が参加しつつ、関係事業の実施状況等を把握しながら成果の評価を行ない、内容の段階的かつ継続的発展を図る「スパイラルアップ」をより強く推奨
4)移動等円滑化施策に関する基本的事項その他
○国民の責務
国民が、高齢者、障害者等の自立した生活の確保の重要性等について理解を深める「心のバリアフリー」ぶおいて、外見上わかりづらい聴覚、精神、発達障害など障害に多様な特性があることに留意する必要性を明示

※4:PDCAサイクルとは
基本構想作成(Plan)後の事業の実施(Do)を受けて、その効果を評価(Check)し、必要に応じて見直し、反映する(Action)といったPDCAサイクルにより、事業スケジュールの適切な管理と事業の質の確保を図るという考え方
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1-1-3札幌市のこれまでの取組

(1)札幌市福祉のまちづくり条例(平成10年制定)

1.目的
全ての人が安心して快適に暮らし、自分の意志で自由に行動し、あらゆる活動に参加できるまちづくりのため、障がいのある人や、高齢者などが普通に生活するうえで、制約となっている障壁(バリア)を取り除き、「全ての人の参加による、全ての人のための平等な社会」を目指していくことを目的に制定しました。

2.概要
条例の基本理念は「バリアフリー社会の実現」です。バリアフリー社会の実現に向けた4つのバリアを解消します。
○交通機関、建築物などにおける物理的なバリア
○資格制限などによる制度的なバリア
○点字や音声案内、手話サービスや文字情報の欠如などによる文化・情報面のバリア
○障がい者を庇護されるべき存在として捉えるなどの意識上のバリア
条例には以下の項目が記載されています。
第1章総則について
福祉のまちづくりで、市民が安心、快適に暮らし、自らの意志で自由に行動し、あらゆる社会活動に参加できる、すべての人にやさしいまちにしていきます。
福祉のまちづくりを推進するために、市、事業者、市民それぞれの役割を定めています。
市民、事業者、市が協力・連携して取り組みます。
第2章基本的施策について
福祉のまちづくりの推進のために以下のことに取り組んでいきます。
○指針の策定
○情報の提供・教育の充実等
○防災上の配慮
○雪対策向上の配慮
○調査研究
○財政上の措置
○表彰
○推進モデル事業
第3章公共的施設等の整備について
以下の2点について記載されています。
○公共的施設は条例に基づく整備、事前協議、基準の遵守が必要
○公共的車両、住宅や住環境の整備の推進
第4章福祉のまちづくり推進会議について
市民、事業者、札幌市が連携して、共に福祉のまちづくりに取り組むための組織です。
一体となって人にやさしいまちをつくっていくための推進会議を設けて、基本的な方向について話し合っていきます。
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(2)条例に基づく取組み

1.施設整備マニュアルの作成
「施設整備マニュアル」は、札幌市福祉のまちづくり条例で定めた整備基準などを理解しやすいように解説したもので、平成11年に作成され広く活用されてきました。
このマニュアルが、今後の建物などの整備、改修計画の設計の際の手引きとして、事業者、設計者に活用され、誰もが住みやすいまちづくりが促進されることを目指しています。

2.心のバリアフリーガイドの作成
「心のバリアフリーガイド」は、心のバリア(障壁)を取り除き、ともに生きるまちづくりを実現するために、それぞれの障がいなどの概要や困っていること、主な手助け方法などを分かりやすく解説したもので、第7期福祉のまちづくり推進会議が編集し、平成25年に発行されました。

3.福祉教育などの推進
市内の小学生高学年を対象に、副読本「バリアフリー大研究」を配布し、授業などで活用することにより、障がい者等に対する理解を推進しています。

4.出前講座の実施による情報提供
出前講座などを通じて、高齢者、障がい者等に対する理解推進を図るとともに、バリアフリー施策に関する情報提供を実施しています。

5.優しさと思いやりのバリアフリー
数値化されたバリアフリー基準のみに頼るのではなく、優しさと思いやりを基準とし、人の目や感覚で確認していくバリアフリーを制度化しています。
具体的には、札幌市が施設を整備する際に、高齢者や障がい者等の意見を取り入れる「公共的施設のバリアフリーチェックシステム」と、市民などが危険施設などを発見した際に通報・改善・周知などを行う「危険施設等通報システム」の2つのシステムを運用しています。

6.「福祉のまちづくり条例」推進の情報提供
高齢者、障がい者、公共施設などへのバリアフリーガイドブックの配布や、ホームページへのバリアフリータウンマップや表示板交付施設の掲載など、障がい者等が利用しやすい施設の情報を提供しています。

7.駅員・社員・職員・乗務員の適切な対応
駅員・社員・職員・乗務員などに対し、定期的にバリアフリー講習会や体験教習などの教育訓練を行い、適切な対応や必要な介助を実施しています。

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(3)札幌市交通バリアフリー基本構想(平成15年策定)

札幌市では、平成12年の交通バリアフリー法の施行に伴い、学識経験者、交通事業者、高齢者団体、身体障がい者団体などで構成される「札幌市交通バリアフリー基本構想策定協議会」において検討を行い、平成15年に「札幌市交通バリアフリー基本構想」を策定しました。
この基本構想では、公共交通を中心としたバリアフリー化をさらに促進することを目的としています。

1.重点整備地区の選定
札幌市内のJR及び地下鉄の72駅(重複除く)から、乗降客数、駅周辺の主要な施設(商業施設、官公庁施設、教育施設、公園・体育館など)の数などにより選定・検討し、“都心地区”“副都心地区”“麻生地区”の3地区を重点整備地区としました。

2.重点整備地区の整備基本方針
平成15年に策定された基本構想では、3地区共通の方針と、各地区個別の方針を提示しました。
■共通方針
・整備目標年次を平成22年度と設定
・特定旅客施設から主要施設まで安全で快適な連続した歩行空間ネットワークを形成
・特定旅客施設内における適切な移動円滑化の推進
・地域住民、施設利用者を含めた市民と行政の協働
■個別方針
・都心地区~やさしいみんなの都心~
札幌中心部として、魅力的で活力にあふれた都心を形成する上で重要となる歩行空間のバリアフリー化によって、まちづくりの基礎をつくります。
・副都心地区~分かりやすい拠点へ~
当時事業実施中であった厚別副都心地区まちづくり事業計画と十分な整合を図りながら、効率的、効果的な整備を進め、東の拠点にふさわしい地域形成を目指します。
・麻生地区~歩きやすいメインストリート~
広域交流拠点として、交通結節点機能の強化を含め利便性の高い地域を形成します。
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(4)新・札幌市バリアフリー基本構想(平成21年策定)

「新・札幌市バリアフリー基本構想」は、札幌市交通バリアフリー基本構想を踏まえて、バリアフリー新法及び札幌市の上位計画と整合を図りながら、重点整備地区の拡充と、バリアフリー化の対象施設の拡大を図り、ハード、ソフトの両面から市民の生活環境のバリアフリー化を着実に推進することを目的として策定されました。
基本構想では、駅などの旅客施設、建築物、道路、車両、信号機等の施設のバリアフリー化を重点的、一体的、継続的に進めていくための方針と、事業実施に向けた基本的な考え方を定めています。また、重点整備地区は、札幌市交通バリアフリー基本構想の3地区を含めた53地区に拡充しています。
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(5)新・札幌市バリアフリー基本構想(平成23年第1回見直し)

平成21年の基本構想策定時に実施したパブリックコメントの意見を参考に、生活関連施設のひとつとして避難所を追加する見直しを行いました。
避難所には、公園や広場などを指定した「一時避難場所」「広域避難場所」と、学校や地区の会館などを指定した「収容避難場所」がありますが、冬の災害や長時間の避難時にも対応できる「収容避難場所」を生活関連施設への追加の対象としました。
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 (6)新・札幌市バリアフリー特定事業計画

「バリアフリー基本構想」の実現に向けて、道路管理者や公安委員会などの施設設置管理者などが作成する、基本構想に沿った事業計画を「特定事業計画」といいます。
重点的かつ一体的なバリアフリー化を促進するためには、各事業が必要に応じて緊密に連携する必要があることから、札幌市では、各事業者が作成した特定事業計画を取りまとめ、「新・札幌市バリアフリー特定事業計画」として集約しています。
また、特定事業計画は、毎年進捗状況の確認と計画の見直しを行なうこととしており、着実なバリアフリーの推進を図っています。
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 (7)バリアフリー整備の取組内容

1.旅客施設
「新・札幌市バリアフリー基本構想」に基づき、特定旅客施設(1日当たりの平均利用者数が5,000人以上である鉄道駅・バスターミナル)を対象に、バリアフリー化を進めてきました。
札幌市営地下鉄では、平成25年度末現在で、対象施設46駅のうち、全ての駅でエレベーターの整備が完了しました。
また、JR北海道では、平成25年度末までに、対象施設16駅のうち、現在事業中の苗穂駅を除く15駅でバリアフリー化(エレベーター及び多機能トイレの整備)が完了しています。

2.車両等
車両については、更新時期などに合わせ、鉄道事業者、バス事業者、タクシー事業者と行政が協力しながらバリアフリー化車両の導入を進めてきました。
札幌市内の路線バス車両については、平成25年度末現在で、総車両台数667台のうち、659台が低床型バス(ワンステップバス※5及びノンステップバス※6)に更新しています。
また、福祉タクシー※7についても、着実に台数が増加しており、平成25年度末現在で、270台が導入されています。

※5:ワンステップバスとは
床を低くして乗降口の階段を1段(通常は2~3段)とし、床の高さが地上から55~60cm程度のバス

※6:ノンステップバスとは
乗降口の階段をなくした、床の高さが地上から30~35cm程度のバス

※7:福祉タクシーとは
道路運送法第3条に掲げる一般乗用旅客自動車運送事業を営む者で、一般タクシー事業者が福祉自動車を使用して行う運送や、障がい者等の運送に業務の範囲を限定した許可を受けたタクシー事業者が行う運送をいい、車いす・寝台(ストレッチャー)のまま乗降できるリフトなどを備えた特殊車両を用いている

3.道路
札幌市内の道路は、国道については北海道開発局、道道及び市道については札幌市が道路管理者となっています。
重点整備地区内の生活関連経路について、道路のバリアフリー化と適切な維持管理を行うことを基本方針として、優先度が高い地区の主要な生活関連経路から重点的にバリアフリー整備を進めてきました。
平成25年度末現在で、整備対象延長228kmのうち、149kmでバリアフリー化が完了しました。

4.信号機等
北海道公安委員会では、道路のバリアフリー化の進捗も考慮しながら、主要な生活関連経路にある信号機のバリアフリー化(高齢者感応化、視覚障がい者用音響付加装置、歩車分離式信号など)を優先的に実施してきました。
信号機については、平成25年度末現在で、対象となる信号機621か所のうち、全ての信号機でバリアフリー化が完了しています。
また、違法駐輪・違法駐車行為防止、交通ルールなどの周知を、関係機関や交通関係団体と連携を図りながら行っています。

5.路外駐車場
特定路外駐車場の届出の機会に「バリアフリー新法」や「札幌市福祉のまちづくり条例」に基づき、バリアフリー化に向けた指導・助言を行っています。

6.都市公園
札幌市が所管する都市公園について、新設・再整備などに合わせてバリアフリー化を進めるとともに、施設の適正な維持管理を行っています。
都市公園のトイレについては、平成25年度末現在で、対象となる公園743か所のうち、244か所でバリアフリー化が完了しています。

7.建築物
新築・改築や既存施設の改修などに合わせて、札幌市が所有する2,00平方メートル以上の特別特定建築物について、バリアフリー整備を進めるとともに施設の適正な維持管理を行っています。
平成25年度末現在で、対象となる建築物89棟のうち、視覚障がい者誘導用ブロックの設置や段差解消などの経路における対策を図った施設は21棟、障がい者対応型エレベーターを整備した施設は29棟、オストメイト対応型トイレを整備した施設は35棟となっています。
また、民間施設についても、建築確認申請提出前の届出において「バリアフリー新法」や「札幌市福祉のまちづくり条例」に基づき、バリアフリー化に向けた指導・助言を行います。また、民間施設の改善促進のため「施設整備資金融資制度」を進めています。
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1-2新・札幌市バリアフリー基本構想の見直し

1-2-1基本構想の位置づけと見直しの必要性

バリアフリー基本構想とは、施設が集積する地区において、重点的かつ一体的にバリアフリー化を推進することをねらいとして、自治体が策定するものです。
札幌市では、平成21年に新・札幌市バリアフリー基本構想を策定し、基本構想の上位計画となる「札幌市まちづくり戦略ビジョン(平成25年策定)」や「札幌市総合交通計画(平成24年策定)」が策定される際においても、バリアフリーの考え方を取り込むなど、まちづくりと一体となってバリアフリー化を図ることとしています。
前回の基本構想の策定から6年が経過し、平成23年にはバリアフリーの国の基本方針が改定されました。また、平成25年には「障害者差別解消法(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)」が制定され、行政機関等に対し不当な差別的取扱いや合理的配慮の不提供が禁止されるとともに、平成26年には障害者権利条約(障害者の権利に関する条約)が締結されるなど、バリアフリーを取り巻く状況にも変化が生じています。
バリアフリー新法では、取組の内容について検証し、その結果を踏まえた新たな施策や措置を講ずることにより、段階的・継続的な発展を図る「スパイラルアップ」が求められています。このため、バリアフリー新法や札幌市の上位計画・関連計画と整合を図りながら、基本構想の見直しを行うこととしました。
また、基本構想の見直し後は、これらに基づいて各事業者が新たな特定事業計画を作成し、事業者間で連携・調整を図りながらバリアフリー化を推進することとしています。
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1-2-2見直しのポイント

 (1)生活関連施設及び生活関連経路の見直し

生活関連経路のバリアフリー整備を進める上での課題に対応し、「更新」「適正化」「充実」の3つの視点から生活関連経路を見直しました。
整備を進める上での課題と、それに対応する見直しの視点は次のとおりです。

1.更新の視点
基本構想策策定から約6年が経過したことに伴う、生活関連施設の新築・閉鎖・移転への対応。
生活関連施設の状況の変化(新築・閉鎖・移転)に応じて生活関連経路を更新。
2.適正化の視点
道路の幅が狭いなど、課題のある生活関連経路の取り扱い。
課題のある生活関連経路について安全・安心の視点から、経路網や整備水準を適正化。
3.充実の視点
人通りの多い道路のバリアフリー化に対する、市民ニーズの高まりへの対応。
歩行者交通量が多い道路を生活関連経路とすることで、歩行空間ネットワークを充実化。
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 (2)整備目標及び推進方策の見直し

国が定めた「移動等円滑化の促進に関する基本方針」の改定(平成23年)に合わせて、各事業者の目標の変更や対象の拡充などを検討しました。
バリアフリー化の着実な推進に向けて、事業ごとに、バリアフリー化の推進方策を見直しました。
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1-2-3基本構想の見直しに係る検討の流れ

基本構想の見直しに当たり、福祉のまちづくり推進会議に専門部会として「新・札幌市バリアフリー基本構想見直し検討部会」を設置し、平成25年度から平成26年度にかけて、検討を進めました。
「新・札幌市バリアフリー基本構想見直し検討部会」の検討内容は以下の通りです。
平成25年度の専門部会
・第1回:基本構想見直しの必要性
検討内容:検討部会の役割と基本構想の概要。これまでの取組。
・第2回:基本構想見直しの方向性
検討内容:生活関連経路の見直しの視点。路面電車のバリアフリーについて。
平成26年度の専門部会
第3回:現地調査(フィールドチェック)
検討内容:課題のある生活関連経路で生じている問題。フィールドチェックの実施(狭幅員道路、非優先道路)。
第4回:各種整備における課題
検討内容:施設整備における課題。各施設の基本方針と推進方策。
第5回:基本構想の策定に向けた課題の整理
検討内容:基本方針への記載事項などの整理。
その後、福祉のまちづくり推進会議への報告。
第6回:基本構想見直し素案
検討内容:基本構想見直し素案。
第7回:基本構想見直し案の策定
検討内容:基本構想見直し案。
その後、福祉のまちづくり推進会議への諮問。
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