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更新日:2024年4月1日

生活道路の新たな除雪方法の試行(令和元年度~令和5年度)

将来にわたり持続可能な雪対策に向けた取組の1つとして、生活道路(住宅街の道路)における新たな除雪方法を検討しており、令和元年度から市内の一部地域で試行しておりましたが、複数の地域でデータが得られたことから、この手法における試行は、令和5年度を最終年度とし終了しました

・試行の履歴

試行年度 地域 試行延長
令和元年度 2区 3地域 約16km

令和2年度

10区 13地域 約96km
令和3年度 10区 23地域 約185km
令和4年度 8区 18地域

約168km

令和5年度 4区 9地域 約91km

試行の対象

  • 試行地域内の生活道路(住宅街の道路)のみを対象
    幹線道路やバス路線など大きな道路は対象外です。

試行を行う背景や課題

除排雪を取り巻く環境には、地域と事業者それぞれに次の課題があるため、将来への備えとして、これらに対応する新しい除雪方法を検討しておく必要があります。

そこで、地域の皆さまにご協力をいただきながら、新しい除雪方法の試行と検証を繰り返しているところです。

【地域の課題1】出入口部分の雪かきに対する負担感

現在の新雪除雪の方法は、道路の両脇に雪を寄せる「かき分け除雪」であるため、新雪除雪が入った後の出入口部分に置かれる雪に対する多くの声が寄せられています。

※「出入口部分」:車の出入口や玄関前の道路部分

 

出入口部分の雪かきに対する負担感

市民アンケート「生活道路の不満(n=647)」(2016年)

【地域の課題2】高齢単身世帯の増加

高齢化の進行に伴い、高齢者世帯数の増加が予測されており、出入口前の雪かきに対する負担感が今後更に増加していくことが予想されます。

高齢単身者世帯の増加

「札幌市の高齢単身世帯数及び一般世帯に占める割合の将来見通し」(2017年)

【除雪事業者の課題1】除雪従事者の厳しい労働環境

除排雪作業の最盛期となる1月から2月の期間では、時間外の労働時間数(残業時間)が増え、これに併せて休日が減少しており、厳しい労働環境となっています。

 

残業時間・休日日数

「除雪オペレーターの残業時間」(2017年)     「除雪オペレーターの休日日数」(2017年)

 ※除雪オペレーター:除雪機械の運転手や助手

【除雪事業者の課題2】除雪従事者の減少

現行の除雪方法は夜間に一斉に出動することが多く、明け方までに除雪作業を終える必要があるため非常に多くの人員、機械が必要となっています。

今後、高齢化の進行などにより除雪従事者が減少していく推計であり、このままでは現行の除雪体制の維持が困難になる可能性があります。

除雪従事者の減少 

「札幌市の除雪業務における除雪従事者の将来推計」(2017年)

一般的な手法と試行した手法の比較

一般的な手法

除雪作業

新雪除雪イメージ図

    除雪車でかき分けた雪の処理は、
    皆さまにお願いしています。


 

路面整正イメージ図

  除雪車で削った雪は、出入口前を極力避けて、
  影響が少ないところに寄せます。

新雪除雪

ほぼ連続した降雪によって路面の積雪深が10cmを超え、車両の走行が困難となり除雪作業が必要と予想されるときなどに、夜間に往復の「かき分け除雪※」を実施。

※かき分け除雪:路面の積雪を道路の両脇へ寄せる作業

 

 

 

 


 

路面整正

道路がザクザクになったときなど、通行に支障があるときに、路面の圧雪を削る作業。

 

排雪作業

生活道路では、排雪(道路上の雪を運び出すこと)は原則行っていません。
ただし、排雪を希望する団体に向けた支援制度として、「パートナーシップ排雪制度」を設けています。

 

試行した手法

一般的な手法と比較して、主に変わっているところを朱書き

除雪作業

 新雪除雪イメージ図

    除雪車でかき分けた雪の処理は、
    皆さまにお願いしています。
    作業後に寄せられる雪の量が減ります。

 

路面整正イメージ図

  除雪車で削った雪は、出入口前を極力避けて、
  影響が少ないところに寄せます。
  作業の内容は変わりませんが、回数が増えます

 


新雪除雪 

ほぼ連続した降雪によって路面の積雪深が20cm程度となり、車両の走行が困難となり除雪作業が必要と予想されるときなどに、夜間に往復の「圧雪(踏み固め)除雪※」または「かき分け除雪」を実施。

圧雪(踏み固め)除雪:路面の積雪を踏み固める作業。「かき分け除雪」よりも効率が良く、更に作業後に寄せられる雪の量が減ります

 

 

 

路面整正

圧雪が厚くなりすぎたときや道路がザクザクになるなど、通行に支障があるときに、路面の圧雪を削る作業。

作業内容は変わりませんが、今までよりも作業回数を増やして、計画的に実施

排雪作業

圧雪路面を削る路面整正の回数を増やすため、一般的な除雪方法よりも雪を置く場所が必要になるので、市の除雪作業のための雪置き場を確保するべく簡易的な排雪を行います。

※「パートナーシップ排雪制度」で行う作業と比べて、確保する道幅は狭くなり、雪は多く残ります

 

試行の目的と想定している効果・影響

目的・効果

【持続可能な除排雪体制の維持】
 ・計画的かつ効率のよい作業方法をあらかじめ検討しておくことで、
  将来的に除雪従事者が減少してしまった場合でも除排雪を行うことができる

【生活環境の改善】
 ・新雪除雪の方法を変更することで、除雪後に寄せられる雪の量が減る
 ・路面整正の回数を増やすことで、マンホール部分の段差やザクザク被害の軽減に繋がる
 ・路面整正の回数を増やすし、路面の圧雪厚を一般的な除雪方法よりも薄く保つことで、
  出入口部分に置かれる雪の緩和処理をする回数が増えるので、雪かき負担の軽減に繋がる

【労働環境の改善】
 ・降雪に応じて出動する新雪除雪の回数が減ることで、夜間の急な呼び出し(不規則勤務)が減り、
  休日を確保しやすくなる
 ・計画的に実施する路面整正を増やすことで、夜間の不規則勤務が減り、働きやすい環境に繋がる

影響

 ・圧雪を削る路面整正の回数が増えるため、道路脇の雪山はこれまでより高くなる
 ・降雪に応じた新雪除雪の回数が減るため、20㎝未満の降雪があった翌朝などは
  一時的に歩きづらくなる
 ・新雪除雪の方法を圧雪(踏み固め)除雪へ変更することで、新雪除雪後の翌朝などは
  一時的に歩きづらくなる

※降雪20㎝程度の場合は一時的に歩きづらい状態になることが想定されますが、
 次の写真のように、車の通行などによって積雪は自然に踏み固められていきます。

降雪後の状況

降雪後の状況(6時)

自然圧雪(14時30分)

自然に踏み固められた状況(14時)

 

路面整正で発生する雪を置く場所

路面整正は圧雪路面を削るため、水分を含んだ固くて重い雪が発生しますが、今までと同様に出入口部分はなるべく避けて置きますので、交差点のほか道路脇にも堆雪せざるを得なく民間排雪箇所ロードヒーティング設置場所などについても雪を置くことになります

タイミングが悪ければ、個人排雪や融雪した直後のきれいになった場所にも置くことになりますが、ご理解のほどお願いします。

※出入口部分:車の出入口や玄関前の道路部分

 

「出入口部分」:車の出入口や玄関前1

 

「出入口部分」:車の出入口や玄関前2

 

 

試行した地域のアンケート結果概要

令和元年度

【調査対象】
 2区3地域6町内会

【回収結果】
 ● 配布数:2,183戸
 ● 回収数:716件(回収率32.8%)

【家の前の雪かきについて】

R1家の前の雪かき 

【シーズンを通した歩きやすさについて】

 R1歩きやすさ

 令和2年度

【調査対象】
 10区13地域29町内会

【作業実施状況】

 

試行地域

隣接地域

新雪除雪回数(回)

4.9

11.5

路面整正回数(回)

4.6

2.5

【回収結果】
 ● 配布数:17,644戸
 ● 回収数:4,394件(回収率24.9%)

 

【家の前の雪かきについて】

 R2家の前の雪かき

【シーズンを通した歩きやすさについて】

R2歩きやすさ

 

令和3年度

【調査対象】
 10区23地域63町内会

【作業実施状況】

 

試行地域

隣接地域

新雪除雪回数(回)

4.7

7.7

路面整正回数(回)

4.1 2.1

【回収結果】
 ● 配布数:35,908戸
 ● 回収数:11,331件(回収率31.6%)

【家の前の雪かきについて】

R3家の前の雪かきについて

【シーズンを通した歩きやすさについて】

R3シーズンを通した歩きやすさ

令和4年度

【調査対象】
 8区18地域50町内会

【作業実施状況】

 

試行地域

隣接地域

新雪除雪回数(回)

5.3

9.0

路面整正回数(回)

3.6 2.8

【回収結果】
 ● 配布数:32,790戸
 ● 回収数:7,351件(回収率22.4%)

【家の前の雪かきについて】

 R4雪かきの負担感

【シーズンを通した歩きやすさについて】

R4シーズンを通した歩きやすさ

 

参考資料

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このページについてのお問い合わせ

札幌市建設局雪対策室事業調整担当課
〒060-8611 札幌市中央区北1条西2丁目 札幌市役所本庁舎8階
電話番号:011-211-2682
ファクス番号:011-218-5141