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視覚障がいとは、視力や視野などの視機能が十分でないために、全く見えなかったり、見えにくかったりする状態をいいます。
幼稚部では、遊びや様々な体験活動を通して物の触り方や見分け方が上手にできるように援助しています。また、3歳未満の乳幼児やその保護者への教育相談も行っています。
小・中学部では、小・中学校と同じ教科等を視覚障がいに配慮しながら学習しています。見えない子どもたちへは、よく触って物の形や大きさなどを理解したり、音やにおいなども手がかりとして周りの様子を予測したり確かめたりする学習や点字の読み書きなどの学習をします。また、白杖を使って歩く力やコンピュータなどで様々な情報を得る力を身に付けています。
弱視の子どもたちには、見えの状態に合わせて拡大したり、白黒反転したりした教材を用意して学習します。また、視覚を最大限活用し、見やすい環境のもとで、事物をしっかりと確かめる学習を行ったり、弱視レンズの使用やコンピュータ操作の習得も行ったりしています。
高等部では、普通科の教育のほか、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、理学療法士などの国家資格の取得を目指した職業教育を行っています。
拡大文字教材、テレビ画面に文字などを大きく映して見る機器、照明の調節など、一人一人の見え方に適した教材・教具や学習環境を工夫して指導しています。各教科、道徳、特別活動のほか、弱視レンズの活用や視覚によってものを認識する力を高める指導などを行っています。
聴覚障がいとは、身の回りの音や話し言葉が聞こえにくかったり、ほとんど聞こえなかったりする状態をいいます。
聴覚障がいの子どもたちには、できるだけ早期から適切な対応を行い、その可能性を最大限に伸ばすことが大切です。このため、3歳未満の乳幼児やその保護者に対する教育相談等が行われています。幼稚部では、補聴器等を活用して子ども同士のコミュニケーション活動を活発にし、話し言葉の習得を促すなどして言語力の向上を図るとともに、幼稚園と同様に、子どもの全人的な育成に努めています。
小・中学部では、小・中学校に準じた教科指導等を行い、基礎学力の定着を図るとともに、書き言葉の習得や抽象的な言葉の理解に努めたり、さらに、発達段階等に応じて指文字や手話等を活用したり、自己の障がい理解を促したりするなど自立活動の指導にも力を注いでいます。
高等部には、普通科のほかに産業工芸や機械、印刷、被服、情報デザイン等の多様な職業学科が設置され、生徒の適性や希望等に応じた職業教育が行われています。近年は、高等教育機関への進学を目指す生徒や理容師、歯科技工士、調理師等の資格を取得して職業自立を果たす生徒がいます。
障がいの程度が軽度の子どもたちは、特別支援学級や通級による指導において、音や言葉の聞き取りや聞き分けなど、聴覚を活用することに重点を置いた指導を受けたり、抽象的な言葉の理解や教科に関する学習を行います。必要に応じて、通常の学級でも学習し、子どもの可能性の伸長に努めています。
知的障がいとは、記憶、推理、判断などの知的機能の発達に有意な遅れがみられ、社会生活などへの適応が難しい状態をいいます。
知的障がいの子どもたちのための教科の内容を中心にした教育課程を編成し、一人一人の言語面、運動面、知識面などの発達の状態や社会性などを十分把握した上で、生活に役立つ内容を実際の体験を重視しながら、個に応じた指導や少人数の集団で指導を進めています。
小学部では基本的な生活習慣や日常生活に必要な言葉の指導など、中学部ではそれらを一層発展させるとともに、集団生活や円滑な対人関係、職業生活についての基礎的な事柄の指導などが行われています。
高等部においては、家庭生活、職業生活、社会生活に必要な知識、技能、態度などの指導を中心とし、例えば、木工、農園芸、食品加工、ビルクリーニングなどの作業学習を実施し、特に職業教育の充実を図っています。
必要に応じて特別支援学校の教育内容等を参考にしながら、小集団の中で、個に応じた生活に役立つ内容が指導されています。小学校では、体力づくりや基本的な生活習慣の確立、日常生活に必要な言語や数量、生活技能などの指導を実施しています。また、中学校では、それらを更に充実させるとともに、社会生活や職業生活に必要な知識や技能などを指導しています。
肢体不自由とは、身体の動きに関する器官が、病気やけがで損なわれ、歩行や筆記などの日常生活動作が困難な状態をいいます。
肢体不自由のある子ども一人一人の障がいの状態や発達段階を十分に把握した上で、幼稚園、小学校、中学校、高等学校に準じた教育を行うとともに、障がいに基づく困難を改善・克服するための指導である自立活動に力を入れています。
自立活動の指導においては、身体の動きの改善を図ることやコミュニケーションの力を育てる指導などを行っています。また、病院で機能訓練を行う子どもやたんの吸引などの医療的ケアを必要とする子どもが多いことから、医療との連携を大切にした教育を進めています。
高等部では、進路指導を重視しています。企業や社会福祉施設と連携し、卒業後の生活を具体的に体験できるような実習を積極的に取り入れています。近年、福祉施設への入所が多くなっていますが、企業に就職したり大学に進学したりする生徒もいます。
各教科、道徳、特別活動のほか、歩行や筆記などに必要な身体の動きの指導なども行っています。指導に当たっては、一人一人の障がいの状態に応じて適切な教材教具を用いるとともに、コンピュータ等の情報機器などを有効に活用して指導の効果を高めるようにしています。また、各教科や給食など様々な時間を通じて、通常学級との交流及び共同学習を積極的に行っています。
病弱とは、慢性疾患等のため継続して医療や生活規制を必要とする状態、身体虚弱とは、病気にかかりやすいため継続して生活規制を必要とする状態をいいます。
病気等により、継続して医療や生活上の管理が必要な子どもに対して、必要な配慮を行いながら教育を行っています。特に病院に入院したり、退院後も様々な理由により小中学校等に通学することが難しい場合は、学習が遅れることのない様に、病院に併設した特別支援学校やその分校、又は病院内にある学級に通学して学習しています。
授業では、小・中学校等とほぼ同じ教科学習を行い、必要に応じて入院前の学校の教科書を使用して指導しています。自立活動の時間では、身体面の健康維持とともに、病気に対する不安感や自信の喪失などに対するメンタル面の健康維持のための学習を行っています。
治療等で学習空白のある場合は、グループ学習や個別指導による授業を行います。病気との関係で長時間の学習が困難な子どもについては、学習時間を短くするなどして柔軟に学習できるように配慮しています。
退院後も健康を維持・管理したり、運動制限等のために、特別支援学校の寄宿舎から通学又は自宅から通学し学習をする子どももいます。通学が困難な子どもに対しては、必要に応じて病院や自宅等へ訪問して指導を行っています。
入院中の子どものために病院内に設置された学級や、小・中学校内に設置された学級があります。病院内の学級では、退院後には元の学校に戻ることが多いため、元の学校と連携を図りながら各教科等の学習を進めています。教科学習以外にも、特別支援学校と同様に身体面やメンタル面の健康維持や改善を図る学習を行うこともあります。
言語障がいとは、発音が不明瞭であったり、話し言葉のリズムがスムーズでなかったりするため、話し言葉によるコミュニケーションが円滑に進まない状況であること、また、そのため本人が引け目を感じるなど社会生活上不都合な状態であることをいいます。
子どもの興味・関心に即した自由な遊びや会話等を通して、教師との好ましい関係をつくり、子どもの気持ちをときほぐしながら、それぞれのペースに合わせて正しい発音や楽に話す方法を指導していきます。個別指導が中心になりますが、時にはグループ指導も組み入れて、楽しみながら学習できるようにしています。
また、それらの学習を通して身に付けたことを生活の中で定着させるように努めます。特に、通級による指導においては、多くの時間を過ごす通常の学級や家庭でのかかわりが重要なことから、担任や保護者との連携協力を図ることが必要です。
さらに、言語障がいの子どもにとっては、通常の学級の子どもたちとの日常のかかわりが大切です。そのため、障がいの理解啓発に関する取組みも必要になります。特定の時間に通級する場合などには、「行ってらっしゃい。」「どうだった。」などのさりげない声かけが、気楽に通級できる雰囲気をつくることにもつながります。
情緒障がいとは、情緒の現れ方が偏っていたり、その現れ方が激しかったりする状態を、自分の意志ではコントロールできないことが継続し、学校生活や社会生活に支障となる状態をいいます。
情緒障がい教育では、発達障がいである自閉症などと心因性の選択性かん黙などのある子どもを対象としています。自閉症などの子どもについては、言語の理解と使用や、場に応じた適切な行動などができるようにするための指導が行われています。また、主として心理的な要因による選択性かん黙などがある子どもについては、安心できる雰囲気の中で情緒の安定のための指導が行われています。
特別支援学級では、情緒障がいのために、通常学級での教育では十分に成果が期待できない子どもが在籍して、基本的には通常の学級と同じ教科等を学習しています。それらに加え、自閉症などの子どもには、対人関係の形成や生活に必要なルールなどに関することを学習しています。また、選択性かん黙などの子どもは、心理的安定や集団参加に関することを学習しています。
通級による指導の対象は、自閉症などと選択性かん黙などの情緒障がいと明確に分けて示されています。通級による指導では、対象の子どもは、通常の学級でほとんど授業を受けられるので、それぞれに対して、短時間ですが、特別支援学級と同じような内容を学習しています。
学習障がい(LD)とは、知的発達の遅れは見られないが、特定の能力に著しい困難を示すものです。また、注意欠陥多動性障がい(ADHD)とは、発達段階に不釣り合いな注意力や衝動性、多動性を特徴とする行動の障がいです。両者ともに脳などの中枢神経系に何らかの機能障がいがあると推定され、発達障がいに分類されます。
発達障がいについて(文部科学省のページへ)
学習障がい(LD)、注意欠陥多動性障がい(ADHD)については、平成18年度から、通常の学級の中で十分な配慮を行った上で、必要であれば、通級による指導を行うことができるようになりました。
学習障がい(LD)の場合は、表れる困難は一人一人異なりますので、それに対応した指導を行います。注意欠陥多動性障がい(ADHD)の場合は、少集団の中で順番を待ったり最後まで話を聞いたりする指導や、余分な刺激を抑制した状況で課題に集中して取り組むことを繰り返す指導などを行います。
なお、学習障がい(LD)、注意欠陥多動性障がい(ADHD)に共通するのは、失敗や叱責を受けるなどの経験が多いために、自分の能力を発揮できず、あらゆる面で意欲を失っている点です。そのため、自力でやり遂げた経験を積み、自信を取り戻していくことが大切です。
また、友だちとの人間関係がうまくつくれないことも見受けられます。学習障がい(LD)の場合は他者の表情や会話に含まれる言外の意味やその場の雰囲気などが分からないために、注意欠陥多動性障がい(ADHD)の場合は相手の話をさえぎる、友だちに対してかっとなる、などがその理由です。そのため、ソーシャルスキルトレーニングと呼ばれる社会生活上の基本的な技能を身につけるための学習やストレスマネジメントと呼ばれるストレスへのよりよい対応の仕方を学ぶ学習を行う場合もあります。
(上記内容は、文部科学省のホームページより抜粋)
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