ここから本文です。
これまで全国各地で発生する大規模地震や台風等の災害により、数多くの電柱が倒壊し、緊急車両の通行や緊急物資の輸送、住民の避難等に支障を及ぼしてきました。また、電柱が立つ位置によって、通行空間が狭くなり、歩行者や車いす利用者等の通行に支障を及ぼす場合があります。さらに、電柱が立ち並び、電線が上空に張り巡らされていることにより良好な景観を阻害しています。
このため、電線類を地中へ埋設する等の無電柱化は、道路の「防災性の向上」、「安全性・快適性の確保」、「良好な景観形成」のため、全国的に重要な施策となっています。
本市においても無電柱化事業の実施にあたっては、「防災」、「安全・円滑な交通確保」、「景観形成・観光振興」に資する対象道路のうち、災害が激甚化・頻発化する等の近年の情勢を踏まえ、特に「防災」を重視した整備を推進します。
■防災性の向上
災害時に道路上への電柱・電線類の倒壊を未然に防ぎ、緊急車両の通行や緊急物資の輸送、住民の避難等に向けて、救援ルート確保の迅速化が図られることから、被害の拡大防止になるものと期待されます。
1.電線共同溝方式:電線共同溝法に基づき、道路管理者が電線共同溝を整備し、電線管理者が電線、地上機器を整備する方式
2.要請者負担方式:要請者が整備する方式
3.単独地中化方式:電線管理者が整備する方式
4.キャブ方式:電線類を集約するため蓋付溝型の大型トラフを設置し、ケーブルを収納する方式
この他にも、各建物の軒下に直接電線を配線する軒下配線方式や表通りの無電柱化を行うため裏通り等へ電柱、電線等を移設する裏配線方式の地中化をしない方式があります。
無電柱化を推進するためには、現地の状況に応じて関係者が連携し、電線共同溝方式に加えて単独地中化方式などの様々な手法を活用し、より効率的な手法にて整備していくことが重要となります。そのため、適切な役割分担の下、地域の実情に応じた構造及び手法により実施します。
電線共同溝とは、上空の電線類を、地下空間に収容するための施設で、『電線共同溝の整備などに関する特別措置法』に基づき整備を行う無電柱化手法のひとつです。この法律によって、電線共同溝の整備道路に指定された道路での新たな電柱及び電線の占用を制限することが可能になります。本体を道路管理者が建設し、その中に電力会社、電信電話会社、有線放送会社などがケーブルを入れていく方式です。管路はケーブル毎別々に埋設し、分岐引込のための接合部のみ統合しています。
電線共同溝は、CCBとも呼ばれています。(最初のCには「Community(地域・共同)」「Communication(通信・伝達)」「Compact(コンパクト)」の意味。二つ目のCは、「cable(ケーブル)」、Bは「box(箱)」の意味。)
1.上下水道管、ガス管などの埋設管の(先行)移設工事
2.電線共同溝の埋設工事
3.地上機器等の据付工事
4.電線類の各戸引込工事
5.舗装復旧工事
6.電線類の入線工事
7.電柱の抜柱工事
8.完成
近年、災害の激甚化・頻発化、高齢者・障がい者の増加、訪日外国人を始めとする観光需要の増加等により、無電柱化の必要性がさらに増してきています。この情勢の変化を踏まえ、国では平成28年(2016年)に無電柱化の推進に関する法律を施行し、平成30年(2018年)4月には「無電柱化推進計画」を策定しています。また、これまでの成果や課題を踏まえ、無電柱化を一層推進するべく、無電柱化の推進に関する施策の総合的、計画的かつ迅速な推進を図るため、令和3年(2021年)5月に新たな「無電柱化推進計画」が策定されました。
本市においては、20年後を想定した将来交通に対する基本的な考え方と10年間の交通戦略から構成される札幌市総合交通計画があり、交通に関する個別計画等の策定・実施をするうえでの指針となっています。
総合交通計画には、無電柱化についても今後の方向性や目標等が示されていることから、地震や風水害、雪害等の災害に強い交通環境の形成を図るため、無電柱化の推進に係る実施計画として令和2年(2020年)3月に「札幌市無電柱化の推進に関する計画」を定めました。
また国の新たな「無電柱化推進計画」が策定されたことを踏まえ、令和4年(2022年)3月に本市計画を改訂しました。
札幌市無電柱化の推進に関する計画(令和4年3月改訂)(PDF:425KB)
札幌市無電柱化の推進に関する計画_参考資料(PDF:60KB)
令和3年5月に策定された国の新たな「無電柱化推進計画」に基づき、道路管理者と電線管理者等で構成される「北海道無電柱化推進協議会」において合意された下記路線の整備を進めています。
令和6年度_無電柱化工事箇所図(全体図)(PDF:552KB)
令和6年度_無電柱化工事箇所図(拡大図)(PDF:759KB)
路線名
(都市計画道路名) |
整備区間(今後の予定含む) |
||
起点 |
終点 |
整備延長 (km) |
|
西15丁目線 (福住・桑園通) |
中央区 南1条西15丁目 |
中央区 南14条西15丁目 |
3.58 |
西7丁目線 (西7丁目通) |
中央区 南4条西7丁目 |
中央区 南13条西7丁目 |
2.96 |
道道札幌環状線 (環状通) |
白石区 本通1丁目南 |
白石区 南郷通1丁目北 |
1.73 |
白石区 南郷通1丁目南 |
豊平区 美園3条7丁目 |
1.70 |
|
豊平区 美園4条7丁目 |
豊平区 平岸6条10丁目 |
2.70 |
|
中央区 南19条西15丁目 |
中央区 南19条西16丁目 |
0.40 |
|
南19条宮の沢線 (環状通) |
中央区 南19条西16丁目 |
中央区 南14条西18丁目 |
1.78 |
北15条線 (環状通) |
東区 北15条東8丁目 |
北区 北15条西4丁目 |
2.84 |
南14条中央線 (米里・行啓通) |
中央区 南14条西14丁目 |
中央区 南14条西7丁目 |
2.28 |
南1条線 (南1条通) |
中央区 南1条西4丁目 |
中央区 南1条西6丁目 |
0.78 |
北3条線 (北3条通) |
中央区 北3条東14丁目 |
中央区 北3条東1丁目 |
3.56 |
旭山公園米里線 (菊水・旭山公園通) |
中央区 南8条西10丁目 |
中央区 南9条西1丁目 |
2.45 |
道道宮の沢北一条線 (北1条・宮の沢通) |
中央区 北1条西19丁目 |
中央区 北1条西17丁目 |
0.52 |
道道花畔札幌線 (篠路駅中央通) |
北区 篠路3条8丁目 |
北区 篠路3条8丁目 |
0.52 |
道道西野真駒内清田線 (五輪通) |
南区 川沿2条1丁目 |
南区 川沿2条1丁目 |
0.24 |
東4丁目線 (東4丁目通) |
中央区 大通東4丁目 |
東区 北6条東4丁目 |
1.66 |
札幌北広島環状線 (屯田・茨戸通) |
北区 西茨戸 |
北区 西茨戸6条1丁目 |
2.78 |
*令和6年(2024年)3月末時点
*令和6年度の工事箇所は、上表で朱書きしています。
*上記路線について、今後の電線管理者との協議等において変更することがあります。
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Acrobat Readerが必要です。Adobe Acrobat Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先から無料ダウンロードしてください。
このページについてのお問い合わせ
Copyright © City of Sapporo All rights Reserved.