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更新日:2023年2月9日

 文化財とは

札幌の文化財

文化財とは

時計台の画像

 文化財とは、「我が国の長い歴史のなかで生まれ、育まれ、今日まで守り伝えられてきた貴重な財産」のことです。例えば、お寺、仏像、絵、お祭り、遺跡、貴重な動物や植物などを指します。
文化財保護法(平成16年6月改正)では、「文化財」を、次のように定義しています。

1.建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書その他の有形の文化的所産で我が国にとって歴史上又は芸術上価値の高いもの(これらのものと一体をなしてその価値を形成している土地その他の物件を含む。)並びに考古資料及びその他の学術上価値の高い歴史資料(以下「有形文化財」という。)

2.演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で我が国にとって歴史上又は芸術上価値の高いもの(以下「無形文化財」という。)

3.衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗慣習、民俗芸能、民俗技術及びこれらに用いられる衣服、器具、家屋その他の物件で我が国民の生活の推移の理解のため欠くことのできないもの(以下「民俗文化財」という。)

4.貝塚、古墳、都城跡、城跡、旧宅その他の遺跡で我が国にとって歴史上又は学術上価値の高いもの、庭園、橋梁、峡谷、海浜、山岳その他の名勝地で我が国にとって芸術上又は観賞上価値の高いもの並びに動物(生息地、繁殖地及び渡来地を含む。)、植物(自生地を含む。)及び地質鉱物(特異な自然の現象の生じている土地を含む。)で我が国にとって学術上価値の高いもの(以下「記念物」という。)

5.地域における人々の生活又は生業及び当該地域の風土により形成された景観地で我が国民の生活又は生業の理解のため欠くことのできないもの(以下「文化的景観」という。)

6.周囲の環境と一体をなして歴史的風致を形成している伝統的な建造物群で価値の高いもの(以下「伝統的建造物群」という。)

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 指定文化財と登録文化財

 文化財保護の考え方には、特に重要なものを国や都道府県、市町村が指定し保護する、「指定文化財」という制度があります。
 また、平成8年以降、「登録文化財」という概念が生まれました。これは、国が有形文化財、有形民俗文化財、記念物を登録し、保護するというもので、従来の「指定文化財」とは異なった考え方の「登録文化財」制度です。
 従来の、大切な文化財を厳密に保存するための「文化財指定制度」に比べ、規制などをゆるやかにし、文化財を自由に活用できるようにした制度です。
 札幌市内では、24件の建造物が「登録有形文化財」として国に登録されています。この中には個人所有の住宅も含まれています。

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札幌市にある文化財

 札幌市内には、明治の開拓期の頃、アメリカ風の建築様式を取り入れつつも、日本の文化も合わせた「和洋折衷様式」の建物が多く、有形の文化財として指定されているものが多くあるのが特徴です。またこの頃、未開の地の開拓と北方の脅威に対する軍隊の両方の意味を持つ「屯田兵」という制度があり、これにまつわる建物なども指定されています。
 無形の文化財では、アイヌ民族の古式舞踊や、富山県から入植した人たちによって伝えられた丘珠獅子舞などがあります。
 本州以南の地域と比べ、無形の文化財が少なく、有形文化財の中でも特に建築物が多いのが特徴となっています。
 埋蔵文化財としては、縄文時代・続縄文時代・擦文時代の遺物が出土しています。
 なお、文化財課で発行している冊子「札幌の文化財」では、札幌市内にある各文化財を、歴史的・建築学的・考古学的な視点から、写真入りで詳しく解説しています。

 

新たに文化財を指定しました。

 平成30年3月8日、1件の文化財を札幌市有形文化財に指定しました。

名称 旧札幌控訴院

種別 有形文化財(建造物)

員数 1棟

所有者及び管理者 札幌市

建築年代 大正15年(1926年)

 旧札幌控訴院 「旧札幌控訴院」※現札幌市資料館

新たに文化財を指定しました。

平成28年7月28日、1件の文化財を札幌市有形文化財に指定しました。

 

名称 札幌独立キリスト教会文書

種別 有形文化財(歴史資料)

員数 7点

所有者及び管理者 札幌独立キリスト教会

年代 明治10年~明治15年

札幌独立キリスト教会文書 「イエスを信ずる者の契約」

 

【指定文書の内容】

1 イエスを信ずる者の契約

 札幌農学校教頭ウィリアム・スミス・クラークが明治10年(1877年)3月5日に起草し、その受講学生など31名(札幌農学校第一・二期生)が署名した英文の文書。前半は信仰告白の形式をとっており、後半は戒命ならびに信仰生活の規範が記される。

 

2 伝クラーク博士持参讃美歌

 クラーク博士が札幌へ持参したと伝えられている讃美歌

 

 

3 柳本通義旧蔵伝クラーク博士譲与聖書

札幌農学校第一期生の柳本通義が所蔵しており、クラーク博士が柳本へ譲与したと伝えられている聖書。

本資料表紙見返しの署名に「Yanagimoto Mitsuyoshi」とあり、柳本旧蔵書であることを裏付けている。

 

 

4 伝大島正健旧蔵クラーク博士譲与聖書

クラーク博士が譲与したものであり、札幌農学校第一期生の大島正健が所蔵していたと伝えられている聖書。「My First Bible Bestowed by Prest. Clark(私の最初の聖書 クラーク先生より授けられる)」と記されており、クラークが譲与したものであることを裏付けている。

 

 

 5 明治14年9月17日付宮部金吾宛渡瀬寅次郎書簡

札幌農学校第一期生の渡瀬寅次郎が同二期生の宮部金吾に宛てた書簡(6、7も同じ)

・宮部東京留学の件

・佐藤昌介(札幌農学校第一期生)に関する評価

・会堂買取の件 

 

 

6 明治14年11月17日付宮部金吾宛渡瀬寅次郎書簡

・教会へのクラーク博士寄付金(教会創設祝儀としてクラークが送った外国為替に関する記載)

・白官邸集会開始(「白官邸」の教会を得て信仰を開始した直後の教会の様子)

・伝教予定者辻元氏動静照会

 

 

7 明治15年4月29日付宮部金吾宛渡瀬寅次郎書簡

・宮部東京留学期限の件

・ハリス宣教師(札幌農学校第一期生・第二期生22名に洗礼を授けた人物)帰国の件

・辻元氏人物評の件 

 

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このページについてのお問い合わせ

札幌市市民文化局文化部文化財課

〒060-0001 札幌市中央区北1条西2丁目 札幌時計台ビル10階

電話番号:011-211-2312

ファクス番号:011-218-5157